【読書録】戦争の歌が聞こえる


iBSに入学して自分自身変わったことの一つに、戦争に興味を持つようになったことが挙げられる。
今までは戦争や特攻について考えること、知ることを避けてきた。今は、当時の人々が何を考え、どういう気持ちだったのかもっと知りたい気持ちがある。

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冒頭のタイトルの本を読んでいます。
作者はアメリカで音楽療法士をしている女性。
彼女の患者は死を間近に控えている患者が多く、音楽を通して患者の心が落ち着くように促す。当時の第二次世界大戦の最前線で戦った10~20代の元兵士達が、いま80~90代になっていた。

アメリカではWW2は民主主義の理想を勝ち取った"justwar 正しい戦争"と呼ばれているらしい。
戦地から帰ってきたアメリカ人兵士達は、国のヒーローとして讃えられた。


しかし実際に彼女がそこで会う元兵士達は、昔の記憶で苦しんでいる。

”僕は日本兵を殺してしまった”

死ぬ間際に思い出すのは、今まで考えないように、思い出さないようにしてきたことだ。

数字で数得られる死者数、重症者だけでなく心の傷を追った人は、氷面下にたくさんいるんだ。勝った国にも。
見えないところにだって傷はできる。過去の自分のしてしまった行動をずっと悔いている人がいる。

こんな言葉もあった。

戦争を宣言するのは年を取った男たちだが、戦って死ぬのは若者だ。
                     第31代アメリカ大統領 フーバー

特攻隊で犠牲になった人も若者だった。中には15歳の人もいた。もし私が当時15歳で、戦争とは何なのか、特攻で死ぬとはどういうことなのか、自分で判断することができる自信は全くない。

どうして人に命令されたことで、その苦しみを本人が一生背負っていかなければならないのか。戦争によって生まれた見えない傷がどれだけあるのか。そういったことを気付かされる内容の本だった。

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