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バンドン工科大学MBAのいまいちなところ

最初に申し上げておきますが、バンドン工科大学の学生や教授陣の知的レベルが低いと言っているわけではありません。むしろ逆でかなり高い方でしょう。
また、彼らの人間性は素晴らしく、チームワーク、リーダーシップともにとても優れています。

問題は経験値が足りないことに尽きます。
経験がないから補うために勉強するんでしょ、という意見はあると思いますし、わたしが選んだのが「ヤングプロフェッショナル」という社会人経験がほぼない学生用のプログラムなので、選んだお前が悪いという意見もあるでしょう。

ですが、わざわざ留学したのに期待と違うということがないように、良い面も悪い面も述べておきたいと思います。

バンドン工科大学のMBAのレベルが低いことが原因の可能性もありますが、こうした方がよいのではとか、ここは問題だなと思うことがいくつかありました。
まずはネガティブな方から。


功利主義なところ

先生によるのですが、MBAで勉強するのは立身出世を目的にしているというのが出すぎると感じることがあり、少し嫌な気分になります。
妙に強い人的ネットワーク構築至上主義とかも、どうかなと思います。フォロワーが多い、友人が多い、影響力を発揮できるみたいなノリです。

バンドン工科大学はインドネシアを代表する教育機関で、国のリーダーを輩出しているのだから、むしろ高い志を持つような意識にさせないといけません。
建物や廊下に貼ってある標語や「For the greater good」という合言葉だけは立派で、表面的に取り繕っているように感じました。

どんな組織でも見られる現象です。

教科書的で実践的でないところ

おそらくバンドン工科大学の教育レベルが影響しているかもしれません。
理論的な要素が多い分野もあり、その場合は問題ありません。

しかし、より実学的な要素が強くなる分野もあり、その場合はケースや演習的な授業になります。そのレベルがわたしからすると正直低い。
学生にビジネス経験がないため、レベルを上げるとついてこれない可能性もありますが、同じ環境でできてる先生もいますからね。

これは想像の世界ですが、インドネシアは日本と同じで詰込み型、暗記型の教育なのかもしれません。
教え方やテストがそうなっています。

物事をシンプルにしすぎるところ

高等教育は知の探究なので、こう聞かれたらこう答えましょうという詰込み型は、大学院レベルでやってはいけないとわたしは思っています。

この場合はこれをするのが正解ですとか、これは間違いですというのを4択で選ばせたりするんですよね。ミニクイズとかで。
わたしからすれば、すべて正解にもなるし不正解にもなるし、状況や背景がどうなっているか次第なんですが、授業やクイズはそうではない。
わたしは昔からこういう勉強が嫌いだったのですが、大学院レベルでこれをやってたらどうしようもないなと思います。

講師のレベルによってできている時もあり、そういう時は議論が充実します。
わたしがなんだかなとストレスを感じる授業で、わたしの頭の中でぐるぐる回っている言葉はこんな感じです。

  • そこで線引きするか?

  • なぜこの二つを分ける?

  • 分類の仕方が納得いかない

  • そんなのただのこじつけでしょ

  • 無理やり感を感じる

  • 現実と違う

  • どういう前提のもとでこの結論が導き出されるのか説明がない

  • ここ深掘りした方がいいんだけどな

  • ここは前に習った理論と関連させて教える方がいいと思うけどな(他の科目で別の先生が教えている範囲の場合、難しいとは思います)

ビジネス世界の常識を守れないところ

MBAはビジネスの準備なのに、ビジネスの世界ではやらないことを学生の延長でやってしまうことがよくあります。
インドネシアだからなのかもしれません。
また、これも講師によって大きく差がでます。

- WhatsAppなどのチャットで資料の受け渡しをする
- メールを見ておらず返事がまったく返ってこない
- 突然思いついたかのように課題を出す(締め切りは明日)
- 決まったやり方で情報を出さない、人によってやり方がばらばら
- 期日が守られない

