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KOK2023勝手に応援企画(5)「だーひー」

宮崎のラッパーと言うと誰を思い出すだろうか?

GADOROさんか、それかMOL53さんか。お互いに1990年という同期であり、そして同郷であった二人の「今」はどこか対照的だ。メジャーでセルアウトし、自らの情けない「様」でさえも格好良さへと昇華したGADOROさんとあくまでも「自分の格好良さ」をただ追い求めていくMOL53さん。

その姿を見て育ったMCこそ、宮崎出身のリリシスト・だーひーさんだ。久々にバトルに復帰した彼がKOK2023の舞台に出てくる。

フロウに頼らず言葉で戦うラッパー

彼の魅力は音楽に乗せて詩人が詩を読むがごとく、歌詞にこだわったラップ。あくまでも言葉の内容をぎっしりと詰めて戦うラッパーで、真正面から相手と対峙することでも知られる。

戦極U-22の2019では2019年UMBチャンピオンであるAuthorityさんと好バトルを繰り広げた。

また、その前年のUMB2018ではMU-TONさんに食い下がりあわや勝ちというところまで持って行った。

UMB2018で彼が勝っていたら、それだけでもシーンが変わる可能性はあったはず。だーひーさんのような対話型のラッパーよりもフロウなどが重要視されるようになっていった。

もし彼が勝ったら……。シーンもまた別の形で変化があった可能性もある。そんな世界線を見せてくれるような気がしてならないほど、甲乙つけがたい素晴らしいバトルだった。

日高大地としての活動

一見するとバトルMCのようにも聞こえてしまう彼だが、当然他のMCと同じように楽曲活動に対しても大変熱心に取り組んでいる。一時期はバトルから離れ楽曲活動に専心していた様子。

上京後は生活にも苦しんでいた様子だが、現在は安定し自信が身に付いたのか再びバトルイベントを参戦。2023年に破天3.0で優勝。同年代のAuthorityさんと同様、着実にラッパーとして前進し続けている。

一見すると今どきの気のいいお兄さんのような出で立ちの彼の口から紡ぎだされる「きれいな日本語」。いわゆるミメイさんのような曲芸のようなラップをするわけでもなく、がーどまんのようなあつさと揚げ足取りをするようなことはしないが、着実に文脈を通して熱量を伝える彼のスタイルを待ち望んでいるヘッズもまた多いはずだ。

代表曲

決して気取った言葉や格好良い今どきのJ-POPのようなラップではないが、だーひーさんのラップはどこか心に届く。それは東京にやってきた26歳の青年の等身大で語る彼はKOKのステージ上でどのような様を見せてくれるだろうか。

宮崎の大先輩・MOL53さんも参戦する今大会。「宮崎が生んだリリシスト」としての彼の様に大いに期待したい。

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