見出し画像

Vol.23 【非デザイナーの方へ】相手の土俵で同じ鍋のちゃんこを食う

まちの新しいシンボルを作るために、デザイナーが美唄に来てくれました。

僕自身デザイナーの方とがっつり仕事をするのが初めてで、特にコミュニケーションにおいて学ぶことが多かったので、デザイナーと協働する際に大切だと感じたことをお伝えできたらと思います。

デザインを専門としない方が、デザイナーと仕事をするときの参考になれば幸いです。(最終的には、それはどんなコミュニケーションにも共通しているよね、というところに着地できたらと思います。)

2022年5月より北海道美唄市の地域おこし協力隊として活動しています。担当であるシティプロモーション事業を進めるために、美唄の若者たちと委員会を立ち上げ、シビックプライドの醸成や関係人口の増加を目指しています。プロジェクトを進めていく中での等身大の苦悩や、地域での暮らしのリアルを飾らずに発信しているので、美唄に興味を持つきっかけや地域での活動のヒントになればすごく嬉しいです。スキやフォロワーもお願いします。

一回目の訪問は、まちの雰囲気を知ってもらう

実は今年の6月にも、デザイナーのHさんに一泊二日で美唄に来てもらっていました。まちの文脈に沿ったデザインをしていくためには、Hさんにも美唄の雰囲気を知ってもらう必要があると考えたからです。

そのときは、市長が半日つきっきりでまちを案内をしてくださり、そのまま夜の美唄焼き鳥までご同席いただきました。Hさんも市長の熱い想いが伝わったんじゃなかと思います。

雨の中アルテピアッツァ美唄を案内いただいた

二回目は、写真撮影

そして今回は、まちの写真を撮ってもうらうために、二泊三日で来てもらいました。この写真は、今作成している美唄のシンボルをイメージで伝えるためのものです。

まだ方向性が固まってはいないのでイメージと合わないものもでてきてしまいますが、冬に入ってしまうと真っ白の画だけになってしまうので今のうちに。ちょうど稲刈りの時期だったので、農家さんを中心に回りました。
ちなみに僕はカメラを使えないので、完全にカメラアシスタントです。笑

「稲刈りの様子を撮影」している様子を撮影

いざ、写真撮影。しかし、、

美唄についてすぐ撮影現場に向かいます。事前に撮影協力者には、ざっくりとした趣旨を説明をしてアポを取っていました。
さっそく撮影を始めようとすると、Hさんから

「どんなテンションが画が欲しい?」「ここでは何を伝えたいんだっけ?」

と聞かれて、的確に答えられませんでした。
たくさん素材をとっておけばどうにかなるだろうと思っていたところも一部あり、〇〇を伝えるために●●なシーンが欲しい、というところまで詰めきれていなかったのです。全部のシーンを撮ることは不可能だし、後でこういうイメージのものが欲しいと言ってもありません。

見せ方に関しては、デザイナーの領域であると勝手に線を引いてしまっていました。でも本来、何を伝えたくてそのためにどんなイメージが必要か、は僕のデレクションの役割でもあるはずです。それをしっかり理解していなかったので、Hさんに任せきりになってしまったのです。

その結果、協力してくださっている方にもポーズの的確なお願いができず迷惑をかけてしまったり、欲しかったシーンはすでに終わっていて当日撮影できないというトラブルもありました。

素人だからと言ってデザイン面に関与しないのではなく、その前の段階の設計で考えていることをデザイナーとも共有することが大切だと反省をしました。また最低限のことに関しては、撮影協力者にも伝える必要があります。

良いデザインは、良いコミュニケーションから

ふと、この話はデザイナーとのやりとりに限らないんじゃないかなとも思いました。

誰かと何かを一緒に進めていくために、自分の考えを伝え、相手にわかるようなコミュニケーションを取る。自分は詳しくないからと言って線を引かず、相手の領域にも自分ができる形で関与をする。

お互いがそういったアプローチをとることで初めて、足し算以上の相乗効果が生まれ、よりよいものが生まれるんじゃないでしょうか。

最後に上司から教わったことを紹介します

「人は自分の考えの10%しか伝えられない」という言葉がある通り、自分としては当たり前に思ってることでも、相手に伝わってないor相手が知らないということは多々ありますね。デザイナーに対しても同じで「求められた情報だけ伝えとけば良いものを作ってくれるでしょ」という考えは長崎のカスドースより甘いです。そんなオーダーでは制作物が自分の期待値を超えてこなくて当たり前。この事業が何を目指してるのか、どういう意図があってデザインを依頼してるのか、この事業が成功すればどんな価値が町にもたらされるのかなどは、とても重要な情報です。——繰り返しになりますが、良いデザインとは「グラフィックがかっこいい」とか「配色が斬新」とかを言うのではありません。もちろんそういう面もありますがそこはデザイナーの領分であり、企画側がどうこう考える話ではない。企画側が考えるべき「良いデザイン」は、企画(事業・プロジェクト)を通じて実現したいことが、制作物上に明確に描かれているかどうかです。例えば「新サービスを、届けたいターゲットに対して、サービスの魅力が十分に表現されて伝えようとされている」とか「今度行うイベントが、参加してほしい層に対して、イベントの一番の魅力が押し出される形で表現されている」とかは良いデザインと言えるのではないでしょうか。

デザインの領域を超えて、より良いものを作るためには、背景を含めた情報の共有がとても重要なポイントであると今回身を持って実感しました。

これからも地域との協働を進めていくために、コミュニケーションを追求していきます。


今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
みなさんのスキ、フォローが励みになっているので、引き続きよろしくお願いいたします!(コメントも大歓迎です)


いいなと思ったら応援しよう!

真船奮闘記 北海道美唄市地域おこし協力隊 / FoundingBase
社会が1ミリメートルでも良くなると信じることに使わせていただきます。一緒に今と未来を創っていけたら最高に嬉しいです!