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南東スラウェシ州の旅 10日目 バジョエからマカッサル

コラカを前日の夕方6時にでたフェリーは、午前2時にボネ湾の対岸の町バジョエに着いた。
全部で3時間くらいは眠れたので、今日1日ならなんとか持ちそう。

横で寝ていたマカッサルの学生グループと話しているうちに、最後になってしまった。

シンジャイまで

船を降りて、温泉のあるシンジャイの町へ行くバスを探す。
もしなければバジョエのホテルに泊まり、あればシンジャイに行く作戦だ。

フェリーから降りて、停まっているバスを見つけ声をかけると、シンジャイ行きはもう少し先から出るという。
行ってみると、アンコタみたいな車が複数並んでいた。

シンジャイまで10万ルピア(1000円)というので、そんなに高くはないし、まあ良いかと乗り込んだ。
ところが、どうみても3人がけの座席に4人で乗れという。2時間かからないとしても嫌なので、乗るのを止め町へ向け歩くことにした。

バジョエもコラカ以上の遠浅の海らしく、桟橋が異様に長い。真っ暗なので余計に長く感じる。
2キロ歩いてもまだ桟橋は続いているのだ。。

そうして歩いていると、さっきのとは別のアンコタが止まり、シンジャイまで行くと言う。
わたしのことを覚えていたのだろう。
席も普通にスペースがあったので、乗ることにした。

みんな眠そう

シンジャイには午前4時過ぎに着いた。

ホテルを探して彷徨うも、どこも門に鍵がかかっていて、建物はおろか敷地にも入れない。
4時半のお祈りに起き出さないかと見張っていたが、起きている気配がない。

仕方ないので24時間営業のコンビニに行き、お湯を入れてもらって日清UFO を食べ、コーヒーを飲んだ。
ついでにトイレも借りることができた。
万全の体制。

ワンオペの店員によれば、シンジャイにはグラブアプリはなく、温泉に行くにはオジェックを捕まえる必要がある。
オジェックはパサールセントラル(中央市場)に行けばたくさんいるが、6時にならないと来ないらしい。

そういうわけで、コンビニで6時まで時間をつぶした。

パサールに行くとまだ店はほぼ閉まっている。オジェックも見当たらない。

しばらく椅子に腰掛けボーッとしたら、オジェックのおじさんがバイクを止め、目があった。
オジェック199番のジャンパーを着ている

交渉の結果、温泉に行ってまた市場に戻ってくるルートで6万ルピアになった。

ワエ•ペラエ温泉

ダムの横に湧く温泉で、岡山の湯原温泉みたいだなと勝手に思っていた。

バイクは川沿いの細いクネクネ道を進んで行く。川と谷間にたくさん田んぼがあり、棚田が美しい。

温泉は小さいダムの横にあった。

湯原の十分の一の大きさ

川で洗濯している人がいる。

源泉はこんな感じで、湯量はあまり多くはない。

なので、お湯は50度以上と熱いのに、浴槽が大きすぎてお湯はぬる湯を通り越し、本当にぬるい。

お湯は硫黄泉の味と香がする
別所温泉に似ている

マカッサル行きの車を見つける

8:30発のバスがあると聞き、バスターミナルに行くと、今日の朝便は休みで、午後2時の便だけという。
観光するような町ではなく、時間つぶしに苦労しそうだったため、トラベルに切り替える。
中央市場に車がたくさん集まるらしい。

車は最初1台だけだったのがどんどん増え、5台くらいになった。

マカッサルまで150キロで5時間13万ルピア。

客はわたしだけで、8:30に出発した。
ところが、いつものパターンで寄り道し客をたくさん拾い、最終的にわたしを入れて5名でマカッサルに向かうことになった。

ルートは山越でかなりのクネクネ道だ。
さらに、当初思っていたルートと違い、洞窟壁画に近いマロスの町を通る。
わたしは予定を変更し、壁画を見に行くことにした。

車から見える景色は美しい棚田で、今まで見てきた棚田の中でも上位に来る。
だが、景色と反比例するように道はひどく、幹線道路と思えない。

レアンレアン壁画

車はマロスまで30キロの地点で、ランチ休憩に入った。

Sop Konro 骨付き牛のスープ

食堂で、運転手や運転手仲間と話すと、マロスまで行かずに、レアンレアン方面に行く分岐がオジェックを捕まえやすいようだ。
町の市場の前がいいだろうという結論になり、降ろしてもらった。

すると、グラブのヘルメットをかぶった見るからにオジェックのおじさんを見つけた。
レアンレアンと周囲の見どころを回って最後に空港の近くのホテルに行ってもらうルートで12万ルピア(1200円)

レアンレアンに入る

入場料で一悶着あった。
わたしは在留許可証Kitasと学生証を持っているため、普通であれば現地の学生料金が適用される。なのに外国人料金を払えと言うのだ。
結局、学生ではなくインドネシア人価格となった。

