前島賢の本棚晒し【復刻版】13:高畑京一郎『タイムリープ』


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本記事は、電子書籍ストアeBookJapanに、連載「前島賢の本棚晒し」第8回として2014年11月14日に掲載されたものを、加筆修正の上再公開したものです。記述は基本的に連載当時のもので、現在とは異なる場合がありますが、ご了承ください。連載時に大変お世話になりました、そして、再公開を快諾頂きました株式会社イーブックイニシアティブジャパンの皆様に厚く御礼申し上げます。

 VR-RPGの世界に閉じ込められた少年少女の冒険を描いた、高畑京一郎のデビュー作『クリス・クロス―混沌の魔王―』(1994年)。
『ソードアート・オンライン』に始まる現在のVR-MMOモノの流行を考えるに、本作が、電撃文庫初の新人賞である第1回電撃ゲーム小説大賞で金賞を受賞していたというのは、何とも予言的な事態にも思える。
 ともあれ、今回紹介するのは、そんな著者の第二作、

 である。


 気がつくと、見知らぬ部屋で、ほとんど交流のなかったクラスメート・若松和彦とキスをしていた女子高生の鹿島翔香。突然のことに混乱して階段から落ち、目を覚ましたのは自室のベッドの上。夢かと思って登校するのだが、学校で始まったのは火曜日の授業。翔香には月曜日の記憶が一切ないというのに。
 これは記憶喪失……? それとも……?

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