拝啓、植田朝日様
コロナ禍で行われていた2020年と2021年のJリーグ、スタジアムでの観戦も中々叶わずただ選手たちを応援するしか術の無かった日々をいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は実際にサッカーを生で観戦するというのは年単位どころか、何年かに1回誰かしらから誘われた際に行くような状況だった上に、DAZNにてもっぱらハイライトを追いかけているような状況が続いておりました。
あなたから見れば私などサポーターでも何でもなく、ただのサッカー好きでもないと思われるかもしれません。いえ、そもそもあなたご自身が私に対して関心など抱くかどうかはなはだ疑問でしかありません。
しかしながら、今回あなたへと向けて文章を書きたくなりましたため、どうぞご一読いただけますと幸いでございます。
今回、なぜあなたへと向けてこのような事を書こうと思ったのかと言いますと、率直に申し上げるならばこちらの件でございます。
大変ですよね、これ。
こちらにてFC東京のサポーターたちを集めて忘年会を開き、
そこにはなんと選手たちも参加をしていたということから大騒動になってしまいましたね。よりによって、それも中心選手だったことが大きな騒ぎとなっております。
結果として、選手たちには厳重注意処分が与えられ、あなたご自身も大きな批判にさらされております。それを受けて、↓の謝罪文を出されたことも十分に理解が出来ます。
……まあ日本語からなっていないというお言葉や、「豚が謝罪していると考えればかわいいもの」というご自身の会社のロゴにされているとはいえセンスを感じないお言葉。
「お隣の国の方ですか? 日本の恥ですね」もはや主語を大きくすることにこだわっているネトウヨっぽいお方、「まるで反省していない」というど直球なご意見をぶつけられた方など様々いらっしゃるかと思います。
もちろんあなたを擁護される方もいらっしゃるかと思います。そうした方がいらっしゃること、またその方の人格を否定することは出来ません。また、私にはあなたを重罪人として市中引き回しをすることなどできません。
ですが、今回3点ほどあなたにお尋ねしたいのです。
誰に謝っているんですか?
はい。
私がこの文章で感じたのは「あなたは一体誰に謝っているのか」が全く分からないことです。日本語がどうだとか、今あなた自身が反省しているかどうか。それは置いておきましょう。
この謝罪は「誰に対してのすいません」なのでしょうか。
大きく分けて、3つ程になるかと思います。
第六波が世界的に来ているにもかかわらず、このような「忘年会」を開いた事。
選手たちへの謝罪も書かれておりましたが、FC東京の関係者に向けて、迷惑をおかけしたこと。
この1年、練習場にも行くことも叶わず、選手たちと交流することが出来なかったFC東京のサポーターの方々に。
それが全く私には分からないのです。
一番最初であるなら個人的に自粛しすぎてピーピー騒いでいる人は世界で一番嫌いなタイプの人間なので、謝る必要なんてないと思います。むしろ、緊急事態宣言下でも普通に夜遅くまでやっている飲食店なんて、探そうと思えばいくらでもありますしね。
FC東京関係者への謝罪であるならば、今回わざわざnoteに記載する必要は無いかと存じます。ロッテの清田が外出禁止とチームで言われていたにも関わらず、チームの内規を破って不倫してしかもコロナ引っ張ってきたことが話題となりましたよね。しかも、チームでクラスターを起こしました。
↑件の方です。
彼らが今後感染するかどうかはさておき、ワクチンを打ったとて100%コロナウイルスに感染しないというわけではありません。そうなったときに植田さんは責任を取ることが出来たのでしょうか。
選手を謝罪・守ろうとしたのは結構なことですが、それ以前にチームとして定められたルールを守らなかった彼らに責任の一端はあるのです。
また、よしんば謝罪するのであれば直接あなたがFC東京のクラブハウスまで出向き、土下座でも何でもすればいいわけです。それを文章として見せられても困るのです。
一番最後のFC東京サポーターに向けてであるならば、「何に対して?」ということになるわけです。選手もサポーターとの交流が出来ない中で、こうしたイベントを開催されたからでしょうか。
別にそうした物は内輪でやれば良いだけで、個別に交流すれば良いと思うので、謝罪の必要は無いでしょう。
謝るならば「ご自身の飲食店のイベントの一環して集客をしたこと」ではないでしょうか。あなたほどFC東京に深く関わられている方なら、チーム内規も十分分かっていたはずなのに、こうしたことをしてしまった事実を謝罪すべきではないでしょうか。
結局「すいません」の相手が誰なのか。今読み返しても尚、私には分からないのです。もしそれが、植田さんの身内に向けてであるなら、それはLINEでも何でも構いませんので直接お伝えされるべきかと思います。
しかしながら、例えば店舗経営者として、FC東京サポーターとして公へと向けた謝罪文であるならば、これでは全く伝わってきません。
「FC東京のサポーター」へのイメージダウンも避けられませんが、いかがでしょうか?
