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ていねいな保育【生活習慣編】

▼前回のコラムもぜひお読みください

園と家庭との連携が問われるのが、食事、睡眠、排泄(トイレトレーニング)、着脱、清潔といった基本的な生活習慣の習得です。

中には、「おむつはずしは園がしてくれた!」といった保護者の発言もあるようで、このような基本的生活習慣は園が教えてくれると考えている保護者もいらっしゃるようです。
もちろん園としてできることはしっかりと行っていきますが、そこには保護者の方の思いや願いをしっかり取り入れることが重要ですので、日頃からの対話が大切になります。

子どもが主体的に生きる基礎となる食事・排泄 ・ 睡眠・衣類の着脱・身の回りを清潔にすることなどの生活習慣の習得については、急がせることなく、一人ひとりの子どもの様子をよく見て、その子どもにとって適切な時期に適切な援助をしていくことが大切です。

保育者は見通しをもって、子どもに分かりやすく手順や方法を示すなど、一人ひとりの子どもが達成感を味わうことができるよう援助を行います。そうする中で子どもが、自信や満足感をもち、さらに自分でやってみようとする意欲を高めていくことが重要です。


どんな生活習慣も、子どもの最善の利益を最優先!

排泄

排泄は、健康を保つことにもつながる、とても大切な習慣です。

0~1歳児:「不快を知らせ、心地よさを感じる時期」です。おむつを交換して不快感を取り除くとともに、おむつ交換をする前には「おむつを交換しようね」と声を掛け、交換後には「気持ちよくなったね」と言葉をかけるようにします。また、プライバシーを守るよう大人だけでなく、他の園児の目線にも配慮しています。
 
1歳前後:排泄したあとにおむつを指差したり、「おしっこ出た」といったり、言葉や行動、表情でそのことを伝えるようになってきます。トイレに嫌なイメージをもたないよう一人ひとりのペースに合わせて焦らずゆったりと関わっていきます。
 
2歳児:自分から尿意や便意を知らせトイレで排泄するようになってきますが、生理機能が未熟なうちにトイレへの誘導を急ぎすぎるとかえって自立を遅らせることにもつながるため、排泄の感覚をしっかり把握した上でていねいに関わります。

食事

食事内容も食べ方も大きく成長する乳幼児期では、発達段階をしっかり踏まえて適切な援助を行えるようにします。

0歳児:ミルクだけの食事から離乳食を経て徐々に幼児食に移行していく時期で、食べられるものがもっとも劇的に変化する1年間です。嚥下や咀嚼も1年でかなり発達しますが、個人差もあるので、1対1でていねいに関わり、安全に楽しく食べられるようにします。

1歳児:一人で食べようとしはじめるので、「食べたい」という意欲を大切に楽しく食事ができるようにこころがけています。食事時間は、食べる意欲が低下し、遊び食べにつながることから、30分を目安にします。また、成長に伴い好き嫌いもでてくるので、さまざまな食品や調理法に慣れるよう献立を工夫するなど配慮しています。

2歳児:最後まで一人で食べようとする姿がみられたり、好き嫌いも励ましや声掛けで少しづつ食べられるようになったりします。周りの大人の真似をする様になる時期なので、良いお手本として保育者が一緒に食事を摂るようにしています。

睡眠

発達過程において、健全な睡眠の習慣をつけることは重要な課題となります。

0歳児:まだ一日の中で睡眠の占める割合が多い時期です。睡眠中の事故が起きやすい時期でもあるので、必ず保育者がそばにつき見守るようにしています。

1歳児〜:午前中の睡眠は必要なくなりますが、全員が一斉に昼寝をするのではなく、無理をせず一人ひとりに合わせたリズムを確保していきます。

着脱

着脱には、身体的な機能の発達と思考・認知面の発達が密接に関わるため、個々の心身の発達を捉えて支援します。

1歳児くらいから:脱ぐほうが簡単なので、かかとまで脱がせた靴下をひっぱってみるなど、少しずつ自立を促していきます。

2歳児:「自分でできた」を喜ぶ時期になるので、自分でやりたいという気持を大切にしながら子どもの様子を見守り、必要に応じて援助します。「できた」という気持ちよさを知らせて行くことを大切にしています。

清潔

「きれいが気持ちいい」という感覚の育ちは、生活の自立だけではなく、健康維持のためにも重要です。
乳幼児から2歳にかけては、清潔の心地よさを理解していく時期です。清潔であることの快さを感覚として理解できるように配慮します。

汗をかいて着替えるときには「汗をかいてベタベタするから着替えようね」と声をかけ、さっぱりしたら「気持ちよくなったね」と語りかけることが発達を促します。また子どもの目に映る環境として、片付けられた室内を心がけることも大切です。

これらの生活習慣は、園ではもちろんのこと、各家庭でも日常的に行うことであり、子ども一人ひとりがどの段階にいるのか、どんなことができるようになっているのかを、保育者・保護者双方で把握しておくことが重要です。

ここまでお読みいただきありがとうございました。
次回もお楽しみに!



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