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瀧澤神社オリジナル御守りづくりプロジェクト 主祭神 瀬織津姫

瀧澤神社(たきさわじんじゃ)

僕の生まれ育った地域には瀧澤神社が鎮座しております。
その歴史はかなり古く、主祭神(しゅさいじん)は大祓殿大神(おおはらえどのおおかみ)の一柱の瀬織津姫(せおりつひめ)であります。寛政十一年(1799年)に学問ゆかりの和歌三神:衣通姫(そとおりひめ)・柿本人麻呂(かきのもとひとまろ)・住吉明神(すみよしみょうじん)が合祀され、この地域の氏神様として現在も地域の人々にとっての地域風土の支えでもあり大切なランドマークの一つです。
僕たちの子供の頃は「神社の前を通るときは、ちゃんと立ち止まって帽子とってお辞儀してから行くんだよ!」なんてよく言われてました。子供ですから時にしたりしなかったりではありましたが、当時この地域の子供達にはまだそういった風土が継承せられていました。

瀧澤神社どんと祭

瀧澤神社 由来事
 瀧澤神社の歴史は古く、伊達政宗公が仙台に入府=慶長六年(1601年)以前の、国分氏の時代にはすでに現亀岡八幡宮の在る地に鎮座ましましておりました。別当寺は光明院でした。(現在は大和尚の墓石のみが残っております)
 しかし、天正十九年(伊達家発祥の地・福島県伊達郡(現 伊達市)が蒲生領に、その後上杉領となるに及び、社司が鎮座されておりました伊達家の氏神・亀岡八幡宮を奉じ、政宗公の仙台入府と同時に同心丁(大仏前(おぼとけまえ)ほぼ現在地)に仮宮を営み、その後寛永十七年(1640年)二代目藩主忠宗公はこの地に社殿を造営して梁川今八幡と称しました。
その後、四代目藩主綱村公は天和三年(1683年)に梁川今八幡宮を現在の青葉区川内亀岡に遷すことになり、そこに鎮座ましましていた瀧澤神社との社地交換が行われ、同年、同心丁(大仏前)に遷座し、戦災を経て今日に至っております。
 瀧澤神社の新社地となった同心丁は、町の警護を行う同心の住む町で、仙台城下の地割に用いた縄などを城下の火防を祈念して焼却した清浄な地だったため、火防の神・瀧澤神社には相応しい土地だったと言えます。

瀧澤神社由来より

プロジェクトの意図

瀧澤神社は常駐する神社職員は不在のとても小規模な神社です。しかしながらこの地域は総代会と地域住人や商店街そして町内会の関係性が強く年三回の御開帳の際には境内にあふれる優しくて穏やかな空気感が溢れるのが自慢の神社です。

毎年1月14日のどんど祭には玉こんにゃくと甘酒が参拝者へ振舞われます。前日のお昼過ぎから総代長が先頭となり数人のお手伝いが「大変だ!大変だ!」言いながら、それでもどこか嬉しそうに仕込みを行います。「総代長ほんとお振舞い好きだよね~、きっとあれは総代長の生き甲斐なんだな、、」なんて憎まれ口を言いながらも、神社や参拝者に対する総代長の思いが私達に伝わります。そしてその後ろ姿を見た私達総代たちやお手伝いの皆さんに純粋なホスピタリティーが芽生え、其々の参拝者をもてなす佇まいにそれが現れます。お振舞いにしても御札や御守り、おみくじ販売にしても、フェイストゥフェイスの丁寧で優しい笑顔の受け答えがあり、人の手から手へと受け渡されます。これは心のシナジーというものなのか、毎年境内には白い息と共に沢山の参拝者たちの笑顔が溢れます。いつの間にか人と人との関係性が気薄になってしまった今の時代、こういった事はとても貴重で大切なことだと常に感じていました。そして時流の影響を受けながらも人々によって風土化された人々の心の置き所を継承していくためにも、その旗印となる様なオリジナルの何かがあったならな素敵だなぁ~。という思いがこのオリジナル御守りづくりプロジェクトの動機きっかけとなりました。

ビルの谷間に鎮座する瀧澤神社

プロジェクトキーワード

その1 「一手間」
今回のプロジェクトの「動機」「調査」そして「企画」から「製作」「販売方法」「購入」に至るまで全てに「一手間」という言葉を掛けてあります。度々このくらし座のエッセイに登場する「合理性が生む弊害」についてですが、「合理性」そのものが「悪」というよりは、合理性を利用する人間側に問題があり、使い方次第で常にトラップが潜んでいることを述べてきました。
本来マーケットとは一線を画すはずの神社でさえ知らず知らずのうちにその潮流に巻き込まれないという保証は見当たらず、神具業者の既製品にせよオリジナルにせよ、御守りにせよ流行りの御朱印にせよ、そして御札にしても、当然御祈祷をしたもではありますが、制作から販売・購入まで関わる人の心次第ではやがてただのグッツ化やお土産物化していく可能性は否めないと感じてます。そこでこの「一手間」というキーワードを掲げました。

