アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを、とても簡単にお届けするメディアです。
執筆しているのは、元陸上競技短距離100m選手(といっても大学までですが)で、ベストタイムは10秒56(もうちょっと速く走りたかった…笑)で業界最速(自称)の、前田岳人です。
さて、ここまでかなりゆっくり基礎的な学びを積み重ねてきていますので、もしこの記事が初見という方がおられましたら、マガジンで分類していますので過去記事もご覧ください。
ここ最近の記事では、骨盤や肩甲骨の部位の名称を学んでいます。
この学びは今後、筋を学ぶ時に重要な学びとなりますので、少し面倒に思うかも知れませんが、ぼちぼちと学んで頂ければと思います。
椎骨とは
椎骨とは、いわゆる背骨のことです。
以前の記事で、脊柱の動きについても学んでいますが、おさらいしておきましょう。
脊柱は背骨、すなわち椎骨が積み重なって構成されています。
仙骨(仙椎)の上に、5つの腰椎、その上に12個の胸椎、そして頸椎が7つ積み重なり、その上に頭部が乗ります。
上から順に1、2、3、と椎骨には番号が振られていますので、「第3腰椎」と言われれば、上から3つ目の腰椎、という事になります。
上から順にどんどんサイズが大きくなっていくのですが、第1頸椎と第2頸椎を除く椎骨の基本構造は同じです。
第1頸椎と第2頸椎は少し構造がややこしいので、今回の記事ではその解説は割愛します。
ただ、第1頸椎はアトラス、第2頸椎はアクシスという、超カッコいい名前が付いていますので、それだけ覚えておくだけでもなんかいいかも知れません。
基本構造
椎骨は背骨のことですから、誰でも外側からタッチする事が出来ます。
しかしその触れる部位というのは解剖学的に言う椎骨本体ではなく、突起部分です。
突起部分は大きく分類すると2つあって、1つを「棘突起(きょくとっき)」と呼び、もう1つが「横突起(おうとっき)」と呼ばれます。
棘、は「とげ」でしたね。とげっぽい形をしている突起というと、なんだか頭がこんがらがりそうになりますが、「後ろ側に飛び出している突起物」と覚えるとよいかも知れません。
それに対して「横側に飛び出している突起物」が横突起ですね。
そして私たちが触れない椎骨の本体部分を「椎体(ついたい)」と呼びます。
椎骨の本体で、椎体、これは覚えやすいですね。
椎体に対して、棘突起と横突起を「椎弓(ついきゅう)」と呼ぶこともあります。
これ以上は細かくなりすぎるので、また今度にしましょう。
"ついきゅう"はここまでなんてな。
とりあえず、椎体、椎弓(棘突起、横突起)だけ覚えておけば、今のところはOKです。
椎骨は真ん中に穴が開いている
椎骨は身体の軸になるものであって、我々ヒトが脊椎動物であることを決定づけている非常に重要な柱です。
椎骨の中には、たくさんの神経が走っていますが、その神経が通りために空いている穴のことを「椎孔(ついこう)」と呼んでいます。
「孔」とは、「あな」とか「すきま」という意味です。
椎骨の穴、だから、椎孔ですね。
この穴が正しく配列されていないと、不具合が起こるというのは、神経がたくさん走っているという事実からも容易に想像できます。
姿勢を正すとか、正しい動きを獲得しましょう、というのは、もちろんスタイルやパフォーマンスを高める為に重要なことですが、それ以上にこの神経の通り道を正しく通す為に大切なのです。
ちなみに、椎骨と椎骨の隙間には「椎間板(ついかんばん)」という弾性に富んだ組織が挟まっていて、この椎間板のおかげでしなやかな脊柱の動きを作り出すことができるのですが、この椎間板の弾性が失われると「椎間板ヘルニア」なんていう症状にも繋がります。
今回の学びは、基本中の基本
脊柱や椎骨に関することは、安全かつ的確な運動指導を行う為にも非常に重要です。
重要であるがゆえ、かなり複雑です。
ですから、ゆっくり学びましょう。
いきなり解剖学の本を開くと、今回の記事の何倍もの情報が詰まっていますし、きっとめんどくさくてしんどくなります。
その前段階として、今日出てきた語句だけは抑えておきましょう。