宇宙迷子。恨み言。
実は、星空を眺めることがあまり好きではない。どうしようもなく怖くなってしまうから。
星が怖いというより、宇宙が怖い。
小学生の頃までは星や宇宙が好きだった。「すいきんちかもくどってんかいめい」(今は冥王星はここに入らないんですよね)とリズムに乗せて覚えたり、星座早見盤を片手に夏休みの星がよく見える旅行先で星座を探したり、人並みに親しんでいた。
インターネットを自由に使えるようになってから、宇宙関連のニュースやまとめサイトを見かけるとクリックすることが多かった。今もなんだかんだ見てしまう。読んだ後に怖くなるけど、興味は今も変わらずにあるから。
宇宙の何が怖いのか。
宇宙の長い時間に、何億年の遠い未来に思いを馳せるとき、私は当たり前に死んでいるのだ。死ぬことは怖い。いつか私が死ぬことを思い出させる宇宙は憎い。
そして、私が生きたこの地球もいつかは死ぬということが許せない。私が、私が知っていたり知っていなかったりする全てのちっぽけな人間が、星の命に比べたらあっという間かもしれない命を折角生きた場所、痕跡。それが全て、いつかは無くなってしまうことが許せない。
いつかは生きることをやめなければいけない。私は私を終えなければいけない。私はそれが寂しくてたまらない。
それになんとか折り合いをつけようと「私が生きたことによって世界に残った小さな何かが、きっと後世に受け継がれていくらしいから、私は完全に死なない。無かったことにならない」そう言い聞かせていたのに、私が生き続けるはずの地球も銀河も宇宙もいつかは無くなるなんて、あんまりだ。
輪廻転生を信じても、場所が無いならもう生まれることが出来ない。私はどこに行ってしまうのだろう。壮大な迷子だ。泣きたくなる。
太陽が、地球が、宇宙がいつか死んでしまうことを知ったとき、裏切られた気持ちになった。
幼い時、当たり前にずっといる親もいつかは死んで私の側から居なくなってしまうことを知ってしまった時と同じ孤独感に苛まれた。
星空を眺める度に、その孤独感がフラッシュバックする。だから、星空を眺めることが嫌いだ。
一方的で理不尽な恨みだが、どうせいつか全部無くなるから、別にこのくらいはいいだろう。