その2 「総合性」
瀧澤神社でも「合格祈願」「交通安全祈願」「商売繁盛」等々のご利益をジャンル分けした御守りをご用意してますが、祈願する最終目的は「安心」とか「喜び」とか「感謝」とか「自分のことをもっと好きになる」他に集約されると思います。それらを集約したものは本来「御札」なのかもしれませんが、お札は神棚にお祭りするものですので常に身に付けられるものを企画しようという試みです。

その3 「浄化と再生」
主祭神瀬織津姫は困り事があった時、祝詞をあげると高天ヶ原の岩戸が開き、神々が雲をかき分けそれを聞いてくれ、白い龍の化身である瀬織津姫が澤のほとりに降り立ち、負のエネルギーを一気に海へ流し去る。と伝えられている水の神様です。私たち人間はどんなに心の奇麗な人でもこの二元世界に活動していると心に垢が付くことがあります。そんな時 瀬織津姫が降り立ち心の浄化をしてくれます。そして「浄化」するだけに留まらず、仕事を終え瀬織津姫が白竜になり天の戻る際に上昇気流生まれそのエネルギーにより、再スタートする人々の背中を押してくれます。
ポジティブに前を向くことを手助けしてくれるのが特徴で、なんとなく目的が曖昧になりつつある時代、時に触れ 氏神様を参拝するという地域風土を日常生活に今より少しだけ能動的に活用してもらえたらと考えました。

スタイリングと仕様

御守り形式は木札と組紐です。
◆木札 
素材は「杉」で表面が瀧澤神社の角文字、裏面が紋「丸の内縦三両」

瀧澤神社角文字の製作
丸の内縦三両

この杉材は宮城県牡鹿半島桃浦産の間伐材を使用しています。桃浦は美味しい牡蛎生産で有名なところですが、きれいな海を守るには山を整えることが大切だということを伝える活動をされている、「合同会社もものわ」さんにご協力頂いてます。

杉間伐材
桃浦

自然の恵みである木肌感を大切に素木(無塗装)で、つくりこみ過ぎずそれでいて丁寧に、素朴さを表現しました。

通し穴サイズサンプル
直径4.5㎜に決定
ベージュとパステルターコイズ
ライトトーナス23

◆組紐
人と人、心と心、神と人、などを「結ぶ」と言われる組紐を仕様。そして清い水を表現しパステルターコイズカラーを採用しました。

◆色彩学ライトトーナス値
木札(杉素木)のベージュカラーと組紐のパステルターコイズカラーはおおよそライトトーナス23。色彩(光)が心身に及ぼす影響を数値化したものがライトトーナス値ですが、ライトトーナス23は筋肉を弛緩させる基準値で心身を整え浄化する色です。例えばライトトーナス42(赤)が最も興奮させ血圧まで上げてしまします。
これは視覚の情報を奪っても皮膚で色彩を感じとり同様の効果があります。つまりこの御守りは盲目に方でもその効果が期待できます。

カラーチェック

◆一手間の共有
上でも述べましたが今回のプロジェクトには「一手間」というキーワードがかかっております。これは昨今の安易な合理性との対立軸ですが、この御守りは木札と組紐はあえて完成品ではなくキット(組み立て式)にて薄紙に包みました。御守りの利用方法によって組紐の長さを調整して頂くという、ご購入者にも一手間をかけてもらおうという趣旨です。「全自動」とか「購入した時がゴール」がという時流にあえて逆らい未完成にしました。お祭りの時、半纏に合わせる、カバンに下げる、御守り袋用意するなど、それぞれの心を込めた利用方法を考えて頂けたら幸いです。

◆オリジナル封筒
今回は封筒も新しくデザインしました。
「美しい女性の神様らしくそして上品に」を意識し、瀧澤神社の角文字を封筒にライドグレーにて重心を少しだけ上に位置決めし印ました。組紐のターコイズや添書(英訳付き)の文字、また現在制作進行中の御朱印のカラーが封筒の表面に透けても上品さ保てるようデザインしました。

添書
グローバル化

昨年2023年10月から牡鹿半島桃浦の現地視察から始まり、研究開始。そして11月に実行委員会を立ち上げ、同じく12月の総代会でプロジェクトのプレゼンテーションを行い承認されました。そして今年2024年、一年をかけて完成し今月12月の総代会で完成報告をし承認を受けました。
このオリジナル御守りは2025年元旦祭から販売開始となります。
瀧澤神社は年三回だけの御開帳ですので、年間を通してフェイストゥフェイスにて丁寧な販売が可能な仕組みを現在デザインしております。

ご興味がございましたらお気軽にお問い合わせください。

瀧澤神社総代会 大村正(くらし座)







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