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レインボーベビーと出会うまで

今回は、私の過去のお話をしたいと思います。
実は2023年の夏に、私は第一子である長女とお別れをしています。

順調な妊婦生活が一変

それは、安定期に入るちょうど16週目のこと。
家の近さで選んだ、街の小さな産婦人科では、2回目の妊婦健診までは順調に成長していると診断されていました。
里帰り先の病院の分娩予約をするタイミングで、
一度地元の大きな産院で診察をしてもらいました。

エコーの映像を見るなり、深刻そうに言葉を選ぶ院長先生。
「うーん・・・。胎児にむくみがありますね」
そのまま無言で何度も角度を変え、エコーの写真を何枚も撮影しました。
先生は印刷されたエコー写真の裏に、太いマジックで
”cystic hygroma”と書いて、深刻な表情で手渡しました。

結局、都内の専門専門病院で羊水検査や精密検査を重ね、
「ターナー症候群」と診断されました。
浮腫の進みが早く、心臓部分まで水が貯まってしまっている状態でした。

今まで順調だった妊婦生活。
突如突きつけられた現実。

幸せな日々から一転、
私たちは2023年の夏に長女とお別れをしました。

「どうして私たちが・・」と、
友人の幸せそうなSNSの出産報告を見ては心を痛めました。

娘が教えてくれたこと

一連の経験を通じて、娘が教えてくれたこと。
それは何より、私たちがこうして”毎日を生きる”ことが
いかに奇跡的なことか、ということです。

明日を生きたかった娘のためにも今日という日を無駄にしてはいけないし、
毎日を一生懸命生きよう、と心に決めました。
悲しみを経験したからこそ、人としてより深く、
器の大きい人間になれたのではないかと信じたいです。

そして、同じような経験をした方がいたら、そっと寄り添えるような存在になりたいと、この教えを無駄にしてはいけないと思いました。

レインボーベビーとの対面

そこから約1年と少し。
私たちは想像よりも早く、レインボーベビーと会うことができました。
レインボーベビーとは、流産や死産を経験したあとに続く誕生児のことを指します。

欧米で流産や死産、新生児期や乳児期に亡くなった赤ちゃんに続く誕生児を指し、希望の象徴として呼ばれます。

お別れをしたあとに、この「レインボーベビー」の存在を知って、どれだけ救われたことか。悲しみの涙の先の希望にあふれた子どもの存在。素敵な表現ですよね。

悲しみの雨は、いつか止むものだから

私自身、最初に診断結果を知ったときは、暗い、出口のないトンネルを進んでいるような気持ちで、1人で塞ぎ込んでしまうときもありました。

そんな時、あるブログに出会い、レインボーベビーを授かった話を読み、悲しみの雨が止んだ先でしか出会えない景色や感動があることを知りました。

もしかしたら、私が今度は次の希望の光になれるかもしれない。

大したことはできないけれど、経験をバトンとして次の誰かに渡すことはできるかもしれない。
そんな風に思うようになりました。
もし、今同じような境遇で辛い思いをしている人がいるのであれば、
「1人じゃないよ」と、声をかけてあげたいです。

そして、どうか自分のことを大切にしてください。
今日という日が、少しでも皆さまにとって、
あたたかなものでありますように。


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