出かけてきたよ⑱(因幡の白兎様🐇①)
心身楽しかった飛騨からの帰り道。
夕焼けに染まる、遠くの美しい山々を眺めながら帰路についた。
あの夕焼けの先の山も、きれいだろうなあ・・・。
バスは、梅田に到着。
何気なく、通り道にある別のバスターミナルに立ち寄った。
そこから、方々を結ぶ路線の多さに驚いた。
こんなに色々なところに、バス一本で行けるなんて。
その中に、とても気になる場所があった。
「ねえ、11月の終わりに、ここでパーティがあるの。
皆様がお出でになるわよ、貴女もおいで🐇」
とても残念です。その頃は、東の地に出かける予定があるんです。
「そう、残念。じゃあ、その後、この日においでなさい🐇」
ぜひ、うかがいたいのですが。あいにく、スケジュールが・・・。
「待ってるわね🐇💕」
あれ~っ💦
・・・・・行っちゃった。
じゃあ、とりあえず。
その日に”予定”を書き込んではおこう。
その地も気になる。大阪でその地名を見たその日から。
12月に入り、不思議なことが、次々起きた。
件の会議は、私の勘違いで、別日であったことが判明。
同日開催する予定の別の会議は、その週に限って別日に変更。
さらに、同日入っていた仕事にキャンセル・振替希望が入った。
結果、その日の予定は、上手い具合に空いてしまった。
「突然だけど、『出雲』に出かける。」と両親に告げた。
どうやら、招かれたのは、私だけでなかったようだ。
なんと、両親達も行きたいと言い出した。一緒に行くことに。
宿は、すぐに見つかった。
バスで、出雲へ。
美しい車窓からの山々に、すっかり寛ぐ。
私は、しばし微睡んでいた。
目を覚ますと、驚く。
雪を頂いた、美しい山が隣に。
その山は、大山。
私は小学生の時、その山を登山したことがあった。
それ以来となる。ずいぶんご無沙汰していた。
思い立てば、こうやってすぐに来れるのに。
大山の美しさから、目が離せない。ずうっと眺めていた。
大山が背後に来る頃、バスの左手を見た。
息を飲んだ。一面に、天国の梯子がかかっていた。
空に導かれて、出雲市駅に到着。
すぐに、駅前のバス停を見つけた。
ほどなく、バスが来ることがわかり、ほっとしていたところに、
風変わりな姿の男性(おそらく、ご自宅を所有されていない)が、
前方の横断歩道を渡ってきた。
私は、そっと、その荒々しい風貌の男性を見ていた。
眉が太く、非常に厳めしいお顔。ザンバラの長髪。
ひざ下から切れて、ほつれて糸が出ているままのズボン。
この寒空をTシャツ1枚。それも両袖をまくり上げている。
そして素足に、クロックス。
その男性が、そのまま駅に消えた時、バスが来た。
何気なく、後ろの掲示板を見て、思わず声を上げてしまった。
短い時間だが、出雲歴史博物館のポスターを、まじまじと見た。
そのポスターの男性と、あの男性。似ている。
・・・・・・・素戔男尊様の御出でだ!!
「ねえ、さっきの人、このポスターの人に似てなかった?。」
「?」となっている、両親。
あれ、たしかに、横断歩道を渡って駅へ行った男性がいたはずだけど・・。
二の鳥居を通る。
「いらっしゃい🐇」
お招き、ありがとうございます。お会いできて嬉しいです。
ところで、🐇様、アカウント名”Seo~”でしたよね。
”Rittsu~”って・・・・・?
「それ、サブアカ。さあ、皆さんのところにも、おうかがいを🐇」
なんとも、落ち着くところ。
しばらく、ゆっくりさせてください。
ああ、本当に、こちらにおうかがいできて、よかったです。
とても元気になります。ありがとうございます。
美しい祝詞と御鈴の音が満ちていた。
「二礼四拍手一礼」
ここでの参拝方法に倣って、ご挨拶。
夕方、日も暮れそうな頃。珍しいタイミングに出合う。
巫女さん、神職関係の方と思われる方々が複数いらして、
お賽銭を集め、神様に収めるべく回収し始めたのだ。
色々と作法があるようだ、興味深い。
お賽銭が奏でる音は、とても優しく、美しい。
それは鈴の音や、せせらぎのよう。
「ほら、鳥居出てすぐの街に。
色々美味しいものが、たくさんあるわよ。
閉まってしまう前に、お買い物も楽しんで🐇」
そうしますね。楽しんでいきます。
ここは、皆様いらっしゃって。
いつまでもいたいくらい、清浄しい地でした。
おうかがいできてよかった。
お招き、ありがとうございました。