岡本太郎 「自分の中に毒を持て」を読んで
今回は
「自分の中に毒を持て 岡本太郎
青春出版社」
を読んで、わたしが純粋に感じたことを
お話したいと思います。
人生はもっと無目的的であり、
無条件であるべきだ。
岡本太郎の本を読んで、
痛切にそれを感じている。
彼の言葉が、思想が、わたしたちに
教えてくれることは、わたしたちが
この世界を生きる上で、どのような
思いを持ち、生きていくべきか
ということである。
私たちは日々生きていく上で、行動する
ための目的や、何かをする上での条件を
すぐに考えてしまいがちな生き物である。
しかし、岡本氏はそういう考え方
そのものに疑問を持ち、そして私たちに
本当の生き方を突きつけてくれている。
そんなふうに感じる。
私たちは、何かをするとき、
目的を持つべきだ。
目的が明確であれば、おのずと行動も
洗練され、研ぎ澄まされていくし、
行動がより意味を持つようになってくる。
わたしたちは、そう考えがちだ。
しかし、呼吸をするために呼吸をし、
歩くために歩き、生きるために生きる。
そういうふうに、それぞれの行動に意味を
付随させることなく、日々を生きていく。
そういう生き方が本当に魅力的であると
感じる。
私たちは今一度、生きることそのものに
ついて熟考し、生きることを見つめ直す
必要があるのではないか。
岡本氏はそう考えさせてくれる。
一瞬一瞬が光を放つように、自分の心の
声や直感、インスピレーション、
そういったものに耳を傾け、神経を
研ぎすませることで、自分が持つ
一瞬一瞬の輝きを増大させ、またその
一瞬一瞬のつながりが作り上げる人生を、
よりきらびやかなものにすることが
できるのではないか。
そう感じざるを得ない。
「芸術は爆発だ」の言葉でよく知られる
岡本氏であるが、芸術とは、絵とか
プロダクトとして生み出した作品とか、
そういったものではなく、私たちの
日常における、私たちの思考や時間
そのものである、ということを強く感じる。
そういう意味においては、「私たち全人類は
芸術家である」と言うこともできる。
自分の人生を1つの作品という形で
捉えるのであれば、日々の思考や行動、
言葉、そして生活の中で起こるすべての
事柄が、作品の一部であり、その時間に
含まれるあらゆる要素が、作品の道具
であり、素材である。
そういうふうに言うことができるのでは
ないだろうか。
そしてこの地球という環境の中で生きる
私たちは、「全人類で世界という一つの
作品を作り上げていて、自分もその一つの
要素である」という観点から考えれば、
自分がとるべき行動も自然と見つかっていく。
大人になるという事は、社会の中で自分が
どういう役割を担うのか、また自分が
属するこの世界の中で、自分がどういう
価値を持ち、そしてそれを提供し、
世界という作品を作り上げる中で、
どう自分が貢献していくかということに
責任を持つ、という事でもある。
自分が何をしたいのか、それはとても
大切なことである。
そうした気持ちは何よりも優先すべきだ、
という声もいろいろなところで聞いてきた。
しかし、「自分がこれをしたい」という
思いだけで、自分の行動を決めるのは
いささか短絡的すぎる、と感じるのは
私だけであろうか。
「世界の構成員である自分が、この世界
という作品を作り上げる上で何をすべきか」
この言葉にこそ、この世界を生き、
大人として責務を果たすことに
つながるのではないだろうか。
今回は岡本氏の本を読んで、私が感じた
ことありのままを述べた。
ぜひこの本を読んだみなさん、またこの
記事を読んだみなさんには、私と一緒に
考えて欲しい。
「今この瞬間に本当に自分がすべき事何だろうか」と。
まだ読んだことのない人は、
一読することを強くオススメします。
それでは、また!