夢を諦めるとき
ということで、皆さんお元気ですか?
気温もすっかり高くなり、気分は赤道ギニアにいる気分になりますね。行ったことないけれど。
こういう時には家に引きこもり、昼からビールを飲むというのが正しい大人の嗜み方であると私は思います。そうやってみんな納期が遅くなるんだよね。
こういう時期になると思い出すのが、ちょうど一年くらい前のことだ。私は当時かかわりのあった人物から「親孝行の日」というイベントに誘われたのが、1年前だった。
全く行く気がしなかったので、講演だけさぼって懇親会で飲むだけ飲んで大騒ぎしてやったのをよく覚えている。ちなみにそのあとは仕事だった。
参加した女性Aさん(大学生)からは「こんなのに3000円払うなんてありえないと思った」という感想をいただきました。そんな中身スカスカのイベントで私は耐え難い屈辱を味わったわけだが、まあそれは別に掲載しよう。
それと同じような印象を抱いたのは、TSUNAというフリーペーパーについてだ。
その雑誌は現在休刊状態にあるとのことだが、この度クラウドファンディングをやることになったのだとか。
実際にどういった内容なのか?
ふむ、こうしてみるとなかなか骨がありそうな方のようにも見えますが……。
経緯を見ていくと、かつて売れていないバンドマンだった⇒豊ノ島と出会った⇒相撲を見て感動した⇒相撲の雑誌分かりにくい⇒じゃあ自分で作ろう。
まあ、これは分かりますよね。確かに相撲って敷居が高いし、その割には突っ込めるところが圧倒的に少ない。現地行って見てみたくらいのことしかできないんですよね。
事実、こうした人脈を広げていくという観点から見ても、大きな経験だったとは思うんです。そう考えると、自分たちの力で作るというのは確かにありでした。
しかし、ここからがまずかった。以下引用。
世間の相撲に対するイメージは払しょくされておらず、広告収入はほとんどない状況が続き、当初は貯金を切り崩して発行を続けていましたが、その貯金もとうとう底を尽き、売り上げのなかった弊社は銀行などの融資を受けることもできず、私が個人で消費者金融から資金を調達して発行を続けました。
引用終わり。
ほわっつ?消費者金融?どういった経緯があるかは分からないが、それは個人的なことを明かしてもプラスにはならんぞと思いながら、さらに読み進めていくと……。
弊社の運営資金として大切に使わせていただきます。
TSUNAを一冊制作するためには、原稿料(執筆陣へお支払い)、撮影料(カメラマンへお支払い)、印刷料(印刷会社へお支払い)、デザイン料(ページ単価でデザイナーへお支払い)、送料(読者、取扱店舗への郵送費)、写真使用料(肖像権を所有する相撲協会へお支払い)などが必要となり、切り詰めて切り詰めて制作をしても150万円ほど掛かります。
まあ、分かる。運転資金として使いたいのは分かるし、それを立ち上げるのにはそれをやるのはめちゃくちゃわかる。ただ、現時点でどれくらいのお金が集まっているのだろうか?
7月26日から始まったっぽいこのクラファン、現時点で17%ほど集まっているとか。ちなみに開始1週間で25%を超えないというのはほぼ絶望的な状態になるんだとか。
絶望しかないですやん。
ということで、なぜTSUNAはここまで見向きもされなくなったのかを考える
端的に言えばこういうことなんだと思います。
紙媒体の抜群に難しいところの一つとして挙げられるのが、情報量がどうしても古くなることだと思う。また、多くの方が寄稿されるということ、スポンサーがついていたこと。それを考えると、やはり致命的なミスを犯しまくっていたとしか言いようがないのだ。
それであれば、せめてwordpressという形でwebマガジンにしても良かったわけだし、それが嫌ならば当時はsportsnaviという媒体だってあったわけだ。もちろん想い先行で行ってしまうということは結構ある。あるんだけれど、とにかく選択が最悪すぎた。
フリーペーパーをやるにも何が必要なのかを考える必要はあるし、また資金集めだって必要だったわけだ。もちろん選択肢など少なかったわけだから当時を責めることはナンセンスだが、まず地道に進めるところから始めても良かったのではないかと思う。
意地っ張りだったと本人が言っている以上「そうなんだろう」としか思えないが、その意地こそが今の彼を苦しめているようにも感じられる。
ちなみにだが、彼がこれから何をしたいのか。
ここが一番大事なんだと思うのだが、それさえ見えなかった。誰をターゲットにしているのか、誰に読んでほしいのか、誰に興味を持ってほしいのか。それはメディアをやる上では何よりも致命的なことである。
ちなみに、この記事自体にそんな小難しいものは無いことだけは言っておこう。
おわりに
というわけでTSUNAというフリーペーパーのクラファンについて話したわけだが、よく考えてみてほしい。想いがあっても中身スカスカでは誰も読まないのは自明の理ではないか。
それは私もそう思うのだ。結局親孝行協会はFacebookページすら消えて、主催は地元に帰ってしまった。嫁はついていかなかった。
今のままでは彼も同じような道をたどっていくんだろうな、ってぼんやりと見ている。まあ、親孝行協会には借り入れは無かっただろうけれど、多分。
悪いことは言わないから諦めた方が良いと思う。他人の挑戦を否定したくはないけれど。
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