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デザイン思考なんてやめてしまえ【海外記事メモ】

今日はこの記事についての読んだメモを書こうと思います。

デザイン思考がもてはやされて日本でもだいぶ時間が経った気がします。

「デザイナーの思考方法をビジネスに応用させよう」という思想のもとにアメリカのIDEO社を中心に体系化され、今なお日本の(特に大企業で)もてはやされているバズワードだったりします。

しかし、当初からこのデザイン思考に対して様々な批評がされていました。個人的に特に印象的だったのが山口周さんのベストセラーの「世界のエリートはなぜ美意識を鍛えるのか?」での主張でした。

ざっくり言うと「デザイン思考的に既存の課題をつぶしても他との差がつかない上にすぐに陳腐化、模倣されてしまう」と言った批判です。

そんな感じで多くの実践を経てかなりの解像度でその実態がわかってきた「デザイン思考」を改めて捉え直し、我々はどのようにこのツールと付き合っていけば良いのかを本日の記事をもとに考えていきたいと思います。

本日もよろしくお願いします。

デザイン思考は過大評価されている

デザイン思考が複雑な問題を解決するツールであることに疑いの余地はありません。

しかししばしばそれらは、デザイナー自身が自らの立場の重要性を主張するために使う言葉騙しのように感じることもあります。

デザイン思考はともすると、誰も抱えていない問題に対して頑張って解決策を導き出すようなことがありえます。

デザイン思考が過大評価されているいくつかの例を紹介します。

1.デザイン思考はデータではなく個人の主観に基づいて行われます。
デザイナーは周辺の情報の調査とそれについて考えることを怠るため、最適とは言い難いソリューションを生み出すことになります。

2.デザイン思考は面倒でスピード感が遅いです。
デザイン思考のプロセスは複数の潜在的な解決策を導き出してそれらをテストするのに、他のアプローチと比較した場合膨大な時間を要します。

3.デザイン思考をする人は視野が狭くなりがちです。
考えているソリューションが組織や社会システムの中でどのような影響を及ぼすのかといった視点に立脚した議論がなされません。

これらの視点を簡潔に示した良いビデオがあるためご紹介します。


私のデザイン思考での失敗談

私は注目を集める新製品の開発に携わっていました。我々は多くのプロトタイピング、リサーチ、ストーリー作りを行いました。しかしながら、ついには私はその価値を信じることができなくなりました。

製品は市場へ出ることはなく、我々は大きな落胆をしました。

製品を開発して市場に投入する方法は多く存在します。数ヶ月、あるいは数年間も一つの製品に費やすのは必ずしも賢い判断とは限りません。

我々の場合、ゆくゆくは失敗することになるプロジェクトに多くの時間と努力を費やしすぎてしまいました。

デザイン思考が有益なツールであることに疑いの余地はありませんが、それらを使いこなすには条件が伴います。正しく使うことができれば、複雑な問題を解決し、イノベーティブなソリューションを生み出すことができるでしょう。ただし、デザイン思考を過信したり使い方を間違えば、残念な結果が訪れることでしょう。


デザイン思考以外のアプローチ

デザイン思考の代替としてよく知られているものの一つとして、ユーザー中心設計があります。これは何をデザインするにしてもまず「人々が何を求めているのか」という考えに立脚してプロジェクトを作っていくというものです。

もう一つのアプローチとしては、システム思考というものもあります。これは異なる要素同士がどのように相互作用をもたらしているのかを考えていくものです。

どの方法を使ったとしても、調査と思索は注意深く行い、何があなたのプロジェクトにとって最適なものになるのかを考え続けなくてはなりません。

デザイン思考は過大評価されているかどうかについては、使う人がそれらを適切に賢く使えるかどうかにかかっています。


感想:それってあなたの感想ですよね?にならないように

冒頭でも言及されていますが、デザイン思考はたしかに個人の主観で議論を進めがちなところがあります。

ブレストしたらなんとなく盛り上がって、勢いそのままにサービスを構築していったら全然ユーザーに刺さらない、あるいはまったく同じビジネスで強力な競合がいた、なんてことはわりとあるあるだったりします。特に小さなチームでの機動的な新規ビジネスづくりに馴れていない大企業とかだと、本当にその場の雰囲気で一気に突き進んでしまって自滅するような姿を何度も見てきました。

そのためこの記事の主張の繰り返しになりますが、デザイン思考を使うにもそこのみのプロットをなぞるのではなく、適切なタイミングできちんとリサーチをし、客観的な事実やデータを組み入れていくことは大切だと思いました。

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@やました
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