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IKIGAI(生きがい)が授業で普通に出て来て驚く

授業はOrganizational Behaviorが終わり、次の章のManaging Peopleに移りまして、組織フォーカスから従業員個人にフォーカスが当たっています。どうやったら人々のパフォーマンスは上がるか、モチベーションはアップするのかという話です。
いわゆるMARS Model*の説明の中で、Motivationという英語の単語を説明するのに、インドネシア語の中に突然日本語が混じって、これはIkigaiと言ったんです。しかも「Ikigaiわかるよね?」と先生が言ったら生徒全員「わかります!」という反応でした。

MARS Modelとは、Motivation, Ability, Role perceptions, Situational factorsが人々のパフォーマンスに影響を与えるという理論。

結構驚いたのとなぜ?という疑問が頭の中にうずまき、その後先生の言っていることが頭に入らなかったくらいです。

授業のあとで周りの生徒に「ところで、生き甲斐って日本語なんだけど、なんでみんな知ってるの?」と聞いたら、「Ikigaiという本があってインドネシアでベストセラーになったからみんな知っているし読んでいる」というではないですか。

生き甲斐なんて題名の本が日本で売れたという記憶はないので、もしやこれは第2の「Kokoro No Tomo*」か?と思い早速調べました。
宿題が無茶大量に出ているんですが、こっちの方が気になってしまって手につかなかったです。

「心の友」:インドネシア人ならだれでも知っていてかつ日本語で歌える五輪真弓の名曲です。実は日本ではヒットしていなくて日本人は知らないということまで知っているほどです。

調べてみたらインドネシアだけでなく、世界中で翻訳されてベストセラーになったようで、インドの話が以下のNoteに記載されていました。かなり詳しく調べておられ、なかなかの記事です。

わたしは原著を読んでいないのでいい加減なことを言ってはいけないのですが、英語で書かれており、スペイン人の著者が日本人はなんで長生きなんだろうかと知りたくなり、長寿の村と言われる沖縄の村に調べに行って「生き甲斐」をもって生きることが重要なんだという結論に達したという内容のようです。

確かに、日本人には生き甲斐こそが一番大事というところがありますよね。ただ、よい意味だけでなく悪い意味で使われることも最近では多くなった印象です。
「やりがい詐欺」とか、青色発光ダイオードの発明者の中村教授が、アメリカで「お前はSlave(奴隷)」と言われたとか、金より生き甲斐を求めている人が逆に搾取されているようなイメージでしょうか。

授業やグループワークでよく感じるのですが、インドネシア人の持つ日本人のイメージは、勤勉で会社や組織に忠実、お金や地位を求めて仕事を転々としたりしないというものです。
Ikigaiという概念が彼らの持つ日本人のイメージとつながったのかなとも思いました。ただ真面目だから勤勉なんじゃなくて、Ikigaiが仕事のモチベーションになっての勤勉なんだろう、という感じです。

一方で、もう一つの最近の彼らの日本に対する印象は、人口が減っていて老人ばかりになっている、その理由は若い人が子供を作らないからだというもので、訳知り顔のクラスメート達から、「なんで?」と聞かれます。

「いや将来に悲観的になっているんでしょ、子供にきちんと教育を受けさせるだけの収入が得られるかわからないし、そもそも妻を養えるかわからないと思っているんじゃないかな?」

そうすると、生き甲斐をもって生き生きと幸せに働いている、平和で豊かで安全な国のイメージと、なんかしっくりと整合しないようで、インドネシア人の頭には??が渦巻いています。

わたしも実は謎な状態です。よく分かっていません。なので、インドネシア人にはなんでだろうね、よくわからないね、と言っています。

話が脱線して終わってしまいましたが、写真はシャープ創業者の早川徳次翁と経営信条です。
早川さんはよく生き甲斐の話をされますので、わたしの中では生き甲斐といえば早川さんということで使わせていただきました。
シャープの経営信条の最後は、「勇気は生き甲斐の源なり、進んで取り組め困難に」です。経営信条でここが一番好きという社員が多いですね。
ちなみにわたしが一番好きな経営信条は「誠意は人の道なり、すべての仕事にまごころを」です。
  

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