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バンドンでビールを売っている場所を探し彷徨う。

ジャカルタ駐在時代、ビンタンビール(ビンタン=星の意味)というブランドのビールが1缶10,000ルピア(当時のレートだと100円強)、安い時で8,000ルピア(80円強)で売っており、箱買いして毎日飲んでいました。
常夏のジャカルタにはぴったりの味で、本当に大好きでした。

10年以上前のジャカルタの話になりますが、ビールはそれこそどこでも売っており、住んでいたコンドの1階にあるコンビニでも売っていたし、近所のスーパーでも売っていました。逆に売っていない店の方が珍しいくらいのイメージです。

ところがバンドンに来てみると、どこの店に行ってもビールが売っていないのです
新しい町に住むと、必要なものがどこに売っているかわかるまでに時間がかかるのが常なので、そのうち分かるだろうと気軽に構えていましたが、本当にどこにも見当たらないのに困りました。

大学に教えてもらった外国人がよくいくスーパーマーケットに行ってもないし、ロッテマートに行ってもない。
もちろんコンビニも見るたびに入ってみましたが、一切ビールが売っていない。
ローソンに入ったときに、「ビールは置いていないのか」と店員に聞いたところ売っていないというので、「では他に売っているところを知らないだろう」かと聞いたら、明らかに戸惑った様子で、「Kurang tahu(よく知らない)」との返答でした。

いったいどうしてしまったのだろうか。

ジャカルタと学生の町バンドンの違いなのか、あれから10年以上経過してインドネシア人のアイデンティティーと宗教心が確立されアルコールに厳しくなったのか。

大学のオリエンテーションがあったので、そこに参加していた明らかに華僑の顔立ちをした大学院生に、おそらくキリスト教徒だろうと思いながらも、「あなたがムスリムだったら大変失礼なのだが、このあたりでビールを売っている店を知らないか?いろいろな店に行ったのだが、どこにも見当たらないのです。」と聞いてみたら、「私はビールを売っている店を知らないがビール好きの友達に聞いて進ぜよう。店がわかったらWhatsAppで送る。」と受けあってくれ一安心。
やっぱりこういうことは自分でじたばた動くより、地元に人に聞くのが一番ですね

しばらくすると連絡がきてバーの場所を教えてくれました。「いやバーに行きたいのではなく、自分の部屋で寝るまえに冷えたビールを飲みたいだけなのだ」と伝えたところ、
バーなのだが、ビールを売っていて、持ち帰ってもよいしその場で飲んでもよい」というスタイルのようです。
思い描いていた店とは違うものの、Google先生やGoogle mapで確認しても、明らかにバー兼売店タイプしか出てこないので、まずは行ってみようと思い出かけてみました。

15時オープンなのに張り切りすぎて13時に着いてしまい、暇つぶしにあたりを散策していたところ、ジャカルタ時代によく行っていた美容院「Jonny Andrean」がありました。しかも研修センターを兼ねている特別価格(安い)の店舗です。
さっそく時間つぶしを兼ねクリームバス(日本だとヘッドスパというらしい)を受けに行きました。私は丸坊主のくせにインドネシアのクリームバスが大好きで、クリームバスの話はあとで記事にします

ビール屋の話に戻すと、クリームバス後でもまだ14時。開店前の店の様子を下調べしておこうと思い、店の敷地に入りそこにいた警備員に話しかけると、店はもうやっているようです。
指さす方を見ると、真っ暗な部屋のドアが半分ほど空いており。ガラス窓を通して飲料用冷蔵庫の光がうっすらと見えます。
いかがわしいものを世間体をはばかりながら売っている雰囲気がする店です。
どうしてこんなことになってしまったのか?

店の中に入ると、暗闇の中におじさんが独り座っていました。
ビンタンビールは1缶38,000ルピア(350円)、小瓶38,000ルピア、大瓶55,000ルピア(500円)ととんでもない値段になっているではないですか。昔の4〜5倍に跳ね上がってます。
よく見るとどうやらワインもあるようです。値段を聞くと100,000ルピア(900円)。うまいのか聞いたところ「Manis(甘い)」とのこと。いかにもまずそうな感じのいい方だったので、やる気のない店なのか、正直な店主なのか、いずれにせよ買うのはやめておきました。

こんな高い値段のものを買うのはどうか迷いましたが、せっかくここまで来たのだし、Noteの記事にもなりそうだからと、常温のビンタンビールの小瓶を2本買い、冷えた小瓶1本をテラス席に行き一人で飲んでみました。
味の方は、昔の記憶が美化されていたのかもしれません。こんなにまずかったか?という味です。

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別の店にも行ってみることにしました。
もっと安く売っている店があるかもしれないし、なによりもバンドンでのビンタンビールとの出会いが気まずい感じになり、そのせいで味もまずかったのかもしれず、わたしの美しい思い出を取り戻したかったのです。

別の店にいってみると、もう少し開放的な雰囲気で、若い男性2人と女性1人がにこやかに応対してくれました。
冷蔵ケースの値札を見ると、ビンタンビールは1缶28,000ルピア、小瓶も28,000ルピアで、前回の店より10,000ルピアも安いです。ビンタンビールの大瓶は売っていませんでしたが、その代わりKuda Putih(白い馬の意味)というウイスキーのブランドWhite Horseをマネしたかのようなネーミングのビールが売っていました。38,000ルピアです。
ビンタンビールとどっちが美味いのか聞いたら、同じだとの答えでした。こいつ多分飲んだことないなと思いつつ、ものは試しで買いました。

向かって左よりKuda Putih,ビンタンビール小瓶、ビンタンビール缶

部屋でシンコンチップス(ジャガイモではなくタロイモのチップスで安い)をつまみにビンタンビールの小瓶を飲んだところ、とても美味しく感じました。

違法な雰囲気漂うなかで緊張しながら飲むのと、部屋で落ち着いて飲む違いで、おそらく気持ち的なものとは思いますが、まずは自分の記憶が正しかったことを証明できたのはよかったです。

どの店に行ったのか書いてしまうとと営業妨害になりかねないため、私がネットで探したビール屋の名前だけアルファベット順に書いておきます。

Beer Boss Indonesia Bandung
Beermart
Beer Store


つまみのシンコンチップス
店内の様子(開放的な方)
冷蔵庫の様子(高い方の店)


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