桜。
桜が咲いている。
八分咲きくらいだろうか。まだもう少しの間楽しめそうだ。
毎年この時期はみんなが桜に夢中になる。老若男女問わず、誰もが桜の木の前で足を止める。
不思議だな、と思う。
普段は素通りするような道でも、桜が咲いていればふと足を止め写真を撮る。
それだけの人々を魅了する桜は、すごいなぁと思う。
私もそんな桜が好きだ。
堂々と咲き誇る桜はやっぱり何度見ても綺麗だし、空いっぱいに広がる桜の中にいると、なんだか幻想的で夢の中にいるような感覚になる。
青空の下で、曇り空の中で、朝日や夕日に照らされて、色々な雰囲気を味わわせてくれるし、暗闇の中でぼぅっと浮かぶ夜桜はまた違った魅力に溢れている。
…と、そんなことをきっと誰もが思うんだろうなと、毎日桜を見ながら思う。
全く知らない人達が、同じように桜の木の下で立ち止まり、写真を撮って、少し満足そうに歩き出す。
そんな光景は少し不思議で、愛おしいなと思う。
毎年恒例の、私の日常だ。