メキシコで、トルティーヤを食べてメスカルを飲みながら
また1年が終わる。それ自体は特に嬉しくも悲しくもないけれど、なんとなくSNSから漂う師走感に乗っかってみようとしたりして。
私の実家は、正直あんまり文化的なものを大切にしない類で。「毎年1月2日は、いとこ家族と佐賀競馬に行く」という謎の恒例行事以外は結構グダグダだった。
料理の苦手な母は2品(ローストビーフと黒豆)だけを作るし、その反面掃除に命をかけるタイプなので、大掃除の際は「5時間以上外に行ってて」と手伝いを求められることもほぼなかった。(それはそれで嬉しかったけれど。)
そんな環境が影響したのかは不明だけど、20歳になって周囲がクリスマスとかバレンタインとか「イベントごと」に盛り上がるなか、乗っかろうとして一瞬で脱落した経験がある。
当時の彼氏に大晦日に地元福岡の太宰府天満宮に誘われ、「たまにはいいか。楽しいかも。」と参列を決意。しかし23時過ぎに着いたら長蛇の列。皆キャッキャしている。
30分くらい列で粘ったけれど、全く進まない人混みと溢れるイベント感にしんどくなって列を離れ、お賽銭箱に向かって遠くから5円玉を投げて帰った記憶がある。
彼氏の「え?え?」って顔がなかなか印象的だった。でも私は可愛げもなく「特に報告も願い事もないわ。寒いからやめよ。」と言い放ち、5円玉がどこに落ちたのかを気にすることすらありませんでした。
そんな私の2020。
まぁそんな私が大人になっても、さほど変わるわけもなく。
でもクリスマスの日に親戚に電話しまくるメキシコ人を横目に「あぁ、クリスマスって、日本人にとってのお正月みたいなもんなのかな」と感じ、ぼんやりと2020年に思いを馳せてみた。
そしてそこで、気が付いた。2019年と2020年はセットだったな、と。
今生きている人なら誰でも、過去と現在は線で繋がっているものなんだろうけれど、ここ2年の私はことさらそれが強かった気がする。どうしても、切り離すとしっくりこない。ちょっと箇条書きにしてみると、
2019年5月:離婚決定。海外に行くことを決意。
2019年10月:NYへ出発。アメリカに住めないかと右往左往。
2019年11月:メキシコに降り立つ。
2019年12月:しばらくメキシコに住むことを決意。
2020年1月:メキシコで仕事が決定
2020年3月:コロナ襲来。仕事がなくなる。
2020年7月:VISA問題で一時帰国を決定。クラファンもどきを決行。
2020年10月:メキシコへ戻る。
2020年12月:メキシコ人と住み始める。
こんな感じ。
そういえば、1年ちょっと前にNYで書いて、個別メッセージなどを含め今までに一番反響をもらったのがこの記事。なんだかもう3年位前のような気がする。
日本にいるときは、なんだかんだでいつも、仕事を中心に「最近充実してる」「心機一転した」とか言っていたので、なんとなく私はここ1年何もしてないなぁという思いがあったのだけれど、意外とそうでもないのかもしれない。
確かに仕事面はボロボロに近いけれど、それでも声を掛けてくれる(もしくは、私が泣きついて仕事をもらっている)友人もいるし、そもそも見知らぬ土地メキシコで、こんな宙ぶらりんで生きていること自体が変化に富んだ、あるいは挑戦的な年だったのかもしれない。
2021年に望むこと。
やっぱり抱負は浮かばない。こんな状況じゃ、自分が決意したところで、国際情勢とか景気動向で軽くひっくり返されちゃうかもしれないし。(まぁそれは言い訳。ただ単に、年の瀬だから目標決めろと言われたところで、全く浮かばないだけ。)
でも、「来年は、何か望むことってある?」と聞かれたら、無いこともない。
ちゃんと15万円以上稼げるようになりたいし(これだけあれば、貯金ができる)、無保険だから病気や事故は避けたいし、誰かメキシコに遊びに来てくれたら嬉しい。
うん。日本だったらすぐに叶うものばかり。
でも、帰らないんだなぁ。メキシコじゃなくても良いけれど、日本じゃないほうが良い。
変わらないことを恐れることなく。
とか言うと、スピの観点?という雰囲気が出てくるかもですが、そんな大それたものではなく。
結局ね、決意なんてすぐ揺らいだり薄らいだりするし、周りの環境は自分の力では変わらないことが多いじゃないですか。
だから、流れに身を任せて、でも痛そうな岩とか出てきたら、しなやかに避けてたまに浅瀬で休憩したりして。全力で短距離を泳ぐんじゃなくて、ぷかぷか浮かびながら遠くにある(かもしれない)楽園を目指すのも悪くないよね。私は一旦そうしてみよう、というだけの、とりとめのないお話。
社会や周囲の人や変異していくウイルスなんかが気になって、「今わたし、何やってんだろ」と不安になることも確かにあるけれど、人の本質はそうそう変わるものではないので、あんまり焦らないようにする。
そういえば、先日「今、主婦の方に1~2万くらいでお願いしてる簡単な仕事があるんですが、やります?」と声をかけてくれた元同僚がいる。
「報酬は仕事内容によって少しは増やせると思うけど、いくら欲しいとかありますか?」という投げかけに「うーん。30万円かなぁ。」と答えて「出た!(苦笑)」という言葉が返ってきました。
「●万円でお願いします」と言われたらYESかNOで答えるけれど、「いくら欲しいか?」と聞かれたら、前段の流れとかすっ飛ばして正直に希望を口にしてしまう。やっぱり人は、簡単には変わりませんね。
まぁ結局、来年は今年よりもっと笑えたらそれでいいです。皆さま、良いお年を。