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通訳案内士の5年後更新研修(オンライン)を受講しました

通訳案内士は、2018年の法改正により、5年に1度登録研修機関での研修が必須となりました。
私の場合2016年に合格しているので、2023年1月3日までに受けなければいけませんでした。
期間内に受けない場合、通訳案内士登録が取り消される可能性があるとのことです。

とっくに期限は過ぎていましたが、遅まきながら受講することにしました。無事講座を受講し、修了証を受領しましたのでNoteにまとめます。

通訳案内士をご存知の方は、前半を飛ばして研修内容から読み進めてください。

そもそも通訳案内士とはどういう資格なのか

通訳案内士にはいろいろな言語があり、一番有資格者が多いのは英語です。私も英語で取得しています。
語学系の資格では唯一の国家資格。通訳案内士法という法律で規定されています。
昔は、通訳案内士でなければ有償でガイドをしてはいけないというルールがあり、いわゆる「業務独占資格」でした。医師、弁護士、会計士、税理士などと同じ扱いです。
ところが、背景はよくわかりませんが、おそらく2020年の東京オリンピックに向け通訳案内士の数が思ったより増えなかったのでしょう、通訳案内士の資格がなくても有償でガイドができるように法律が改正されました。
2018年の法改正のタイミングの出来事です。
「名称独占資格」に格下げとなりました。

結果として、5年ごとの更新研修が必要になるは、通訳案内士でなくても誰でもガイドができるようになるは、踏んだり蹴ったりの状況になったというわけです。
通訳案内士は難しい割にメリットのない資格と言われるようになり、受験者も激減してます。

通訳案内士の試験は難しいのか

人によります。
私は試験科目がすべて得意な分野だったのと、あとで出てきますが運もよかったので、あっさりと通りました。
試験科目は、英語、日本史、地理、一般常識の4科目でした(2016年に私が受験したとき)。
英語は英検1級があれば免除なので受けていませんが、受けても多分問題なく通ったと思います。
日本史と地理は昔から私の得意科目ですので、過去問を3回解いただけで特に準備はしませんでした。ナチュラルな知識でいける感じです。
唯一、一般常識は曲者でした。私が真面目に調べなかったせいもありますが、あまりに範囲が広すぎて何を勉強したらよいか分からなかったです。
加えて、過去問を見ても年によって傾向ががらっと変わる印象で、出たとこ勝負しかないと思い、これも準備はしませんでした。というより、やりようがなかった。

当日は日本史と地理は8割以上取れましたが、一般常識が60点くらいだったと記憶しています。過去問とまったく似ても似つかぬ問題が大量に出ました。
当時は全科目でそれぞれ7割以上取らないと合格しないと言われており、これは落ちたなと思っていたら、なぜか合格していました。

2014年から2017年あたりは、2020年の東京オリンピックに向け、大量の通訳案内士が必要と言われ、合格基準をかなり下げて合格させていたという噂も当時ありました。本当かどうかは分かりません。
今よりも合格率が高く20パーセントくらいでした。私のアメリカ留学時代の知人も同じタイミングで受験し、私と同じように一般常識で大失敗していましたが、受かっていました。
まあ、ラッキーでしたね。

通訳案内士の2次試験は英検1級の2次に似てますが、合格率が高いので恐らく合格基準が低いのだろうと思います。
問題は2問で、1問目は日本語を聞いて英語に通訳、2問目はいくつかのお題から好きな題材を選びフリートークです。私は坂本龍馬を選びました。
坂本龍馬好きなので、やったーと思い結構興奮して話した記憶があります。私は外国人に日本の歴史や文化をビジネス面から説明するのを得意としており、日本初の株式会社設立や、仲の悪い国同士を兵器輸出を通じて関係を修復させた話をしました。
相手(アメリカ人の女性)にイマイチ刺さっていない感はありました。

5年後更新研修の内容

ようやく本題です。
正直な話、受ける前はロビーイング活動で業界団体に金を落として官僚が天下れる先を増やすためだろうと腹立たしく思っていました。それもあって、なかなか研修を受ける気にならなかったのが実情です。

