KOK2023勝手に応援企画(4)「漢 a.k.a. GAMI」
主催者でありながらも今もなお現役を続けるレジェンド。ICE BAHNのFORKさんに鎮座DOPENESSさん……こうしたMCたちがステージ上で輝いてきたのもまたKOKだ。
HIP HOP特にラップバトルにおいてはこうした「レジェンドの参戦」は何も珍しいことではない。しかし、主催側でありながら、かつ引退したにも関わらず再度戦いそして本戦へと帰ってきた男。
それが漢さんだ。
MCバトルを「作った」男
MCバトルというのは基本的に8小節×2本から4本、あるいは16小節×2本で行われる。こういった形式やルールを作ったのは誰かと言われると実は漢さんなのだ。
話は2003年にさかのぼる。まだUMBもなく、戦極もなかった時代。B BOY PARKで行われていた人気イベントでもあったMCバトルの最中に起きたことがきっかけだった。
当時は制限時間1分でお互いにフリースタイルしあうというもので、KREVAさんが3連覇を達成しスターダムへとのし上がっていった伝説的な大会。その3連覇後に優勝したのが2002年の漢さんだった。当然優勝候補として登場したわけだが、彼はMC USKさんとの対戦の際判定の不備等によって敗れてしまう。
ある種のゆるさによって覆った結果。これが現在に至るまでのMCバトルの素地を作るに至った重要な「きっかけ」だった。
フリースタイルダンジョンなどが行われてMCバトルが広まっていく中で、彼はプレイヤーとしても最前線で活躍をし続けてきた。
尊敬を集める「リアルであること」
だが、彼が尊敬を集めているのは何もそうした「創始者」だからではない。彼という存在がHIP HOPにおいて「リアル」であるからに他ならないからなのだ。
彼の自著でもある「ヒップホップ・ドリーム」は自らの生い立ちと不良時代のことを赤裸々に綴ってあり、また多くの人への感謝がつづられている。anarchyさんとの邂逅のこと、UMBとLIBRAに思うこと。そして、なぜUMBを作ったのか……。
こうしてみると「リアル」でありながらも様々なことを常に思考しそして創り上げてきたことがわかる。LIBRAとは袂を分けた後も9sariというレーベルを立ち上げ、KOKを立ち上げ…。
HIP HOPを盛り上げたいという彼の「リアルな想い」は今もなお、生き続け拡大を続けているのだ。
代表曲
紫煙
インスタグラムの中などに入っている曲にはフィーチャリングが多く、また「漢さん単体」の曲というのは決して多くはない(おそらくは登録していないだけだろうが)。
その中で漢さんの代表的な曲と言えば何だろうか……。
そう思った時、やはりどこか疾走感がありそしてリアル感が秘められたこの曲がふさわしいと思うのだ。今も彼は疾走している。プレイヤーとしてけん引役としてそして……リーダーとして。
主宰であり今もなお輝かしいステージを求める漢さん。彼がプレイヤーとして年が明けた先に見せつけるものとは、いったい何だろうか。
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