前島賢の本棚晒し【復刻版】08:砂義出雲『天網炎上カグツチ』
割引あり
寄生虫がヒロイン……美少女化もここまで来たか……。
と、砂義出雲のデビュー作『寄生彼女サナ』に出会った時の「世も末」感は今でも憶えている。いざ読んでみると、寄生虫美少女を通じ、異なる人格が共に生きるとはどういうことか、という普遍的なテーマを描いていて、さらに驚いたことも。
『天網炎上カグツチ』はそんな著者の新たなシリーズだ。
https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/255851/A000297900/
コンセプトは「ネット炎上で強くなるヒーロー」。
どんなツイートをしても即座に炎上する、天性の「炎上体質」を持った高校生・匂坂焔は、その才能を見込まれ、八雲重工が開発したパワードアーマー・カグツチの搭乗者に抜擢される。
その動力源は、ネットに渦巻く人間の感情。匂坂焔は、おのれが能力でもってツイッター(に似た架空サイト)を炎上させ、みずからに浴びせられる悪意を力に変え、インターネット撲滅を企む悪の組織WWR(ワールドワイド・レイクエム)を戦っていくのである。
……とまあ、前作以上に「出オチ」感溢れる作品なのだが、実はこの設定、ヒーローもののツボを的確に押さえている。
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