学生も問題です。ざっくり半分くらいですかね。
- 遅刻してくる
- 授業中に平気でおしゃべりする
- 休憩時間が終わっても戻ってこない
- 授業中勝手に外に出ていく(多分たばこ)
わたしも最近では1時間たって休憩がないときは、お湯を汲みに出ます。
ただし1分で戻ってきます。

毎回30分遅刻する先生もいました。しかも授業も早く終わる。
もう最悪でした。

準備する習慣がない

ビジネス常識がないのと似たくくりですが、たぶん仕事ができない人たちだろうなと思う瞬間があります。

セミナーや会の案内を前日夜中とか当日朝にしてくるんです。多分忘れていたんでしょうね。これはインドネシアでは普通のことなので、誰も何も思わないようです。

インドネシア人と仕事をすると、前から分かっていることをぎりぎりまでやらなかったり、準備不足なんです。
なんで前会ったときに言わなかったの?というと、思いつかなかった、忘れていた、ですから。

それでも世の中は回っているし、インドネシアの経済成長は年5%ですから、結果だけ見れば日本人のやり方の方がいまいちなのかもしれません。

連絡がインドネシア語でくるところ

英語で授業をして外国人を受け入れるのだから、連絡は英語でやらないとだめじゃないのと何度いってもインドネシア語で、わたしはもう諦めました。
大学院だけでなく、大学からの連絡も来ますので、その場合はインドネシア語でも仕方ないかなとは思いますが、ストレスです。

図書館の蔵書がいまいち

まず狭い。だから本の数が少なく、さらにテキストを中心に置くので良い本が全くないです。
これはMBAの図書館だけでなく、大学の総合図書館でも同じ。

蔵書がいまいちなだけではないです。
とにかくスタッフがしょっちゅう休憩して図書館を閉めます。
君たちが休憩するのは勝手だけど、なんでわたしが図書館から締め出されなければならないのですか?と聞いても決まりですと言ってきます。

朝は遅く開き、夕方17時には閉まり、昼は1時間閉まります。金曜はお祈りがあるので昼に2時間閉まります。土日祝日は閉まっています。
休憩は交代で取ろうよと思います。

プリントアウトやコピーができない

今の時代、紙に印字する人などいないのかもしれません。
でも大学や寮の周りにはコピー屋がたくさんありますから、ニーズはあるはずなんです。
アメリカに留学していたときは、図書館でも学部の建物の廊下でも、複合機が置いてあって学生カードをピッとやればすぐ印刷できました。

わたしにとってはかなり効率が落ちました。

論文は印字して筆入れをしたいので、外の印刷屋で4回印刷しました。
50枚で100円くらいですね。1枚あたり2円くらいで、なんでこんなに安いのだろうかとよく思います。

騒がしい

自習室、教室、廊下で子供のようにキャーキャー叫びます。そんなに大きな声で叫ばなくても聞こえるよとか、そこまで大声出して笑う必要はないでしょ、とよく思います。
本当にここは大学院なんだろうかという感じです。

今は分かりませんが、わたしの高校生の頃の感覚に近いです。

インドネシアの大学生は精神年齢が少し幼いのかもしれないなと思うときがあります。良い面を見ればピュアな感じもするんですよ。

彼らなりのストレス発散の可能性もあります。
ただ、わたしにはストレスですので、自習室や図書館で騒ぐ奴らには容赦しません。
普通にグループワークの相談をしているだけなら、多少声が大きくなってもいいんですよ。
一緒に動画をみながらとか、雑談をしてバカ話に大声で笑うのは外でやれということです。

ゴミを片付けない、イスを元に戻さない

これは日本人だけしかやらないのかもしれませんが、自分で出したゴミはゴミ箱に入れろとよく思います。
そもそも水筒をもってくればいいのに持ってこず、紙コップを使い、それを机の上においたまま出ていくんですよ。

イスもあちこちに散乱した状態で帰っていきます。

気持ち悪くないんだろうかと思います。

掃除のスタッフがいるので、彼らの雇用を生み出しているのかもしれませんが、成熟していない感じを受けます。

教室や廊下に落ちているゴミはまず拾いません。

だんだんMBAというよりもインドネシアの問題になってきましたので、この辺りでお終いにします。

次は良いところです。

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