確かに、間違いなくあなたご自身に責任があることは明らかです。それを自覚されていることはとても大切なことだと思います。
しかし、それ以上に気になるのが「FC東京を応援している人たち」への重大なイメージダウンです。
私は永井雄一郎や鈴木啓太に阿部勇樹がいて、ワシントンやポンテが居た頃からの浦和レッズのファンでした。サポーターと名乗らないのは、レッズのグッズを持っていないからですし、埼スタでの試合観戦は本当に数えるほどしかないからです。
ですが、一部のサポーターが行き過ぎた行動をしてくれたことで、何度も肩身の狭い思いをしてきました。正直Twitterを開けば見るに堪えないような誹謗中傷が立ち並んでいます。それを是として「いいね」を押す人はごまんと居ます。それを見て、悲しい思いをしたことは一度や二度ではありません。
他にも徳島ヴォルティスの一部のサポーターによる行動は今年顰蹙を買いましたよね。
一人は無期限の入場禁止処分を受けてしまいましたし、それどころか今後そうやって迷惑な行為を繰り返すならば威力業務妨害で訴えるとまで言われてしまいました。
植田さんご自身が古参のFC東京サポーターであることは私も重々承知しております。だからこそ、問いたいのです。
今回の行動が「FC東京」というクラブの価値そのものを貶めてしまいかねないということを、あなたは想像されたでしょうか。
まさしく、あなたが自覚されている「認識の甘さ」によるものなのでしょう。ですが、FC東京と古くからかかわって来られ、クラブに敬意を払っていたならば。選手と最も近くリスペクトを持たれてきたならば。
そもそもSOCIOデーの内容をばらすことは無かったでしょう。そして、クラブ非公式のグッズを売るようなこともしないはずです。何より今回のような事態を起こすことも無かったでしょう。
結局、あなたは古参であることに胡坐をかき、そしてただやりたい放題周囲を振り回し、選手もサポーターも、FC東京というクラブへも多大なる迷惑をかけてしまったのです。そのことについてはどうか自覚を持ってほしいのです。
これから応援しづらくなりますけど大丈夫ですか?
植田さんがこれまで東京ガス時代から始まって、現在に至るまでのFC東京の活躍・苦しみ。そういったものを見続けてきたこと、そしてそれでも応援をされてきたこと。現在に至るまでサッカーに情熱をささげ続けていること。
そのことを私は一切否定は致しません。飽きっぽい私にはとてもできません。すごいことだと思います。実際にアマラオさんがいらっしゃったりするのは本当に素晴らしいことだと思います。
しかしながら、今のあなたがされていることはFC東京をおもちゃにしているようにしか思えないのです。深く入り込みすぎている、とも言えます。
確かにJFLに居た時代やクラブが小さな時代だったら、それも笑って許されていたでしょう。まあ、実際には今JFAを会長がおもちゃにしている節がありますが、そこは置いておきましょう。
もし「おもちゃ」だと思っていないならば、大変申し訳ございません。ですが、FC東京とそこに所属している選手はあなたを格好良く見せるための洋服でもなければ、あなたを楽しませるテレビゲームでもありません。
今現在コンプライアンスが叫ばれている時代です。ちょっとしたことでもすぐに揚げ足を取ったり、炎上騒動になったりと火種がそこらへんに転がっているような時代です。
もしかしますと、今後あなたがこれまでやれていた事が何もかもmixiという新たな親会社の前ではできなくなるかもしれません。最悪、あなたは追い出されてしまうかもしれない。
とはいえ、そうなっても誰も「FC東京を応援するな」ということは出来ません。スタジアム出禁になったとしてもテレビの向こう側からだって選手を応援することは出来ます。
これまでのように選手たちとの繋がりとして、あなたが経営している飲食店が使われるかもしれません。
ですが、何より気がかりなのは。あなたが自分自身で自らの肩身を狭くしてしていること。そして、あなたを取り巻く方々の肩身も狭くしてしまっていることになります。
表立って応援することは出来なくなるかと思いますが、それでもその方々とFC東京を応援し続ける覚悟はおありでしょうか?
炎上はそれほど経たないうちに鎮火するでしょう。ただ、それ以上に今回あなたが失ったものはとても大きなものかもしれません。
それでも応援をしたいと思うならば、その気持ちを止めることは出来ません。そもそも「FC東京の応援は今後一切やらない」と宣言するのもそれは違うと私は思います。
「今までのようにはできなくなるかもね」というだけであって。
どうか応援をし続けてください。ただ、どうか一つだけ忘れないでください。「FC東京は選手たちを始めとしたクラブ関係者のものであり(ここには経営権を持たれている方や株主も含まれます)、サポーターたちと喜びや悲しみを共有しあうものである」という事を。
あなたが経営されているカフェは年内営業休止とのことですが、年末のかきいれ時に大変な状況となりましたね。コロナも終焉を迎える気配がありません。日本もいつ第六波が来るか分かりません。
どうかあなた様がまた、来年春に青赤のユニフォームを身に纏いFC東京を応援されていることを祈ります。
最後に
あなたのお父様がFC東京の株主の一人であることは存じております。しかしながら、もしそれを盾にしてやりたい放題これまでやられていたならば。やはりそれも傍から見ますとただのわがままだと思うのです(勝手な邪推です。勘違いでしたら申し訳ございません)。
もし、今後もmixiに経営権が移って以降も今までのようにやりたい放題をされておりますと、本当にあなたの居場所が無くなることと思います。あなたの居場所を奪う権利は誰にもありません。ただし、自らの手で失ってしまう可能性は十分あります。
どうか、それだけは忘れないでいただければと思います。