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スマラン観光 5日目 近郊の街Kudus(クドゥス)へ行く

クドゥスはスマランの東60キロほどのところにある、特に目立つところのない普通の街に見える。

だがここはインドネシアを代表するタバコ、クレテック(丁子タバコ)発祥の地だ。
クレテックタバコの話はNetflixのドラマになり、ちょうど一年くらい前にインドネシアで話題になっていた。
邦題はシガレットガール、原作はGadis Kretekという。

日本で流行ったか不明ながら、世界中で配信され多くの国でヒット作になったらしい。インドネシアとマレーシアでは1位になっている。

この街にあるタバコ博物館を見に行こうと思っている。

それと、Kudusといえば、ソトクドゥスが有名。これを本場で食べてみたいというのもクドゥスに行く理由だ。


朝シンパンリマを走る

シンパンリマというのはスマランで1番賑わっているエリア。真ん中に周囲800メートルほどの長方形の公園があり、この周りを走る。

この道路は時計回りの一方通行で、そのためランナーもバイカーも時計回りに走る。
これまでのランニングコースと違うのは、ここは自転車がとても多く、かつかなりのスピードでビュンビュンと周回道路を飛ばしている。

車の量はそれほどなく、道も混み合っていないのでとても走りやすい。

クドゥスへの行き方

スマランのあちこちからバスが出ている。
バスはトラベルと言われるバンタイプで、たいていトヨタのハイエースが使われる。

1時間強の乗車時間で8万ルピア(800円)
チケットはトラベロカ等のオンラインで購入する。

わたしは宿から比較的近いMixueという中国系のジュース屋の前を出るトラベルにした。
クドゥスではマタハリデパートに着く路線だ。

名物ソトクドゥスを食べる

まずは昼ごはんを食べることにして、街で1番有名なソトクドゥスの店にやってきた。
Soto Kudus Bu Jatmiという
BuはIbuの略称で年上の女性への敬称なので、「ジャトミおばさんのソトクドゥス」という店だろう。夫人はニョニャ(Nyonya)になるので、おばさんが近い。

とても回転が良く、席はすぐに空く。
わたしはカウンター席にした。目の前でおばちゃんが素早く手づかみでトッピングをしているところを見ることができる。

メニューは鶏か肉の2種類しかない。
わたしは店内の客の食べている物や注文の様子を観察し、この店は肉が人気だろうと見当をつけ、肉(ダッキング)を頼んだ。
出てくるまで30秒かからない。

肉多めで嬉しい

肉は牛肉に見える。何肉か聞いてみたら、なんとクラバウ(水牛)とのこと。
今まで知らずに食べたことはあるかもしれないが、知って食べるのは初めて。
調理方法がいいのだろう。とても柔らかい。

インドネシアでは牛(サピ)と水牛(クラバウ)は明確に区別され、わたしが間違って水牛のことをサピなどというと、すかさず「違う!(ブカン)クラバウ」だと訂正される。

この店もご飯を最初から器に入れ、上からスープをかける方式だ。
具は、ご飯、肉、もやし、ネギだけ。とてもシンプル。

スープは意外にさっぱりしているが、香辛料がたくさん入っている気がする。辛いというわけではなくスパイスの味がする。

インドネシアで最も古いモスクに行く

クドゥスには、ジャワ島に9つあるといわれるイスラムの聖地のひとつがあり、このモスクが聖地にあたる。
寺院の周りは門前町になっていて、土産屋、イスラムの本屋、食事どころが立ち並ぶ。

モスクの横に、これまでみたことがないタイプのレンガ作りの建物があり、ムナラ・クドゥス(クドゥスの塔)といわれている。
寺院の入り口はヒンドゥーの割れ門で、元々はヒンドゥーの寺院だったのかもしれない。

今日は何かのイベントがあるようで信者たちで混み合っている。

わたしはよくわからないまま、信者たちの流れに身を任せ、寺の奥に入って行った。
どうやらそこは墓地のようで、そこここでお祈りを捧げている人たちがいる。

そして、1番奥には布をつけられたひときわ大きな墓があり、車座になった人たちが熱心にコーランを読んだり、お祈りを捧げていた。

【追記】バンドンに戻り調べた結果
9つの聖地とは、9人の聖人と関係している。
9人の聖人の一人がSenan Kudusで、1530年にこの寺院を建立したと言われる。
彼のお墓はこのモスクにある。おそらく布がかかりたくさんの人がお祈りをささげていた場所がそうなのであろう。

