バンドン工科大学MBA 中間テストの様子
記事にするほどのものかという薄い内容になってしまいますが、一応最初のテストだったので、書くことにします。
本日23:59が締め切りでしたが、提出してしまいました。時間が余るとこんなことも分かっているんですよと余計なことを調べたり書き足したくなる(蛇足の故事に陥るパターン)ので、見直しだけしてわかりにくい表現を直して出しました。
現在受けているのは2科目で、Organizational Behaviour and Managing PeopleとFinancial Report and Controlです。
このうちOrganizational Behaviorの方はテストはなく、個人レポート提出とグループワークレポート提出だけとなります。
Financial Reportの方は中間と期末テストがあり、クラスメート達は戦々恐々としていました。「これ全部覚えんのかよ、そもそも理解もできていないし、絶対無理でしょ」という反応です。
最初は2時間のテストと言われていて、次に15問の小テストの後、家に持ち帰ってやるテストと2つに分ける形式に変更すると易化し、最後はすべて家に持ち帰ってやるテストに変わりました。しかも、提出は3日後です。
先生たちで相談した結果、生徒たちの理解度を見るとこの段階でテストをするのは酷だとなったのかもしれません。しかし中間と期末テストをやるカリキュラムになっているのでやらざるを得ず、こういう方式にしたのでしょう。
先生がテストのやり方を説明したときのクラスメートの様子は歓喜に満ち溢れたものでした。最初はえ?どういうこと?という反応から、だんだんと状況を理解していき喜ぶ感じです。
覚える必要がない、調べてよい、しかも3日間もかけられるとなれば、何も恐れることはありません。
テストの内容は、各自1社インドネシアの上場企業を選び、そのAnnual ReportとFinancial Reportを使って質問に答えていくものです。
まだ締め切り時間前ですし、もしかしたら秘匿義務もあるかもしれないのであまり書きすぎてはいけませんが、財務分析でよく使うレシオを使って計算する問題や、競合や業界平均と比べながら財務内容の分析をするとかです。
将来のリスクを予想するとき、どの財務諸表のどこを見るのがよいかとか、必要なアクションの記載もあります。
たぶん、財務内容の分析で表面的なところしか見ていないか、もう少し深いところまで見られているかで差がつくと思います。
見るべきポイントは会社や業種によって変わってくるので共通部分が多くなく、ヒントは出せても課題や答えを教えることができないところです。
Annual reportは200ページとか300ページあるのが普通(インドネシア語と英語併記のため単純に倍の枚数が必要)で、Financial Reportにしたって100ページくらいあるので、先生も大変です。
でも同じ会社にしてしまうと、みんなで相談して回答を用意してしまうので苦肉の策だったのでしょう。
日本であれば、テストなんだから生徒同士で教えあったりしてはいけないと考えると思うんです。ところがインドネシアはゴトンヨロンの国ですから、みんなで助け合うのが普通です。
*ゴトンヨロンとは日本の農村と同じで共同して家や田の修繕、田植えや収穫を行う習慣から来ている、困っているときはお互いに助け合いましょうの精神。
テストの日の朝、わたしも念のため教室に行ったところ、教室やスペースに生徒が集まって、みんなでわからないところを相談しあいながらやっていました。
日本人も多かれ少なかれ甘え体質はありますが、インドネシア人の方がフリーライドに対する抵抗感やハードルが低い気がします。
宗教の違いからくるものなのか、人間関係の濃密さからくるものなのか、よくわかりません。先生たちはフリーライドを発生させないよう、グループを3~4名の少人数にしたり、今回のテストのように内容をバラバラにして助け合いしにくいようにしています。
ちなみにわたしが選んだ会社はAstra Otopartsです。アストラグループで、アストラインターナショナルが80%のシェアを持っており、近年問題視されることが多くなった親子上場にあたります。
この会社は自動車部品を製造販売している会社で、最近では電気自動車の研究開発を始めたほか、医療機器分野にも進出しました。自動車部品一本足はこれからの時代非常に危険ですからね。
日系部品メーカーの多くがこの会社と合弁を組んでいることでも有名です。特にトヨタ系、ホンダ系、ダイハツ系の部品会社ですね。
日本の総合商社的な、金を稼ぎ出すのは本体ではなくグループ会社という構造を持っていておもしろいです。
そういう意味では、親会社のアストラインターナショナルはまさに総合商社的な構造ですし、もっと上のアストラの大株主はたどっていくとジャーディン・マセソン商会で、ここは総合商社モデルの元祖です。ジャーディン・マセソンの話は非常におもしろいのですが、別の機会にしたいと思います。
6年間自動車会社にいたことを考えると、自動車部品会社を選ぶのはちょっとずるいかなとも思いましたが、好きな会社(個人的に2007年から株も持っています)なので選んでしまいました。
競合先といえるところがインドネシアにはないくらい断トツの会社のため、比較対象はマレーシアのDRB Hicom(昔マレーシアの国策車を担っていたプロトン社の親会社だった)にしました。
みんながいい成績をもらえることを願っています。