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インドネシアの結婚式ってどんな感じ?

週末にバンドン工科大学の同級生の結婚式に参加しました。
前回ジャカルタに駐在していたときは、仕事関係で結婚式に参加することが何度かありましたが、友人関係の結婚式は初めての経験になります。

インドネシアの結婚式がどのようなものかは、すでに多くの方々が書かれているので、何か価値ある情報を加えられるか若干自信がありませんが、書いていきたいと思います。


■ インドネシアの結婚式は日本とは比較にならないくらい参加者が多い

今回の参加者は2,000人と聞きました。わたしが今まで出たなかで一番多かったのは3,000人です。ジャカルタのムリヤホテルで開かれたシナールマスグループとリッポーグループの一族同士の結婚式です。
本物のパワーカップルです。

そんなに座れるの?と思われると思いますが、基本立食形式で、新郎新婦と彼らのご両親にご挨拶して帰っていきます。握手をするために長蛇の列ができます。

帰るときは車がなかなか出ないので大変です。みんなが運転手を呼び出しているわけですからね。
今回わたしはバイクタクシーだったのでその手間はなかったです。

■ 16年前の結婚式と変わっていたこと

最後にインドネシアの結婚式に参加したのは2007年だったと思いますので、そこから16年経過しています。
スマホが普及したのと、案内がデジタル形式になったこと、映像編集が簡単になったためでしょう、映像が多用されている印象です。

映像制作はPolar Story of Frameという会社に頼んでいました。インスタを見ると過去作品がたくさん載っているので、インスタをやっていれば見てみてください。雰囲気は分かると思います。

結婚式の会場に写真撮影できるコーナーがあり、熱さを感じるほどまぶしい照明に照らされながら撮影してもらえるので、女性陣が写真撮りたいと言ってみんなで撮りました。その場でプリントしてもらえます。
しおりみたいな感じですね。

このサービスはさっきのとは別の会社で、Flut Story Photo Boothという会社です。
過去の作品が載っていますが、こっちはTikTok系のノリですね。
もともとインドネシア人は写真が大好きですから、同じ場所で1,2回撮影するのでは飽き足らず、ポーズを変えながら何度も写真を撮ります。
この写真好き文化と結婚式のようなイベントものは非常に相性がいいです。

結婚式の受付は、昔は結構アナログだった記憶があります。新郎新婦の友人たちが受付を手伝っている光景が思い出されます。

今回のインドネシアの結婚式は、新婦の友人ではなく明らかにプロのスタッフがiPadみたいなタブレットに打ち込んで登録していました。
また、そのタブレットで毎回登録した人を撮影していました。どんな仕上がりになるのか分かりませんが、顔写真入りの参加者リストが作られるのではないでしょうか。

ある程度の集団になると新郎新婦への挨拶はグループで行い、そこで集団撮影をするというやり方にしていました。われわれITBの学生も結婚している人間はパートナーを連れて撮影に参加しました。

昔の記憶だとただずんずん流れていった記憶しかありません。↓の写真のような感じです。

来場者が壇上の新郎新婦に挨拶する列の流れ

■ 豪華な結婚式

インドネシアは貧富の格差が激しいため、結婚式もピンキリです。今回は特別豪華な結婚式でした。

文字通りの花道 正面のステージに新郎新婦

豪華なホテル会場で行う
ホテルの宴会場を貸し切って行います。ホテルの格と、宴会場がどれだけ広いかによって、結婚式の格が変わってきます。たぶん日本も昔はこんな感じだったんでしょうね。
ジャカルタでいえば、当時一番大きい宴会場はムリヤホテルの宴会場3つをつなげるパターンでした。
クレーン車のような巨大な撮影装置が会場に据え置かれ、そんなにぐるぐるしたら危ないだろというくらい活発に動いていました。

