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詩集・思案するおまえへの解答例2 -警固-


警固:非常の事態に備えて守り固めること。

デジタル大辞泉「警固」


同じ文字列に向き合って
ひとり、優しいと涙する
ひとり、冷たいと涙する
どちらも正しいおまえだよ




もしも愛が量れても
最終的には有無だけだ




誓いを立てよう!
もうここには戻ってこないことを、この荒天に!
もう君を傷つけないと言わないことを、この新月に!
人間として生きていくことを、この泥濘に!
そして、
それらすべてはいつでも反故にできることを、
この自分に誓いを立てよう!




正しさなんて語るなよ
青白い顔で笑うなよ




いつも通りの今日だから、
昨日もきっといつも通り。
何もなかった。
何もなかった。




君が望んでくれるなら
幸せにだって成りましょう
幸せにだって成れましょう




神様がぼくを助けないから
ぼくを助ける神様を作るんだ




その記憶は本物だろうか?
幻覚なんじゃないだろうか?
……さあ、朝には悪い夢は消えてるよ。




おまえが嫌うおまえのことは
おれが愛しているんだから
安心してちゃんと嫌ってなさい




夜が手を引き連れてくる
顔の溶けた友たちに
布団の中で震えながら
まさぐれば僕もで卒倒。
「ああ、怖い夢だった」とまた、
とぼけて朝を迎えよう。




毎夜、
世界は僕をひとり残して
滅んでる




「大人だから」
なんて言い訳、
幼稚だからやめなよ。




爪を立てても切望なら
受けて留める柔い人
醜い姿も人肌の
眼差しでただ見守る人

それで いいよ




あとがき

答えの出ない事をぐるぐる考え続ける私に、解答例として区切りをつけさせるため、2019年に作成・頒布した詩集「思案するおまえへの解答例」

その新版といいますか、また新しい解答例です。
といっても、この詩たち自体は数年前に書いたものになるので最新というわけではないのですが。
書いた当時の必死な思いがすっかり過去のものになる前に、望めばいつでもなるべく近い場所に帰れるよう、絵を添えて形にしてみました。


ここまで、見てくださってありがとうございます。


書き溜めているものはあるので、また会えるかと思います。
その日までさようなら。


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