気候変動問題は、エネルギーをどうするかということ(読書メモ:いちばんやさしい脱炭素社会の教本)
気候変動、環境問題に関して、脱炭素やカーボンニュートラルが話題になっていますが、これらの基本を教えてくれるのがこの本です。
脱炭素アドバイザーの資格取得を考えている方に、網羅的な知識が得られる本で、Kindle unlimitedにあるのはこの本のみですので、特におすすめです。
脱炭素社会とは?
化石燃料の使用量増加により、温室効果ガスであるCO2の排出量が増え、気候変動(地球温暖化)が問題となっている。脱炭素社会の実現には、化石燃料の利用を減らし、温室効果ガス排出を実質ゼロにすることが求められている。
気候変動によって、海面上昇、水不足・干ばつ、健康被害、世界経済の損失リスクが高まり、地球環境が後戻りできなくなる恐れがある。
エネルギー利用の脱炭素化には、省エネ、再生可能エネルギーの利用、バイオマス燃料の活用などが含まれる。脱炭素を巡る国内外の動きは?
各国がカーボンニュートラル宣言を行い、日本は2020年に2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言した。小売業における脱炭素の動きは?
小売業では、店舗・倉庫、商品物流、取り扱う商品の脱炭素化が求められる。
例えばイオンでは、2030年までに使用電力の50%を再エネに切り替え、2040年までに店舗で発生するCO2を総量でゼロにする目標を掲げている。エネルギー使用の実態把握と削減は?
組織や家庭のエネルギー使用を見える化し、効率化・最適化を実現することが重要。
産業界では、素材の軽量化・高機能化やエネルギー効率の高い脱炭素製品・サービスの開発が進んでいる。
個人としても、食品ロス削減、公共交通機関の利用、テレワーク、カーシェア、断熱リフォーム、再生可能エネルギーの利用など、脱炭素型ライフスタイルへの転換が求められる。電力の脱炭素化とは?
日本では電力によるCO2排出量が全体の4割を占める。脱炭素電源の中心は再生可能エネルギーと原子力であり、再生可能エネルギーの比率はを2020年の2割弱から2030年には4割弱に引き上げる目標が掲げられている。脱炭素・低炭素エネルギーの活用は?
水素・アンモニア・バイオマスなど、様々な低炭素エネルギーの活用が検討されている。エネルギーシステムの変化の注目とは?
エネルギーの生産から使用までの流れを支えるインフラも、石炭・石油・天然ガスから、水素・アンモニアなど新しい燃料に変化するため、物理的インフラと制度の変更が必要となる。植林・森林保全はなぜ大切か?
カーボンニュートラルの達成には、CO2の吸収や回収が必要となる。森林は主要なCO2吸収源であり、森林の吸収能力を生かすために植林や森林保全が必要。