前島賢の本棚晒し【復刻版】15:庄司卓『それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ【完全版】』


本記事はマガジン『前島賢の本棚晒し【復刻版】』に含まれています。連載の更新分と、今後更新される予定の記事が含まれているため、個別に購入して頂くよりお得になっております。

本記事は、電子書籍ストアeBookJapanに、連載「前島賢の本棚晒し」第8回として2014年11月21日に掲載されたものを、加筆修正の上再公開したものです。記述は基本的に連載当時のもので、現在とは異なる場合がありますが、ご了承ください。連載時に大変お世話になりました、そして、再公開を快諾頂きました株式会社イーブックイニシアティブジャパンの皆様に厚く御礼申し上げます。

・オタク美少女が部室でゲームとかアニメとかの濃ゆい話をする日常系。
・彼女たちは放課後、部活感覚で戦争もする。
・しかも戦艦で艦隊決戦。
・アイドルものっぽい要素もあり。

 こう箇条書きすると、いかにも最近の流行ばかり追いかけた「狙い過ぎ」な企画に思えるだろう。しかし、これ今から20年以上前にスタートし、90年代にアニメ化もされた、人気ライトノベルなのです。

 物語は、主人公の山本洋子をはじめとした四人の美少女高校生が、30世紀の世界に召喚され、それぞれ一人乗りの最新鋭巨大戦艦の操縦者となるというもの。
 とはいえ、人類がTERAとNESSという二大勢力に別れて戦うこの時代の戦争は、発達しすぎた科学技術のせいで、年間通じて一人も死者が出ないという、そこらの道を歩くより安全なものとなってしまっている。
 300メートルを超える巨大宇宙艦の群が、ビーム砲だレーザーだ反物質魚雷だとドカドカ撃ちあいボコスカ沈み、時にはうっかり星ひとつ崩壊させちゃったりもしたけれど、誰も死なないし、わたしはげんきです……そんなエクストリームスポーツの場と化した宇宙で、美少女高校生が新たな戦場のスターとして明るく楽しく戦争するわけです。

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