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KOK2024勝手に応援企画(11)ENTA DA STAGE代表「T-TANGG」

MCバトルの大きなイベントの中でも、主催によっては独特な雰囲気を持った大会が多くある。例えば前回紹介したSPOTLIGHTは韻踏合組合の「良いラップ」に対する反応速度の高さとシビアさ。口喧嘩祭はHIKIGANE SOUNDの主催のその瞬間まで相手が決まらない真剣勝負の恐ろしさ。

では、今回紹介するENTA DA STAGEは? その夜イケてたやつは誰か?を競う、と言わせていただこうか……。横浜に生まれ育ち、今も横浜を背負う男が主催するこの大会。いかにもなクラブで行われるこの大会を今回はご紹介する。


ENTA DA STAGE

イケてるやつは手を上げろ!

フリースタイルダンジョンで進行役も務めたサイプレス上野さんが主催する神奈川県横浜市の元町・中華街で行われる大会だ。とはいっても、ほかの大会と一線を画すのは「MCバトル」だけが目的のイベントではない。パーティーありライブあり。その中の1つとしてMCバトルがあってその日の一番を決める。

元より神奈川のラッパーは非常にレベルが高く、ICE BAHNから始まり、OZROSAURUSといったオールドな格好いいラッパーから9forさんやUMB2022で準優勝したBALAさんのようにイケているラッパーたちが数多い。そんな群雄割拠する神奈川の横浜には毎年名だたるMCたちが押し寄せる。その一方で大々的な宣伝は一切せず、シンプルな告知にとどめて知る人ぞ知るパーティー感あふれたイベントとなっている。

そんなイケているラッパーたちが多くいる観客を納得させて送り出されるため、おのずと客質も良くなるし客判定のため当然観客の感情をよりガッチリとガードしたMCが勝つ。シビアな大会の中でもどことなくあふれるパーティ感もまた、このENTA DA STAGEの特色と言えるだろう。

以前、サイプレス上野さんに「お前エンタダ来いよ」って声をかけていただけたことで、その空気にもより触れることができた。これは本当に自分にとっても良い機会となったことを、サ上さんには深く感謝したい。

そんな中、ほぼ敵なし状態のラッパーが一人。レペゼンKNGWを名乗り、どことなくまだまだ可愛げがある「悪童」。その男こそが再びその夜の主人公として名を広めることとなった。

T-TANGG

押韻主義を貫く from KNGW

バイブスと、固く聞き取りやすいライミングで相手を圧倒する。引き出しも多く、ビートやシーンに合わせたラップで会場を沸かす。時々悪役ぶってディスをくらわすことが多いが、どことなく「弟感」がどこかあって悪ガキ感もある憎めなさも秘めたラッパーである。

かつて2019年大会の時のプロモ動画では彫師になりたかった過去を含め、味のあるイラストを描いたりする意外な一面や鎌倉の街をまるで庭のように歩く様を見せていた。

周囲からとても愛されて笑顔の素敵な人懐っこい人物だと思ったから、なおさらそういう魅力があるのになぁと思ったりすることもある(実際彫師としても活動している模様)。

彼は彼なりにこだわりがあるからだろうなって分かるし、でも親しみやすいパーソナリティがあってその中で愛されているからこそ、より尖ってしまうのかもしれないしなんて思いながらTANGGさんのフリースタイルを聴いている今日この頃。

イラストも是非チェックしてみて頂きたい。

どうだろうか。個人的には上手いと思うのだが。

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