出かけてきたよ⑱(因幡の白兎様🐇②)
出雲から、松江へ。
辺りはすっかり、夜。
街は人がまばらだが、電灯の色がやさしく、寂しさは感じない。
駅から宿は、数分。
オーナーが、あたたかく出迎えてくれた。
宿の中は、明るく、清潔。
隅々まで、オーナーの心が行き渡っている。
「このお宿の近くで、地元の美味しいものを楽しめるところに
行きたいのです。おすすめは、ありませんか。」
すぐにオーナーは、お店を教えた上、予約まで入れてくれた。
人気店だが、タイミングいいことに、10分後に予約が取れた。
お稲荷さんと、お地蔵さんの祠の間の路地に、その小さなお店を見つけた。
店からの明るく賑々しい雰囲気が、路地にまで溢れている。
お店の人達は皆、とても気持ちが良かった。
地元ならではの惠みと地酒を、見繕ってもらう。
何から何まで、美味しい。完食。
キリっとして、超辛口で豊潤。私好みの地酒に出会う。
「これ、むちゃくちゃ好きです。同じの、もう一本!」
「はーい、『やまたのおろち』ですね。」
えっ、ヤマタノオロチ・・・🐍🐍🐍🐍🐍🐍🐍🐍
そうか、これは、素戔男尊様からの杯だったんだ。
美酒をありがとうございます。
遠慮なく、いただきます🍶
美味しい食事に大満足。
外に出ると、外気が清々しい。
この周りは、神社・寺・お地蔵さんの祠がたくさん。
山々が、湖を囲んでいる、美しい風景。
出会う人々、皆清々しい。
すっかり私は、この街に魅了された。
夜。お宿のオーナーとおしゃべりを楽しんだ。
オーナーは松江の外に、数か所ゲストハウスを所有されていた。
その生き方の柔軟さと堅実さ。人懐っこさ。
ご自分のスキで生きている明るさに、非常に好感をもった。
話が尽きない。いつのまにか数時間経過していた。
どちらからともなく、567な話題に。
「ウチは海外からのゲストが多かったんで。影響ありましたね。
よかったんですよ、全ての物件をどのように維持するのかどうかを通じ、
自分が人生に何を望むかの見極めと、行動に繋がりましたから😺」
ほほう、どんな行動に?
「全ての物件を、自分達だけで維持していたわけでなかったんです。
身は一つだけど、数か所あるんで、スタッフに頼んだりね。
これまで全ての経営は廻っていたけど、正直、自分達が持つ以上の
パワーを抱えている感が、いつもあったんですよ。
この事態になって。それを機会に、このまま全てを維持したとしたら
どうなるか、プロに査定してもらったんです。
その過程で気づいたんですよ。ここまで大がかりにする必要、無い。
自分たちの目の届く範囲で、楽しくやっていけば十分と😸」
今は、所有物件を最小限にしたとのこと。
「朝起きて。
宿のことやってたら、昼になり。そして夜になる。
持ち物件が増えようが減ろうが、1日は変わらないって、
あらためて気づいたんですよ。
自分に必要なものだけを持つ。
それだけで、十分幸せですよ🐱」
オーナーにお断りをして、建物内で、そのお宿らしいところを写真に。
麗しいオーナーのお姿も、ご本人の許可を得て、こちらに掲載。
明るく和み、癒された一晩、ありがとうございました。
また、お会いしましょう。
街を観光しようと、駅へ。
そこへ、レトロなバスが滑り込んできた。
ちょうど、行きたいところに全て行くバスだと知り、乗ることに。
車内も素敵。
運転手さんは、女性。
マイクを通じ、滑らかな口調で市内の歴史や施設の紹介をしながら、
軽やかにバスを走らせてくれた。
今日もこの街は、晴れ渡っている。