まず、がっかりしないよう最初に言っておくが、ここは壁画を目の前で見ることはできない。
1箇所だけ離れた場所にある壁画を見られる場所があるだけだ。
ムナ島の放置状態とは違う。

わたしはがっかりしたが、普通に考えればこっちの方が当たり前だ。貴重な文化財を自由に触れる状態にする方がどうかしている。

展示場
ここには壁画の写真が飾られている。また壁画の説明もあって分かりやすい。
43,900年前の絵だ。フランスのラスコー壁画が2万年前なので、古さが別格。
ラスコーと同じく、炭酸カルシウムが自然の膜を形成し、絵を劣化から守った。

鹿
イノシシの顔と足

世界最古というだけでも十分すごいのに、かなり芸術性が高い。
体を塗りつぶしがちなところに、細かい線を描き入れ、毛並みのようだ。
イノシシの顔と足はよくここまで観察して書いたなと感心する。

アノア

アノアは素晴らしい。が、これは70キロ離れた場所にあり、事前申請しないと見に行けないらしい。

展示には地図を加えた方がいいと思う。

直接見られる唯一の壁画
ペッタ•ケレの洞窟の鉄の階段を登ったところにある。

面倒でも上までがんばって登ってほしい

上まで登ると、洞窟の入口がある。
そこで洞窟に入らず、斜め上前方を注意深く見ると、こんなのが見えるだろう。

写真の中央下の赤いのはブタ
頭は隠れている

そこから上の方に手形がある。かなり薄いので分かり辛い

わたしは手形を直接見ることができ満足した。
前から見たいと思っていたのだ。

昔受けたTOEFLの問題で、古代人の左利き率をどうやって調べるかと言う内容があり、この手形の話が出てくる。
右利きが多かったと言う結論で、なぜなら左手の形が大半だったから、が理由だ。
この手形は壁に手を置いて、口に含んだ塗料を吹きつけるとできる。
手を置いた場所が色抜けになるからだ。

左手の手形が多いということは、右利きの人が右手で塗料のはいった容器を持っていた証拠なのだ。

わたしはリスニングの講義を聞きながら、面白い話だなと感心した。今でも20年前の話を覚えているくらいだから相当だ。

壁画以外の見どころ
石灰岩の造形美が素晴らしい。
雪舟の「山水図」や「慧可断臂の図」にある岩にそっくりなのだ。
表面の質感、岩の角度が垂直じゃなく倒れかかっているところとか

また沖縄最高の聖地セーファウタキ(斎場御嶽)を思わせる場所もある。

壁画の近くの観光地

運転手が観光地回りをするなら遠回りになるから別料金だと言い出した。
最初に約束したら守ってもらわないといけない。

わたしはキャンセルした。
こんな田舎でオジェックがいるか分からないが、最悪10キロ歩けば幹線道路に出るから、アンコタはあるだろう。

まずはブル•タラに向け歩く。レアンレアンから3キロだ。
景色は素晴らしい。
西遊記に出てくる景色のようだ。

写真の腕が悪く、景色の素晴らしさが伝えられない。

この道は木がなく、太陽の光線を浴びながら歩くため暑い
その代わり、子どもはたくさんいて手を振ってくれる。

わたしは沿道の応援に励まされるランナーのような気持ちで歩いた。

ブル•タラはいまいち

工事現場のような場所が見えてきたら、それがブルタラだった。
目の前の売店で1万ルピア払い柵の中に入ると、石切場のようだ。

たぶんここが一番のスポットだろう。

わたしは歩き続けた。
子どもたちが群がっているので見ると、駄菓子屋の移動販売のようだ。
ビニールのおもちゃも大量にぶら下がっている。

またしばらく歩くと、川で水浴びをしている子どもたちがいた。

話していると、同じように水浴びしていたおじさんが、マロスの町までアンコタで連れて行ってくれると言う。
わたしは貸し切り5万ルピアで乗ることにした。

エンジンは剥き出しの銅線どうしをスパークさせてかける。
計器類があったと思われる場所は、きれいな空洞になっていて、タバコやライターの置き場になっている。

アンコタはゆっくりと進み、マロスの有名なパン屋の前で降ろしてもらった。

マロス名物ロティマロス

マカッサルの北40キロにあるマロスはロティ=パンで有名な町。
パン屋がたくさんある。

ウィキペディア Roti Marosより

わたしは寮のみやげに一箱買った。自分用のカステラも

空港近くのホテルへはアンコタで行く。
グラブは捕まらない。

アンコタ車内で、ロティマロスの話しになった。バンドンにもカルティカサリがあると言ったら、マロスのロティは別ものだと皆言っていた。

食べるのが楽しみだ。

明日の予定を全部やってしまったので、明日バンドンに戻ることにする。













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