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スマラン観光 4日目 温泉に入り、アンバラワからスマランに戻り市内観光
朝は走る。
論文の最終提出と期末試験で1週間走らなかったので、久しぶりに走った。
まず向かうのは展望台
坂がきつく歩いてしまおうかと思いながら結局走り通した。
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このせいで足がだるくなってしまい、1時間の予定を45分で切り上げた。
ふもとの村の様子。朝から活気がある。
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ホテルの朝食
雰囲気の良い離れにある建物でいただく。
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食べ物はインドネシア料理が中心で辛いけどうまい
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ソトアヤム(鶏スープ)にそっくりなソトスマランもあっていただく
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結構とりすぎてしまった。
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ソトスマランについては、別途スマラングルメ特集の記事を書く時に、詳しく書きたいと思うので、ここでは簡単に。
具はソトアヤムと同じ
カレー味はしない代わりに、チェンケ(クローブ/丁字)と胡椒の風味がする
その分、コンソメスープのような西洋的な味付けになっている
わたしはかなり気に入った
ナシ・クチンというスマラン料理を食べる。
日本語に訳せば猫マンマ。
日本の猫まんまは、ご飯に味噌汁をかけるか、鰹節と醤油とご飯か、いずれかだが、インドネシアの猫まんまはもう少しちゃんとした料理で、インドネシア人の猫好きが現れているように思える。
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デザートタイム。粉コーヒーと一緒に。
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今日はクリスマス
クリスマスツリーが飾られている。
真夏のクリスマスツリーはこんな感じだ
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温泉めぐり
今日は3つ回る予定にしている。
一つ目はDerekan(デレカン)温泉
川沿いに湧く温泉で、とても混んでいる。
浴槽は全部で3カ所あり、少なくとも1つは足元湧出だ。他は入らなかったのでわからないが、湯口が見当たらなかったので足元湧出の可能性がある。
駐車料込みの入場料2000ルピアを払い、浴槽に入るのにまた5000ルピア払う。全部で80円くらい。
お湯はぬるま湯で、37度くらいと思われる。
地元の人たちはアイルパナスではなくハンガットと言っていた。パナスは熱い、ハンガットは暖かい。
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底からふつふつと湧き出るアブクが上からはっきり見えるくらい、大量に湧き出しているようだ。色は茶色い。
早速入ってみると茶色は湯の花のようで、硫黄成分が入っていると書いてある。
口に含んだ感じはかなり成分が濃く、香りもする。硫黄泉まではいかないと思うが、ナトリウム炭酸水素塩泉の可能性が高い。
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良い温泉だと思う。
係の人に温泉の歴史を聞いてみると、この施設ができたのは20年前で、その前のことはよくわからないとのことだった。多分昔からあったと思うと言っていた。
その根拠として彼は「すぐ近くにある寺院が1500年前からあるので、その頃から温泉に入っていたんじゃないか」と言う。根拠としては弱いがロマンを感じる。
わたしはその寺院を見に行った。Ngempon寺院という。
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川の対岸にあり、橋を渡ったところだ。目と鼻の先なので、確かにおじさんの説はあり得る。グドゥンソンゴにも温泉があったように、温泉が先にあり、温泉に神秘性を感じて聖地になった可能性だってある。
バンドン近郊にも地獄谷のようなヒンドゥ教の聖地があり温泉に入れる。
日本でも鳴子温泉の言い伝えで、大地震後に突然温泉が湧き出し、人々が神を感じてそこに温泉神社を建てたと記録に残っている。日本各地の古い温泉にはたいてい温泉神社があるのだ。あるいは、僧が温泉開発を行い、寺を建てるケースもある。寺湯という。
