見出し画像

大腿筋膜張筋と腸脛靭帯

こちらのメディアでは、アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを分かりやすく解説しています。

専門書を読むのが苦手……という段階におられる方向けの記事となっています。

本日ご紹介するトピックは「大腿筋膜張筋」と「腸脛靭帯」……なんだか難しい漢字が並びますが、落ち着いて少しずつ紐解いていきましょう。


大腿筋膜張筋はどこにある?

大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)とは何とも長い名前ですが、簡単に言うと骨盤の側面からスタートしている骨格筋です。

そこから腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)という太ももの側面を走る長い靭帯と繋がって、膝を跨ぎ脛骨に付着するようになっています。

とても簡単に言うと、太ももの外側の筋および靭帯ということになります。

写真のように骨盤に手を当てると、位置が理解しやすくなるでしょう。

※このスマホケースは私の親友のオーダーメイドです。記事とは関係ありませんがリンクを貼っておきます。

Gz-Studio(オリジナルスマホケース制作)

画像1


起始部と停止部を正式に記載すると、起始は腸骨稜前部と腸骨面で、停止は腸脛靭帯を経て脛骨外側顆下方に付着しています。


大腿筋膜張筋の役割

教科書上では股関節の外転と、股関節の屈曲(および内旋)という機能が記載されていますが、歩行やランニングの時に脚がまっすぐ前に出るようにコントロールする重要な役割を果たしています。

ひとつ前の記事で紹介した「縫工筋」とあわせて、大腿四頭筋やハムストリングスほどメジャーではない筋ではありますが、私たちの日常動作やスポーツの場面では欠かせない筋であることが分かります。


大腿筋膜張筋と腸脛靭帯のリリース……

よくフォームローラーを用いて、太ももの外をゴリゴリと刺激して「筋膜リリースをする」といった形で、この大腿筋膜張筋と腸脛靭帯をほぐすような手法が紹介されますが、実はあまり有効な手法とは言えないかも知れません。

確かに刺激を与えることによって少し解れた様な感じになるかも知れませんが、既にかなりの緊張があるO脚の人などには刺激が強すぎますし、筋をほぐすのに痛みを感じるほどの刺激を与えるというと少し解釈が違っているような気もしますね。

近年では「筋膜リリース」という言葉が独り歩きしていて、とりあえずゴリゴリしておけばよいみたいに思っている人もいるようですが、冷静に対処したいものです。

例えば裏腿が硬い人に対して、裏腿をゴリゴリ刺激することが柔軟性を向上させることに役立つかというと、多くの人が疑問に思うはずです。

また、あまりにも痛みを覚えるストレッチも良くなさそうなイメージを抱くことでしょう。

ですが、なぜかこの大腿筋膜張筋や腸脛靭帯はゴリゴリしてナンボみたいなことになっているのは不思議な話です。


基本的なストレッチの考え方にならって考えよう

ストレッチの基本は、教科書的な定義であるその筋の機能の反対のことをすることです。

大腿筋膜張筋は、股関節の外転と屈曲(および内旋)ですから、股関節を伸展させながら内転と外旋させれば伸びるはずですね。

筋の機能を理解する為にもまずはベーシックなストレッチの手法を知ることが大切です。

そして、実際に動く、あるいは動かして覚えることが重要です。

アスリートの皆さんであれば、まず自分の身体で、自分の身体に差し支えのない範囲で動かしたり、触ったり、伸ばしたりしてみて下さい。

そうすれば教科書の内容も頭に入りやすくなるでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?