アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。
基本的には、「専門書を読む前段階」という領域を学んでいますので、これから本格的に学ぼうと思っている方や、既に運動指導の現場に立っているが、基本的なところがよく分かっていないという方まで、緩い気持ちでお読みください。
今回のタイトルは少し小難しそうで堅苦しいですが、かなり緩く参ります。
運動指導は物理学
運動指導をする現場は、体育館、グラウンド、プールなど様々なフィールドがありますが、どこも地球上であるということは変わりありません。
もしかしたら、何かのきっかけで宇宙空間で運動指導をすることがあるかもしれませんが、そんな話を今の段階でしても仕方がありませんし、そんな人に私が教えることはありません(笑)
話が逸れましたが、地球上の運動指導は主に陸上と水中の二つに分類されます。
水中は陸上と違って、浮力が発生するとか水圧や水流が発生するという特殊な状況下に置かれますが、こういった環境の変化も、全て物理学で説明がつくと考えられています。
ただ、今回の記事で水中の話をするとかなり膨大な情報量となってしまいますので、まずは陸上、すなわち水中以外での運動指導の際に留意すべきお話に留めます。
水中は陸上の話が分かれば応用が効きますし、水中競技も陸上トレーニングは実施しますから、やはり陸上のことを理解するのが先でしょう。
重力
地球には重力というものがあります。
とても簡単に説明すると、全ての物体は上から下に落ちるということです。
人間も同じです。
力を全て抜けば(例えば気を失った時)、立っている人もたちまち崩れ落ちます。
何か不自然な力が加わらない限り、基本的には物は上から下に落ちるということを理解しましょう。
この重力は「G」という単位で表すことが一般的です。
「重力負荷」という表現もします。
質量
質量とは、私たちが普段「体重〇〇kg」などと表現する、物体そのものの量です。
質量は、図る場所によって変化します。
分かりやすいのは、宇宙空間と地球上に比べて質量が低くなるという話です。
月面では地球よりもG(重力)が6分の1低いと言われています。
体重が地球上で60kgの人は、月面では10㎏ということになります。
これは極端なダイエットの結果ではなく、重力の値が変わっただけです。
基本的に地球上で運動指導をする私たちは、一般的な数値を一般的に用いればいいのですが、質量は重力の影響を受けるということを理解しておきましょう。
適切な運動指導の為には、重力方向に物体が落ちていくという事実と、その落ちていく物体をどのように扱うのかについて、理解が必要なのです。
重たいものを持つ時にどうするか
例えば10㎏の米をスーパーで購入したとして、あなたならどう持ちますか?
まさか、片手を「前にならえ」の姿勢で持つことはないでしょうね。
そんなことをしたらしんどいだけです。
普通は、肩の真下にぶら下げるようにして持つか、抱きかかえるかして、できるだけ身体の近くで持つはずです。
重量物は自分の身体から離れれば離れるほど、扱うのが困難なのです。
レジスタンストレーニングの場合は、種目によってはわざとその負荷を利用することもありますが、実際のパフォーマンスでは出来るだけ効率よく力を発揮すべきです。
いずれにしても、力を出している筋と、その影響を受ける物体が、どの様な位置関係にあるのかを、見て分からないといけないのです。
物体を扱わないスポーツでも、例えばランニングだと、接地位置が身体よりもはるか遠くなると効率が悪いフォームであり、かつ怪我をしやすいフォームと言われています。
安全な運動指導の為にも、いわゆる、支点、力点、作用点は理解しておく必要があるのです。
中学生向けの参考書を買おう
さて、文系の勉強の方が、理系の勉強よりも得意だという人にとっては、物理というのはきっと、何となくやり過ごしてきた分野ではないでしょうか。
歴史で覚えたはずの年号をすっかり忘れている様に、物理の基本なんてこれっぽっちも頭に入っていない人が多いでしょう。
しかし、専門書はそんなことはお構いなしに、いきなり応用問題を突き付けてきます。
だから、もうどうしようもないんですよね。
例えば、「てこの原理」とか、「ニュートン」とか、「重力加速度」とか、そういったことは、分かっているものだとして本が書かれているのです。
ですから、ネットで情報を拾うという人もいるかもしれませんが、苦手な分野の学習がネットで出来るわけはないです。
どの情報が正しいかも判別できないのに、ネットは活用してはいけません。
この記事でも詳しいことを書かなかったのは、その為です。
ここは恥ずかしがらず、中学生向けの参考書コーナーで、物理の本を買ってきましょう。
これが最も的確です。
基礎が分かれば、応用は考え方次第で何とかなります。
この、基本へと帰る時間が、運動指導者としての未来を大きく左右するでしょう。
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