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失くしたら探さずただ在れば得る

自宅の片隅で知らぬ間にすごい数の
きれいな花が群生していたことに、
今年の春気づきました。

すごくきれいだから写真に撮っておいた。
ここの隙間がこんなにきれいな
景色になるとは、
思ってもみなかったよ。

その花が咲いているところは
改築する前の庭の名残がある場所。

わたしがまだ小さかった頃だけど、
以前の庭がどんなものだったか
ぼんやり覚えてます。

あの頃は天狗が持ってる葉っぱ
みたいな植物が植えられてた。

でも、改築するときに
天狗はどこかへ去りました。

それを思ったら、
今年見たこのきれいな花たちも
「たしかここに」という景色として
いつか変わってゆくのねきっと。
なんて少しおセンチに。

こういう景色になるまで
だいぶ長い時間がかかったのでは。
家がどんどん老いていくのとは裏腹に、
植えたわけでもないきれいな花が
たくさん咲いていく様が
すべてのことを語っているようで。

何かが終わりへ向かってゆく一方で
何かが始まり変化していくのよ。

家と花が隣り合っているところに
終わりと始まりを見るとは。
失くなることは無ではなく
次の在るへの一呼吸。

あ!

わたしは一人で今この文章を書き、
一人で昨夜心に鍵かけたものについて
少し希望みたいなものを
今持てたような、持ててないような、
少し何かが動いた気がします。
鍵はまだ開かないけど
ちょっと、なにかが見えた。

わけがわからないでしょ。
この人ひとりでなにを言ってるのと。
いいのですわたしはそういう者です。
なにが生きるヒントになるか
わからないもんですね。 

ありがとね庭の花。


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