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インドネシアの島めぐり35日目 アンボン島からサパルア島へ渡る
昨日1日無駄にしてしまったが、気を取り直してサパルア島とヌサラウット島への旅にきりかえる。
朝9:00発のサパウラ島行きのフェリーに乗ってサパルア島まで行った後、ヌサラウットへの移動手段を探る作戦だ。
オフシーズンなので船が出ておらず、漁船のチャーター代がかさむかもしれない。
サパルア島のハリア港へ
グラブのバイクで港に向かうと、この運転手はチケットを港の外で買わないといけないことをちゃんと知っていて、建物の前で降ろしてくれた。
そのまま待って港まで乗せて行ってくれようとしていたので、ここから先は歩いていくからと伝えて支払う。
グラブのアプリで彼に高評価を与えたのは言うまでもない。
チケット売り場の人たちは昨日と同じだった。
わたしの顔を見るなり「サパルア行きだな」とチケットを用意してくれた。75,000ルピア(750円)。
今回のスピードボートには外国人がわたしを入れて6人も乗っていた。意外にメジャーなスポットなのかもしれない。
船は定刻の9:00から1時間半遅れの10:30に出発し、11:30にハリア港に着いた。
海が綺麗で素朴な港だ。賑わいもそこそこある。
ヌサラウット行きのフェリー乗り場へ
ヌサラウット行きの定期船があるのか、どこからでるのか全く分からず、その辺にいるおじさんに聞いたら、今日フェリーが出るというではないか。
またガセの可能性はあるが、とりあえずオジェックに港まで連れて行ってもらうことにした。
料金は50,000ルピアという。
わたしの読みは4キロほど東にいったところにあるサパルア港から出ると思っていた。一番ヌサラウット島への距離が近いからだ。
50,000は明らかに高いなと思ったものの、この島の流儀であれば仕方ないという気になり、そのまま乗った。
というのも、わたしはこの島に降り立った瞬間から、この島が気に入り始めていたのだ。空気が違う気がする。
久しぶりに晴れたので、町や木々が色鮮やかに見えたせいもあるかもしれない。
ただ、それだけではなく、道、教会のある集落、ボロいながらいい味が出ているように見える家々、妙にカラフルな町並みが、時間の流れを遅くさせているような雰囲気がする。
いわゆる島に来た感じと言ったら伝わるだろうか。
日本でも島というのは独特の空気感がありわたしは大好きなのだが、この島には島っぽい雰囲気がとてもあるのだ。
ヌサラウットに行くのは明日にして、今日はゆっくりこの島を堪能するのもいいかもしれないという思いと、行ける時に少しでも進んでおかないとあとで後悔するぞという思いが交差しながら、バイクの後ろに乗っていた。
バイクは思いのほか遠くに進んでいる。サパルア港はとっくに過ぎて、島を真北に縦断しようとしている感じだ。
さすがに「ヌサラウットに行くフェリー乗り場に行きたいのはわかっているよね」と確認した。ヌサラウット島からどんどん離れ、むしろ昨日行ったセーラム島の島影が近づいている。
運転手はわかっているから大丈夫だと言いながら、一本道をひたすら進んでいく。いくつかの集落を越え、島の西北にある港に着いた。ずいぶん遠まりしたのは道がないからだろう。
港とは思えないほど海が綺麗でギャップに驚く。まるでシュノーケリングのスポットのようだ。
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そしてフェリーはといえば、ちょうど5分前に出航していた。惜しい!
