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KOK2024勝手に応援企画(9)THE罵倒代表「SIMON JAP」

今ではすっかりとポップなイメージを持たれがちになっているMCバトルだが、まだまだ地方のクラブなどを巡ればアングラでいなたいイベントが多く打たれている。そして、それは東京にもある。

湯島という東京の中心で行われるそのイベントの名前は「THE罵倒」。名だたるMCたちがバチバチとやりあう、そういう激しいバトルを見たい方にはもれなくお勧めしたいイベントである。


THE罵倒

刮目せよ。ボディタッチありの真剣勝負

2008年から始まったかなり歴史のある大会である罵倒は他のMCバトルとは一線を画すルールがある。それは「ボディタッチあり」というルールだ。マナーとして相手には触れないことが常識の中で、これは一線を画すものであるとも言える。

必然的にMC同士の距離も近くなるため、両者の感情が高まりやすくなり、激しい言葉の応酬やディス、乱闘寸前にまで発展することがある。ただし、非常にレベルの高いMCたちが文字通りしのぎを削った名勝負が生まれることもある。

傍から見ればひりひりするような、だからこそ客質も良いことが特徴で都内で初めてMCバトルでよりリアルな空気を感じたいなと思っている人がいるならば間違いなくおすすめしたいイベントの1つだ(今年見に行けなかったことがガチで悔やまれる)。

2018年を最後に5年行われなくなっていたが、2023年より再び行われ大活況を呈している。その間も復活を待ち望んでいたヘッズは数多くおり、このイベントがいかに人気であるのかということを示している。

また、イベントを主催しているCASTLE RECORDSさんは東京の湯島ドンキの近くでCDショップとバーを運営している。ぜひ興味のある人はそちらにも顔を出してみるといいだろう。

ちなみに、個人的に親交のあるVENMさんを初めて知ったのはこの罵倒の動画を見てだった。関東で一番怖いと言われているSIMON JAPさんにも笑顔で立ち向かい、その中で激しいバトルをしている印象が強かった。

そのSIMON JAPさんが再びKOKの舞台に帰ってくる。

SIMON JAP

アングラの香りを残す世田谷のWARUGAKI

現在のHIPHOPを作り上げてきた諸先輩方が多くいる中で、彼は「世田谷」からやってきたストリートカルチャーを多く知る男だ。これまでの活躍については説明するまでもないだろう。

凶器の桜のサウンドトラックにバトルでの活躍、刑務所に入っていたという経験……。一つ一つの傷や彼の見聞きしたこと体験したことがSIMON JAPというものを作り出しているのだ。現在では映画のクラウドファンディングやラップのレッスンを行う一方で今もなお、バトルに精力的に出て活動を続けている。

特に個人的に印象的だったのがコロナ禍に襲われた2020年の活躍ぶりは素晴らしかった。おそらくだが、彼がいなければ成り立たなかったイベントというのも多々あったのではないか。HIPHOPを愛し、ストリートの伝道者として今も活動を続ける彼にはリスペクトしかない。

昔から精悍な顔つきが印象的だったが、年齢を重ねてよりイケオジのようになっているSIMON JAPさん。だが、一度火が付けば誰もがそのひりひりとした魅力にはまってしまうことは間違いないだろう。

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