
【『ざ・総括。』が選ぶカー・オブ・ザ・イヤー】マガジンX 2025年2月号『ざ・総括。』<単品売り>
2024年はC=カーではなくてC=カンパニーでBYDを表彰
悔しかったら立ち上がれ!
「2024年は不作だ」とは、本誌『ざ・総括。』評価陣の一致した見方だ。欲しいと思ったクルマは、アルピナB3が3人、BMW・5シリーズの4気筒ICE(内燃機関)搭載車が1人、スズキ・スーパーキャリイが1人。まだ評価会議として正式に試乗していないため次回送りになるが、スズキ・フロンクスも話題にのぼった。しかし、それぞれ決め手がない。アルピナは常識的なクルマ選びと言える範疇の車両価格ではない。そこで各人が推薦したのは「BYDオート」という会社の、日本でのビジネス展開を表彰するという案だった。



<評価メンバー>
エ=エンジニアリングコンサルタント
チ=チューニングショップの社長兼エンジニア
部=元部品メーカーのエンジニア
T=ベテラン実験ドライバー
通=自動車業界の事情通
不作だった2024年
エンジニアリングコンサルタント(以下=エ) 2024年の『ざ・総括。』COTY(カー・オブ・ザ・イヤー)を選びたいから、いまから考えておいてほしいと、前回皆さんにお伝えした。毎年、事前に推薦車2〜3台とその理由を提出してもらっていたが、今回は「該当車なし」が2人、スズキ・フロンクスが1人、「2023年の発売だけれど…」いうと但し書きがついて、BMW・5シリーズのICE車が1人となった。そして、皆さんに共通して「不作だなぁ…」といったようなコメントが添えられていた。
チューニングショップの社長兼エンジニア(以下=チ) この評価会議が取り上げるクルマは「その年のニューモデル」ばかりではない。オレが試乗車を調達できなかったという理由がほとんどだが、前年発売のクルマもあるし、突然だれかから「来月はコレに乗りたい」というリクエストが入ることもある。しかし、2023年11月ごろから、オレが「来月はコレでどう?」と打診した試乗車に対して、「やっても意味がないんじゃない?」「少し乗ってみたけれど評価すると★1つだ」といった声が返ってくるケースが出てきた。
ベテラン実験ドライバー(以下=T) そもそも国内のOEM(自動車メーカー)からの新型車の発売数がめっきり減った。国内市場向けのモデルがかなり整理されたからね。登場数が少ないのに出来が悪いと、我われも気力が失せる。
自動車業界の事情通(以下=通) 2024年は型式認証不正問題もあった。国土交通省が対象のOEMの認証受付を一時ストップしたことも影響しただろうな。
チ いや、そういうことじゃなくて、我われとしての評価はきちんとやりたい。たとえ結果が★1つだとしても、だ。
T ここでの★3つは「普通」だから、「買うのはやめたほうがいいですよ」ということじゃない。★2つは「ちょっと考えてください」「ほかにも選択肢がありますよ」で、★1つは「我われとしてはお勧めしません」と思っていただければいい。
通 ああ、★1つはたしか過去にあったね(笑)。神領編集長がそのOEMから呼び出しをくらった。
T 我われはちゃんと項目ごとに点数を付けて、その合計に個人的な「思うところ」を加えて★の数を決めているわけで、★が少ないのはクルマを作ったOEMのせいなんだ。どうしても納得がいかないのであれば説明してやるよ。
部品メーカーのエンジニア(以下=部) どのOEMでも10点評価をしています。たいがい5点が合格です。我われの★評価では5〜6点は★3つです。個人的な印象を言うと、近年は投入車種数が減っても、1車種当たりの開発工数は増えていないだろうなぁと思うモデルが多いということです。働き方改革の影響もあると思います。
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