ジャワにイスラムが上陸したポイントはスマラン、ドゥマクあたりのジャワ島北岸のため、このあたりに9つの聖地は集中している。
インドネシアで最初にイスラム化が進んだのは、スマトラ島のアチェのあたりにあったサムドラ・パサイ王国。

クレテック博物館

クレテックというのは丁子(グローブ)入りのタバコのことで、タバコに火をつけるとパチパチいうことから、クレテックとなった。
インドネシア人にはパチパチはクレテッ、クレテッと聞こえるのだ。

クレテックを発明した人はジャムハリというおじさんだ。

病弱な人だったようで、慢性の肺病を抱えていた。
ある時、胸が苦しいので胸にクローブの油を塗ったところ、かなり楽になり、それならばと今度はクローブを口に入れたらもっと良くなった。
そこで、クローブの入ったタバコを吸うことを思いつき、作ったのが始まり。

最初は薬として売られたと書いてある。

インドネシアにおけるタバコの歴史
タバコの原産地は南米、西インド諸島で、インディオたちは薬として嗜んでいたという
インドネシアにはポルトガルによって1601年に持ち込まれた。

タバコの葉には等級がある。
葉の位置が重要らしい。
1番下の地面に近い葉は、葉が薄くニコチン成分が低いため、1番低いグレード1になる。

1番等級が良いのは1番上の葉で、茎がしっかりとあり、ニコチン成分が高い。

シガレットガールにででくる主人公の恋人のモデル
インドネシアのタバコ会社で最大手のジャルム(Djarum)の創業者がモデルだと言われている。
わたしはクラスメイト達から聞いた。
ドラマは本当にあった話なんだというのだ。

今回彼の写真を見て確信した。ただの色男とは違う、精神力の強さが見た目に現れている。

他にも面白い展示があった。

タバコは秘伝のソースがあり、味が変わるらしい
タバコの葉は元々乾いたトウモロコシの皮で巻いていた
紙巻タバコの装置
昔のタバコ売り

スマランに戻る

見どころがありそうで限られた街だった。3時間ほどで見終わってしまう。
わたしはスマランに戻ることにし、バスを予約した。

17時半の出発まで、近くのモールで時間を潰す。
マタハリグループの展開するハイパーマートがスマランにはまだ残っている。
かつてインドネシアの都市部を席巻したが、オンラインショップで物を買うようになり、週末のエンタメ性ではイオンモールに負け、今は見なくなった。

授業でも時代の変化に対応できなかった企業の例としてよく名前がでる。

スマラン最後の夜はバーで生ビールを飲む

ウイスキーの種類がかなり多いバーだった。
飲むか迷いながら、高いのでやめてビールにした。
ビールは輸入物しかない。せっかくなのでハイネケンの生ビールにした。
こんな細かい泡のビールを飲むのは、おそらく日本を出国してから初めてだ。最後の生ビールはJALのラウンジのセルフの生ビールだった。

本当に美味しく感じる。

バーテンダーは若い女性で、バーテンダーだけあってウイスキーの知識も豊富で勉強熱心。
インドネシアは酒が高いので、気軽に試飲できず、飲んだことはないが知識として知っているものが多い。

棚にハイランドパークが置いてあるのを見つけて、メニュー表で価格を調べようとしたらアイランズのところに載っていない。
聞くと、名前からてっきりハイランドものと思いハイランドのところに載せていた。

日本のウイスキーもニッカのカフェモルトを置いているなど、かなりマニアックな品揃えだ。
ミズナラのウイスキーはどんな味と香りをしているのか聞かれ、飲んだけどよく分からなかったと答えた。お香のようなスパイシーな香りがすると言われていて、本当なのか気になっているそうだ。

明日はスマラングルメを楽しんだあと、昼過ぎくらいにバンドンに帰ろうかと思っている。

クドゥスの観光地

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