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Vol.5 シティプロモーションの成功要因とは?国内外の事例紹介
シティプロモーションのイメージを膨らませるために国内外の自治体の事例を紹介します!
「自分のまちだったらこういう感じでできるんじゃない?」みたいに考えながら読んでいただけると嬉しいです。
I ❤ NY
ニューヨーク(アメリカ)
![](https://assets.st-note.com/img/1657505576053-B0J6aRyYCa.png)
1960年代後半から70年代半ばのニューヨークは、今の姿からは想像できないほど荒廃していました。街は汚くゴミだらけで、強盗や暴動が増加し、犯罪率は過去最高を記録。ニューヨークは、財政破綻の危機に直面し瀕死の状態で公務員の大量リストラが続いていました。
財政難を打開する為に、ニューヨーク州商務局は観光で財政の立て直しをはかります。——そこで、「アイラブニューヨーク」というスローガンが誕生し、——「I♥NY」のロゴをふと思いつきました。
1978年のバレンタインデーに、ブロードウェイの俳優、歌手、ダンサーが次々に「アイラブニューヨーク」のテーマソングを歌う——キャンペーンは大成功。旅行に関する問い合わせが急増し、「I♥NY」のロゴが入ったTシャツやマグカップなどのグッズも次々に制作されました。面白いことに、これらの成功はニューヨーカーの意識にもポジティブな変化を与え——街の通りはきれいになりました。
「I♥NY」のロゴは今年40周年を迎えますが、——「I♥NY」のロゴが表示されたマグカップ、Tシャツなどのライセンス商品のライセンシング契約による収入は年間で30億円にのぼるそうです。——『LOVE』を『♥』に置き換えただけのシンプルなデザインですが、誰が見ても瞬時に伝わることが国を越えて愛される一つの理由であり、革新的なアイデアとも言えます。
I amsterdam
アムステルダム(オランダ)
![](https://assets.st-note.com/img/1657508617082-UY19UpalBx.png?width=1200)
アムステルダムは世界の都市の中で、「住みたい都市ランキング」や「訪れたい都市ランキング」、「魅力的な都市ランキング」において徐々にランキングを下げていました。
そこで、他の都市と比較したときに際立つ建築物(ランドマーク)がなければそれを建築するのではなく、アムステルダムに住む人、来る人をアイコン(都市イメージ)としたコンセプトにする必要があるのではないか、そう思い「I amsterdam」というキャンペーンフレーズに決定したという背景があります。
しかしそれでも、市民の人たちがいきなりロゴを使い始めるとは言いがたいと思います。——市民の都市に対する愛着や誇りを醸成するためには「ソトの人たち」にまず認めてもらうことが非常に重要になってくる——PR活動が巧みに働き、ソトの人たちが関心を持ち始めることでアムステルダム市民の人たちが誇りや愛着を持ちだしたのではないかと考えます。その結果、徐々に市民の人たちも「I amsterdam」のロゴを気に入りだし、町中に使い始めました。——同キャンペーンから10年経った今でもそのロゴが下写真のように町中に散見され——「I amsterdam」のロゴが市民にとって当たり前の存在になっていることがうかがえます。
写真の町
東川町(北海道)
当時は、一村一品運動など地方活性化のための投資が流行しており、他の地域では特産品をPR、あるいは開発したり、ハコモノが盛んにつくられた。
1985年6月、東川町は世界でも類を見ない「写真の町」宣言を行った。——東川町は食べ物でもキャラクターでもなく、「写真」をまちづくりの柱に据えたのだ。以来、世界中の写真家らが集う「東川町国際写真フェスティバル 」や高校生のための「写真甲子園」などを開催し、写真を通じて自然と人、人と人との出会いを紡いできた。また、2014年には新たに「写真文化首都」を宣言し、写真文化の中心地として「世界中の写真、人々、そして笑顔に溢れる町づくり」を掲げた。
写真映りのよい” 町づくりのために、2002年には環境保全・景観形成・開発規制をセットにした『美しい東川の風景を守り育てる条例』を制定——住宅の作り、団地の作りを含めて、東川らしい景観をどう守っていくのかをしっかりと条例で定めた。
人口減少と高齢化に苦しむ全国の地方自治体とは裏腹に、東川町では1993年からの25年で人口が6,973人から8,355人(2019年8月末時点)まで約20%まで増加している。
写真の町宣言
「自然」と「人」、「人」と「文化」、「人」と「人」それぞれの出会いの中に感動が生まれます。
そのとき、それぞれの迫間に風のようにカメラがあるなら、人は、その出会いを永遠に手中にし、幾多の人々に感動を与え、分かちあうことができるのです。 そして、「出会い」と「写真」が結実するとき、人間を謳い、自然を讃える感動の物語がはじまり、誰もが、言葉を超越した詩人やコミュニケーションの名手に生まれかわるのです。
