見出し画像

アスリートが運動指導者として活躍する為に必要な学びを提供しているメディアです。

運動指導者とは例えばパーソナルトレーナーやフィットネスインストラクターやストレングスコーチなどが挙げられます。

それぞれ誰を対象に、どの様な運動指導をするのかで、仕事の方法は変わってくるものですが、他人に対して運動を教えると言う点では共通していることが沢山あります。

今回の記事では、そんな共通点の中でも特に知っておくと指導のレベルが高くなるテクニックについてご紹介します。

逆に言えば、このテクニックを知らないと、どれだけ知識が豊富でもいい指導が出来ない可能性が高くなるということですので、しっかりと抑えておきましょう。


手本を見せる

例えば今からスクワットを指導するとしましょう。

ここでよくありがちなのが、

「はい、ではスクワットをしましょう」

と伝えて、指導対象者にスクワットをやってもらうというパターンです。

しかし、これではどんなスクワットをしていいのかが分かりません。

スクワットと一口で言ってもその手法は様々ですし、指導対象者が思っているスクワットと指導者が思っているスクワットが違うものかも知れません。

ですから、大切なことはまず目的を伝えた上で、その目的を達成する為のスクワットの手本を見せる必要があるのです。

「まず見ておいてください」

と言って、指導者が対象者に対してやって欲しいと思っているスクワットの手本を見せましょう。

ポイントはまず見せるということ、つまり視覚的に理解させるということです。

ここで注意したいのは、ごちゃごちゃと説明をしながら見せるのではなく、手本を見せるということに集中する、つまり対象者は手本を見ることに集中するということです。


ポイントを説明する

人間と言うのは同時にいくつものことを処理するのが苦手とされています。

究極的に言えば1度に複数のことを並行して行うことには不向きな動物です。

ですから先ほど述べたように、手本を見せるのであれば手本を見せることに集中すべきなのです。

しかしそれだけで伝わればよいですが、多くの人はやはりポイント説明が欲しいと思うでしょう。

例えば動かし方のコツだったり、実際にどう動いているのかだったり、説明をした方が良いでしょう。

例えばよくあるスクワットの説明で言うと、「足首からしゃがんで頭から立ち上がりましょう」と言った解説です。

人間は1度に複数のことは覚えられませんから、多く説明するにしてもポイントは3つまでに留めるのが無難です。

もし1つだけで説明がつくならそれが良いとも言えますね。

また対象者の理解力によって言い回しを変える必要がありますが、いずれにしてもあまり専門用語を使わないことがポイントです。


悪い例を見せる

ここまでお手本を見せ(視覚情報)、言葉で説明をし(言語情報)、これからしてほしいスクワットが明確になってきました。

しかし、「こうしてほしい」ということがある一方で、「こうなるのはNG」という動きが存在するものです。

例えばスクワットの説明で「足首からしゃがんで頭から立ち上がる」が良い例であるとしたら、それと全く異なる「膝から突っ込んで腰から立ち上がる」という動作は、目的を達成できないばかりか怪我をしてしまう危険すらあります。

なので、その危険な例、つまり「こうなるのはNG」という例も先に視覚的に見せるとよいでしょう。

もちろんこれをすることで指導者が怪我をしてしまっては元も子もありませんので(いい反面教師になるというのは冗談にもならない……)、あくまでも安全な範囲で行いましょう。

こちらも、NG例の手本を見せ、それから言葉で説明するという手順をとりましょう。


指導対象者に確認してもらう

最後は主役である対象者に実際に動いて頂くわけですが、実際に動く前にポイントを復唱して頂くようにすると効果的です。

復唱できないのであれば説明しているうちに、忘れてしまったり、理解していなかったり、実は話を聞いていなかったりする可能性があります。

これは対象者が悪いのではなく、指導者側の責任です。

指導者は対象者を理解させるのが仕事ですから、理解して頂けるまでは繰り返し説明を続けましょう。

相手が話を聞くのがどうも苦手であるとか、或いはものすごく呑み込みが早いとか、そういった特性もこういった手順の中で知る事が出来ます。

もし話を聞くのが苦手なのであれば、今後はなるべく短時間で説明する必要があるでしょう。


相手に合わせて指導するのが、私たち運動指導者の責務です。

是非こちらの手順を参考に、相手に合わせた説明や手本の見せ方が出来るようになっていきましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?