前島賢の本棚晒し【復刻版】24:神尾丈治『エデンズ・エンド・エクスプローラー』

本記事はマガジン『前島賢の本棚晒し【復刻版】』に含まれています。連載の更新分と、今後更新される予定の記事が含まれているため、個別に購入して頂くよりお得になっております。

本記事は、電子書籍ストアeBookJapanに、連載「前島賢の本棚晒し」第18回として2014年12月19日に掲載されたものを、加筆修正の上再公開したものです。記述は基本的に連載当時のもので、現在とは異なる場合がありますが、ご了承ください。連載時に大変お世話になりました、そして、再公開を快諾頂きました株式会社イーブックイニシアティブジャパンの皆様に厚く御礼申し上げます。

「試作機」とか「実験機」とか「欠陥機」なんて言葉に魂を揺さぶられないメカフェチはいないだろう(断言)。機動性特化とか接近戦特化とかパイロットの負担は一切無視なんてトンガった性能の機体が、パイロットの腕と根性で、優等生的な制式量産機に撃ち勝つ様は、いつも僕らの心を躍らせる。
 凄いぞYF-19、永遠なれアルトアイゼン、安らかに眠れEMS-10ヅダ……。

 さて、弓弦イズル『インフィニット・ストラトス』の大ヒット以来、ライトノベルでも一躍人気ジャンルとなった「メカ美少女モノ」にも、こうした「主人公機」=ピーキーな特化型というお約束は、きっちり受け継がれている。一夏の白式の武器なんて、ダイゼンガーよろしく日本刀一本ときたもんだ。が、そんなメカモノ、メカ美少女モノのお約束に敢然と挑戦するのが、今回紹介するこの作品。

 器用貧乏のオールラウンダーが、特化型機体に挑戦する、逆バリの一冊である。

ここから先は

1,157字
この記事のみ ¥ 150
PayPay
PayPayで支払うと抽選でお得

この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?