東川町に住むわたくしたちは、その素晴らしい感動をかたちづくるために四季折々に別世界を創造し植物や動物たちが息づく、雄大な自然環境と、風光明媚な景観を未来永劫に保ち、先人たちから受け継ぎ、共に培った、美しい風土と、豊かな心をさらに育み、この恵まれた大地に、世界の人々に開かれた町、心のこもった"写真映りのよい"町の創造をめざします。 そして、今、ここに、世界に向け、東川町「写真の町」誕生を宣言します。
まちの色を決める
室蘭市(北海道)
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2022年に開港150年・市制施行100年を迎える室蘭市。この記念の年をきっかけに、まちを見つめ直し、未来にむけて「新しいまちのイメージ」を発信する事業がはじまりました。
私たちはこのビジョンに着目し「みんなで創る」をキーワードに、ブランドマークのデザインを行いました。
「新しいまちのイメージ」を発信するために、まちのデザイン会議で取り組んだことは、①ブランドマークづくり、②カントリーサインづくり、③LINEスタンプづくり、の大きく3つです。まちのビジョンである「室蘭が好き。みんなで創る、住み続けたいまち」 を形にするために、それぞれの過程で「参加できるデザイン」を大切にしました。
AMAZING TOYAMA
富山市(富山)
![](https://assets.st-note.com/img/1657265108501-dV07G38QfA.png?width=1200)
富山市では、都市の認知度とイメージを高めることを目的に、シティプロモーション事業に取り組んでいます。
——市民一人一人が富山市に対して愛着や誇りを抱く「シビックプライド」を醸成することが重要であると考え、シビックプライドの醸成に向けたキャッチフレーズを、「AMAZING TOYAMA」と定め、今後市民の皆さんと連携した事業を展開していきます
・アメイジングトーク ~ 語る 深める アメイジングトヤマ ~
・アメイジング トヤマ サポーター
・アメイジング トヤマ フォトプロジェクト
・AMAZING TOYAMA フェイスブック&インスタグラム
食べられるまち!?
トッドモーデン(イギリス)
きっかけは2008年。——人口が減少し、衰退をはじめていた町を心配し——さまざまな垣根を越えて、人々がつながりを取り戻せるように町を活性化させたいと友人たちと話していたそうです。
そこで、彼らは、そのために「食べ物」という誰しもに共通するキーワードに注目しました。彼らは住民集会で「食べ物」を軸にアイディアを出し、誰の許可も得ずに、町のあちこちに植物を植えはじめました。大通りの道端に植えるところからはじまり、空き地、駐車場、そして病院の周り、ついには警察署の前にまで。町のいたるところ、植物が植えられるところにはあちこちに食べられる植物が植えられています。——例えば、警察の前には、トウモロコシが植えられているそうで、その畑の看板には「It’s a fair cop cob(警察ではなくて、トウモロコシの軸だよ)」とユーモアが書かれているそう
日本国内では、空き地活用の取り組みとして、コミュニティガーデンが広がりはじめているようです。地産地消や食育としての取り組みはもちろんのこと、人口が減少していくなか、どのように地域の土地を活用していくのか、どのように地域の人のつながりを生んでいくのか、コミュニティガーデンには大きな可能性を感じます。
真似る<<盗む
国内外それぞれ3つずつ事例を紹介しました。
上に挙げた自治体はどれも、実際にまちにインパクトが出ていて素晴らしい取り組みだと思います。
ただ「美唄もそのまま導入しようよ!」ということではありません。
国外の事例は特に、土地によって文脈や価値観が異なるので、そのまま取り入れてもうまく行かないのは明白です。
そうではなく事例をインプットして、「自分のまちでもこうアレンジすればこうなるんじゃないか」ということを考えるのが大切だと考えています。
事例を調査して、僕がプロジェクトを進めていく中で大切だと感じたのは
・わかりやすくて、事業に展開しやすいこと
・最終的なゴールはそこに関わる人が幸せであることだけど、その過程で外からの評価も大切である
・ときには今存在するものだけでなく、半強引に作り出すこと
・身体を伴ったものは強く共有されやすい
・まちが変わるのには20年くらいかかる、、
ここにまとめたものは抽象的なものですが、以前より少しはイメージが湧いたでしょうか。
これからも他業界や他分野からも学びながら、美唄にフィットする方向性を追求していきたいと思います。
▼アートによるまちづくりの参考事例として、こちらもご覧ください
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。
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