同じ人間なので、地面からお湯が沸き出れば神の御業(みわざ)と信じてもおかしくない。
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二つ目の温泉はDiwak(ディワック)温泉
最初の温泉を上流に200メートルほど行ったところにあるが、川は急流で道がないため、ぐるっと回らないといけない。
この温泉もまあまあ混んでいる。
料金はさっきと全く同じ。
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早速入ってみると、とても似た温泉だ。すぐ近くだから当たり前ではある。そして、ここも足元湧出温泉。なんと贅沢なんだろう。
浴槽は3つあり、いずれも足元湧出。汲み出すだけで入れない湧出口もあり、ここは井戸水を汲むようにタライを下げてお湯を取って体にかける。
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ここは狭いのでその分だけ温度が若干高い。38度ないくらい。
地元の人と話すと、熱源はムラピ山だと言っていた。ちょっと距離があるのでよくわからない。むしろ昔の火山の熱が地中残っていて熱せられて地表に出てきた可能性の方が高いんじゃないのか。
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今日中にバイクを返さないといけないので、あまりゆっくりはできない。
三つ目の温泉に向かう。
Bleng Kaliulo(ブレンカリウロ)温泉
事前に調べた時は、温泉水を料理に使うと書いてあったので、とても興味を持っていた。
これまでインドネシアの温泉をたくさん回ったけれど、飲泉や温泉卵はあっても、料理に温泉を使うのは出会ったことがない。
日本ではある。温泉で豆腐を作ったり、ご飯を炊くなどだ。粥もある。
温泉は危うく通り過ぎるところだった。
田んぼの景色が広がる中に、忽然と現れる。
おそらく気づかない人が大半だろう。
実際に誰もおらず、誰も来なかった。
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横に小屋があり、おばちゃんが1人作業をしている。
お湯に入ってはいけないのか聞くと、料理に使うからダメだという。やはり本当だったんだ。
わたしはお湯を触ってみた。完全に冷めた温泉だ。30度くらいだろうか。
ペットボトルにお湯を入れ飲んでみると、とても不思議な味がする。
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まず塩分がある。強塩泉まではいかないレベル。
そして炭酸が入っているようなちょっと苦いような感覚がある。
初めて口にする味だ。
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なかなか充実した温泉巡りだったなと1人満足してスマラン市内に向け出発した。
雨が本格化する前になるべく進んでおきたい。
途中、木が整然と植えられている広大な森を通り抜ける。
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同じ種類の木を人工的に植えたのが見て明らか。プランテーションとすればゴムじゃないかと思い、作業員風の男性を見つけ聞いてみると、やはりゴムだった。インドネシア語でゴムはカレットという。
スマラン市内観光その1 サンポーコン寺院(三宝洞)
鄭和が瞑想したと言われる洞窟を、鄭和の幼名「三宝」にちなみ三宝洞と呼び寺院になっている。
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インドネシア最古の寺院とされる。
元はイスラム教徒だった鄭和にちなみイスラム寺院だったのに、華僑たちが勝手に仏教寺院に変えてしまったという歴史がある。
宗教に寛容なインドネシアならでは。中東ならこの寺はとっくに破壊されモスクにされていたはずだ。
わたしが是非みたいと思っていたのは、鄭和のこもった洞窟。ここには聖水(インドネシア語でSuciスチ)があるらしく、それも飲みたいと思っていた。
わたしのクラスメイトにスチという女性がいて、それで覚えた単語だ。
洞穴に行くには追加料金を払わないといけないが当然だろう。
1番大きなお堂の裏側の崖がコンクリートで固められ、レリーフでゴタゴタと飾られている。
わたしはなんだか嫌な予感がした。
インドネシア人も中国人も物質文明好きで、なんでも人工物でコテコテにしてしまう。
洞穴もコンクリートで固められている可能性大だ。
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ここだと言われ、ガラスのドアを開いて入ってみると、大きな部屋になっていた。正面に仏像あるいは鄭和像が鎮座している。