しかし、実際に受けてみると、確かにこの研修は必要だろうなと思い直しました
なぜか、それは通訳案内士の仕事が、単なる通訳というより外国人観光客の旅行を手配し安全に旅行させる業務になってきているためです。
WBCでチームに帯同した水原通訳も、寿司屋を予約したり通訳以外の仕事が多かったですよね。
日本に旅行に来て通訳を雇うような外国人は富裕層であり、富裕層旅行者をもっと増やしたい観光庁としては、通訳案内士の質を上げて、顧客満足度とリピート率を高めたいのでしょう。
私が受験した頃の通訳案内士の試験では、旅程管理や旅行業法はカバーされておらず、旅行業務取扱管理者の資格の方でカバーしていました。両方受ける人が多かった印象です。

研修内容は国内旅行業務取扱管理者の試験で出される範囲とかぶっている印象を持ちました。私はこの資格を2016年に取っているので、思い出しながら講義を聞きました。復習した感じです。

旅行業法は旅行業者を規制するための法律です。
一方、通訳案内士はツアーを企画し客を募集するわけではないため、旅行業法で規制される旅行業者にはあたりません。
インバウンドの富裕層外国人に頼まれて、ついでに旅館を予約したり、チケットを取ったり、旅程を考えてあげることはしますが、旅行業者としてではなく、あくまでも通訳としてサポートしているだけなので、広い意味では旅程管理にあたるっちゃあたるかな?といった程度です。

それでも講師の方がおっしゃっていましたが、広義の旅程管理という言い方はできるし、旅館や交通機関、または事故や急病で病院に行ったりすれば、相手はこちらが通訳だろうと関係なく、添乗員やツアーガイドと同じような扱いをしてくるので、必然的に業務はかぶります。
また、旅程管理者が負う義務についても、例えば安全確保義務は旅行業法ではなく判例の積み重ねにより義務が構成されていることもあり、通訳案内士だから法律上の義務はないとは言い切れず、裁判になったら義務を負うと解釈されかねないと仰っていました。
私もまったくその通りだと思いました。
難しい言い方をすると、信義則上の義務があるかということなんです。
たとえ契約に明記していなくても、社会通念上、相手がそこは通訳がちゃんと誠実にやってくれるよねと信頼する状況であれば、その信頼を裏切る行為は信義則に反するということです。

価格:3,300円でした。

時間:3時間強。私は一気にやりたかったので、遅い朝ごはんを食べたあと10時に開始し、昼食休憩を挟んで14時頃終わりました。
全部で7章あり、章が終わるごとに小テストを行います。
小テストに合格するとパスワードをもらえ、それを打ち込まないと次の講義を視聴できない仕組みになっています。
1回の講義は長いもので30分、短いもので10分、小テストは7問中5問以上正解する必要があります。
最後にもう一度まとめテスト14問があり、合格すると番号をもらえ、申請書にその番号を打ち込みオンライン上で提出して完了となります。

問題は比較的簡単に感じました。小テスト7回分で1問しか間違えませんでしたし、最後のテストも全問正解でしたので、62/63の正解率です。

業者:NPO日本文化体験交流塾(IJCEE)
オンラインでできること、価格が一番安かったことが選んだ理由です。他にも登録研修機関はあります。
比較対象がないので、どれがよいかは何とも言えません。ただ、観光庁のテキストに沿って進みますので、どこもそんなに大きな差はないはずです。

研修後はこんな修了証明書をもらえます。

最後に

通訳案内士と国内旅行業務取扱管理者の資格は、老後の楽しみに取った資格です。
外国人旅行者に日本のおもしろいところを案内しながら、国際交流を楽しみたいと思っています。

インドネシアに留学して、インドネシア語を勉強するのも、インドネシア人が大好きというものありますが、インドネシア人が日本に旅行に来て日本をより好きになる手伝いをしたいのが理由です。

今から老後が楽しみでなりません。



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