毎日気軽に使えるうつわを、手ごろな価格で。|Kamani
創業より100年以上、代々受け継がれてきた陶器店「カマイチ商店」。新型コロナウイルスの影響で陶器市の中止が続いたことを機に、オンラインショップ「Kamani(カマニ)」をオープン。
なぜわざわざ屋号とショップ名を変えたのか、イベント出店も始めたのか。家業である「カマイチ商店」に勤め、「Kamani」の店主を務める水野萌子さんに尋ねました。
イチの次だからニ
「3年前くらいですかね。『カマイチ商店』を営む家族から、陶器のお祭りやイベントが開催されないことを聞きました。何かしたい。そう思い立ち、オンラインショップ『Kamani』を開設しました。当時、仕事(雑誌の編集)を続けながらでもできたので」
屋号とショップ名を変えた理由は一体......。
「『カマイチ商店』のラインナップと、私がセレクトしたいものとではテイストがまったく異なります。屋号をそのままにすることで乖離があるといけないなと。イメージをガラッと変えるためには屋号を変える必要がありました。カマイチの次だから、カマニ。それをローマ字表記(Kamani)にしました」と水野さん。
新たな一歩が大きな変化へ
「これまでは主に東海三県の皆さんにお届けしていたところ、四国や九州など、遠方からもご注文いただけるようになりました。手伝っているうちに、自分の力を最大限発揮して働ける場所はここだろうと、仕事を辞めて家業に入って働くことを決意しました。基本業務は父と二人三脚でやっています」
仕入れ先が多いことから被りはあるものの、カマイチ商店は企業(法人)向け、Kamaniは個人向けのうつわを取り扱っているそう。
昔から陶器も料理も好きな水野さん。可愛い器を見つけて奮発して買っても、使ってみると意外と重くて置き物になってしまう......なんてことも多々あったという。同じような悩みを抱えている人がきっといるはず。
「毎日気軽に使えるもの、電子レンジと食洗機、どちらも対応しているもの、手ごろな価格であること。この3点を大切に仕入れて販売しています」と、Kamaniの商品について話す。
適度な距離感で接客
「イベントに出店すると、お客さまから『可愛いのに安いね』と言っていただけることが多くて嬉しいです。商品を手に取ってくださる方や、興味はあるけどちょっと迷ってそうな方にはお声がけします。『デザインが素敵ですよね』などと一言声をかけることで、購入の後押しになることも。私自身人見知りなので(笑)無理に声をかけることはないですが、オンラインと違って、面と向かってお話できるのはいいこと。今後も積極的にイベントに出たいです」
簡単に目玉焼きがつくれる!?!
特に思い入れのある商品は『レンジで目玉焼き』だそう。
「電子レンジで50秒ほど温めることで目玉焼きができます。良さを伝えるために動画を作ってみたり、同封する説明書を改善したりしました。中には『去年も買ったけど、もう1個買う』と言ってくださる人もいらっしゃって。Kamaniが大切にしている『気軽に使える』商品とも言えます」
最後に、今後の展望について聞くと「いつか実店舗を持ちたいです。前職の経験を活かして、陶器をつくっている方へインタビューしたり、陶器の知識や使い方を提供したりするメディアを作りたいですね」と話す。
=編集後記=
以前から気になっていた『レンジで目玉焼き』を実際に使ってみました。簡単に作れてつるんと取れる、その手軽さにびっくり!そして、なんといっても可愛い。Kamaniさんが大事にしている「日々の生活に寄り添う」を体験できると思います。おすすめです。(zaki)
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