わたしは洞窟(インドネシア語でGuaまたはGoa)はどこか聞いてみた。するとここが洞窟だという。
洞窟ではない。クーラーの効いた部屋だ。
とてもガッカリした。
聖水はこの部屋の中にあり、どうやら井戸が掘ってあるようだ。
水を井戸から掬って飲ませてくれれば良いのに、すでにくんである水をディスペンサーからプラスチックコップに入れていただく。
風情に欠けるが、聖水には違いなくありがたくいただいた。味は普通に美味しい水だった。
撮影禁止場所なので中の写真はなし
悪口になってしまうが、精神性が低い文化が得てしてこうなる。想像力に欠けており、分かり易くしないと価値が理解されないのだ。
インドネシアのドラマはやたらと、人物が心の中で考えていることをナレーションで説明している。これも近い。
日本人の精神性が将来損なわれることがないよう願う。
スマラン市内観光その2 Lawang Sewu (ラワン・セウ)
ジャワ語で1000の扉を持つという意味を持つスマランを代表する建物
東インド会社時代の鉄道会社の本社として使われ、今はインドネシアの国鉄の所有物。
ここが博物館として開放されているので行ってみた。
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日本占領時は、この建物の地下を牢屋として使っていたと聞き、是非見てみたいと思っていたのだ。
この建物は鉄道の歴史の展示もしている。鉄道博物館が正式な位置付けなのだ。
ここは元々駅だったという記載をよく見るが説明には違うことが書いてある。
スマラン駅にあった本社フロアが手狭になったので、新たに離れた場所に本社ビルを建てることにしたのが事実のようだ。
1番の見どころは壮麗なステンドグラス。
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外光を目立たせステンドグラスの色を鮮やかに見せるためであろう。この周りはわざと暗くしている。
そのため、心なしか気味悪く、ひんやりした空気と共にこの建物の穢れた歴史を否応なく感じさせる。
地下の牢獄で人が刑死しているのだ。幽霊が出たって不思議じゃない。
2階に上がると、千の扉の異名をはっきりと感じる。なかなかに良いデザインだ。
写真好きのインドネシア人たちは何枚もポーズを変えながら撮る。
わたしは彼らが映り込もうが気にならないのだが、撮影の邪魔にならないよう横切るのを待つのは面倒だ。
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わたしは建物を隅から隅まで歩き、地下へ抜ける階段や扉を探した。
どうしても無いので係の人に聞いたら、特別料金を払い地下ツアーに参加しないといけなかった。
もちろん参加した。
撮影は禁じられている。心霊写真が撮れてしまうからか、スマホを足元に溜まった濁り水に落としてしまうからか、とにかく写真はない。
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地下は天井が低く、半地下に近い。
床は水が数センチ溜まっているので、長靴をはいて進む。
天井が引く頭をぶつけそうになるからヘルメットは必須。
壁に正方形の穴がところどころ空いており、通気口と明かり採りを兼ねている。
外から見るとこんな感じだ。
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インドネシア語の説明は残念ながらほとんど分からず。
しかし、こんな不快な場所を刑務所にするとはなかなか残忍ではある。
懲罰房だったのだろうか。
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スマラン市内観光その3 Tugu Muda Semarang(スマラン青年の塔)
ラワン・セウの横にあり、スマラン事件の記憶を風化させないために建てられた。
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スマラン事件とは、日本の敗戦後に日本軍の武器引渡しを求め暴徒化したインドネシア人の若者と日本軍が戦った出来事を指し、日本側はスマラン事件、インドネシア側は5日間戦争という。2000人以上が亡くなったと言われ、非武装の日本人も大量に殺されている。
敗戦時の混乱はインドネシア中で起きているが、ここまで大規模なものはスマランだけだ。
本日の宿
シンパンリマというスマランで1番賑やかな場所にした。
夜の様子を見学したかったのと、朝シンパンリマの広場の周りを走りたかったのだ。
近くのバーでビールを一杯だけ飲んで寝ようと思う。
明日はネットフリックスでヒットしたインドネシアのドラマ「シガレット•ガール」の舞台、クレテックタバコ(丁字タバコ)の発祥地、クドゥスの町に行く予定です。
日帰りにするか、泊まりにするか、悩ましい。