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次のフェリーはいつなんだと聞くと、土曜日の朝だという。2日後ならまあいい。
サパルア島にしばらくいろというご神託だろう。
連れて来てくれたオジェックのお兄さんに、ホテルまで連れて行ってもらうことにした。サパルア港の近くにいくつかあるそうだ。
それに、サパルア港からは船をチャーターしてヌサラウット島に行く方法もあるようなので、港近くに滞在して明日の朝様子を見ることにしたのだ。
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赤線はオジェックのルート、❌はヌサラウット行きのフェリー乗り場
青マルはサパルア港
サパルアの町
ホテルはPerdana Hotelといい、雰囲気が良い。そして安い。エアコン付きの1番安い部屋で135,000ルピア(1350円)だ。
普通の人からするとボロいじゃないかと言われるかもしれないが、わたしの中では同じボロいでも空気が澱んで病気になりそうなボロさと、新鮮な空気が通り抜けているボロさには大きな違いがある。
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例えば木々や草花だったり、開放的で明るいロビーあるいは共同スペースがあるかなどが影響する。
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それとここは大事なところだが、ビールを安く売っている。
そういうわけで、部屋はボロいが気に入ったのだ。
宿番の女性はインド人に見える。
温泉を探して道に迷い、結局見つからず諦める
ホテルで休んでから温泉に向かう。
オジェックに乗るまでもない距離なので歩いて行き、小さい店で温泉への道を聞く。
ホテルから向かうと、右手に警察の寮、左手奥に教会があるので、教会の左側の道を進む。
道といっても、砂利道だ。
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案内も目印もない。道はそのうち細くなり、南国の成長の早い草木によって消えかかっている。店の店主が1人だと無理かもなと言った通りの難しさだ。
似たような景色の道が複雑に交差し分岐しているので、とても迷いやすい。
私は遠くの山の形を記憶し写真に撮っておいた。
いくら道がわかりにくいと言っても直線距離にして1キロなく、地面もほぼ平坦なので、方角さえわかれば最後まっすぐ突き抜ければいいだけだ。
Googleマップは途中で使えなくなった。道が消えかかっていて温泉までたどり着けない。最後大体この辺だろうというところまで来たのだが、水の音や温泉の匂いがしないので発見できない。
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すると、明らかに人が何か固いものを叩いている音が聞こえてきたので、音のする方に行ってみると、石を採集しているおじさんがいた。
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この人なら道を知っているかもしれないと思って色々聞いているうち、俺が連れていってやるという話になった。
ようやく温泉に行けると思うとホッとした。
ところが、おじさんも温泉への行き方がわかっていない。
明らかにそっちじゃないだろという方にいくし、確信がないまま試しにこっちにいってみようという感じなのだ。
ナタでばっさばっさと枝を切り落としながら進むが、ゴールに近づいている感じがまったくしない。
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これは明日ちゃんと場所をわかっている人間を探し出して出直そうと思い、おじさんに戻ろうというのだが、おじさんは絶対に温泉を探すんだというモードになってしまい、道なき道を重い石を肩から背負い、ビーチサンダルで歩き続ける。
最後、大きい温泉という茶色い土が剥き出しの場所を遠くから眺めただけで諦めてホテルに戻ることにした。
ホテルの人たちと話すと、温泉が枯れて浅くしかお湯がたまらなくなったから閉まっているんだと言っていた。
確かにおじさんも草木がシゲって道が消えたと言っていた。もう誰もいかなくなって道が無くなってしまったのかもしれない。
夕食はお気に入りのイカンバカール(魚の炭火焼き)屋でビールと共にイカの塩焼きをいただく
ひなびた町並みの良くないところをあえてあげると、店の選択肢がないことだ。バクソ、ソトアヤム、ミーゴレン、ナシゴレン、というバンドンと同じ食事でかつバンドンより高く味もいまいちという、納得のいかないモヤモヤ感が残る。
そしてインドネシアの場合、ほぼビールは期待できない。
ところが、この町はひなびているにも関わらず、観光客が喜びそうな店構えのイカンバカール屋があり、さらにはビールを安く売っているという滅多に起きない事象が発生している。
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わたしにとってはハマりすぎて怖くなったロテ島以来の出来事だ。ロテ島のように時間は止まっておらず、人々の生活感はあるので、怖くなるところまではいかない。
わたしはイカを塩だけで焼くよう特別な注文をして、ビールと共にいただいた。これが缶ではなく瓶ビールならパーフェクトだった。
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サテアヤムを塩だけで食べたいと特別な注文をして、結果として「サテ・タイちゃん」という新たな料理を生み出すことになった伝説の日本人「タイちゃん」の真似をしたのだ。
今日はよく寝られそうな気がする。