保育園探しから保育園つくりへ 4
いよいよ困り果てた私たちは、新たな保育園を作ることを模索したが、土地もなければ金もない。いざ作るとなると莫大な資金が必要だ。
色々と当たるうちに、土地は納屋を提供してくださった高橋さんから借りられることになった。資金は、浦和のこぐま保育園の分園にするということなら補助がおりることになった。
当時のM保護者会長の強いリーダーシップの元資金集めに奔走した。約二千万円を集める計画で、皆でとにかく募金・返還する協賛金・物資販売に汗水流した。バザーもやった。
その結果、1988年についにやまばと保育園が完成した。しかし残念ながら娘は卒園して入ることはできなかった。
大きなホールを持つ素敵な園舎。実は私の孫が昨年一時保育で少しの間世話になったが、のびる時代の保育士さんもいて、ついつい懐かしい話に花が咲いてしまった。
さすが、さくらんぼ保育園の流れをくむだけあって、孫は毎日泥んこ遊びやお散歩を楽しんでいた。
リズムや歌を見学していると40年以上も前なのに自然とチボリーノの冒険や星めぐりなどの歌が歌えた。またリズムもトンボのメガネやよちよちアヒルさんなどは覚えていた。
私にとっての青春の貴重な1ページであるさくらんぼ保育園での一年間は、こうして保育園つくりへと繋がっていたのである。もちろん、教師としての実践にも大きな影響を与える原動力にもなったのであることは間違いない。
(文 前島ひでお)