クレーンの下で挨拶の列をなす人々

今回のバンドンのプルマンホテルの会場も、ムリヤホテルに匹敵するくらい大きい会場に見えました。クレーン車のような撮影装置は今回も登場。
今回の会場は天井が高い分、さらに迫力がありました。

食事がふるまわれる
ビュッフェ形式になります。
わたしは結婚式以外にも仕事関連のパーティーに参加する機会があったのですが、ビュッフェの中身としては、結婚式だから何か特別な料理が出るわけではありません。
おそらく料金によって松竹梅があるだけと思います。豪華になればなるほどバラエティーが豊富になったり、コックさんがその場で調理したりよそったりするコーナーが増えます。

今回は有名店のコーナーができてました。ステーキ屋のブースとか。

昔の情報で申し訳ありませんが、わたしがジャカルタでパーティーに出ていたときは、寿司職人と天ぷら職人が登場したら金がかかっている証拠と判断していました。

飲み物はノンアルコール
これは昔から変わりません。結婚式がノンアルコールというのはインドネシアの宗教事情を考えれば当然としても、宗教色が薄れるビジネス関連のパーティーでもアルコールは出ません。

種類は水、紅茶(フルーツの輪切りが入っているのでフルーツ味になって甘い)、各種ジュースと比較的シンプルで、温かい飲み物はありません。なのでグラスの種類は一つだけです。
オペレーションを回すための対応と思います。

疲れた人が座るところは用意されている
若者ばかりでなく年寄や子供もいるので、疲れてしまった人が休めるように椅子を用意してあるコーナーがあります。
今回の結婚式ではじめて見ましたが、新郎新婦のご親族席と、VIP席が用意されており、そこは日本のような円卓がありました。
いくらVIPでも、食事と飲み物はセルフです。

しかし新郎新婦、新郎新婦のご両親はずっと立ちっぱなし
2000人もの来場者が列をなして挨拶に来るわけですし、記念撮影をせがまれますので、最初から最後までずっと立ちっぱなしです。
わたしも最初から最後までいたわけではなく憶測も入りますが、わたしが会場についた19:30から会場を出る21:30まではずっと立っていました。

これは相当つらいと思いますよ。あちこち動き回れるわけではなく、ステージの真ん中にじっと立っているわけですから。それに来場者と会話して握手してをずっとやり続けないといけません。
しかもライトが燦燦と照り付けているので、相当暑いと思います。

その間飲み食いは一切していないと思います。飲み物くらいは飲むかもしれませんが、トイレに行きたくなると困るでしょうから、我慢しているかもしれません。

本当にご苦労様です。特にご高齢のご両親ですよね。たぶんわたしと同じかちょっと上くらいのご年齢と思います。
クラスメイトで父親がわたしと同い年というのが結構いるので、だいたい父親が20代後半のときに子供をもうけていることになります。

服装
男性はバティックとスーツのいずれかです。女性の服装はバティックなのかドレスなのか、わたしの知識不足でよくわかりませんでしたが、とにかくきれいな恰好をしています。

今回は新郎新婦ともにお家が軍人一家で、かなりの高位に登りつめられた方々とお聞きしました。新郎はお父上のあとを追い軍人になられています。

そのためでしょう、軍服姿の若者が多数参加していました。肩にTNIという刺繍が入っています。Tentara Nasional Indonesia(インドネシア国軍)。
みなさん立派な体格で、あと姿勢がいいですね。

インドネシア軍はインドネシア警察と違って高潔ですから、信頼されています。ビジネスの世界で、ヤクザにたかられてトラブルになったとしても、最後軍隊が出てくれば大丈夫です。ヤクザは警察は見くびっても軍隊に反抗することはありません。
わたしは軍隊のお世話になったことは幸いありませんでしたが、知り合いの日系企業はヤクザ同士の縄張り争いに発展し、軍隊に出動してもらっていました。
事情をよく知らない日本人駐在員が、ローカルスタッフの言うことを聞かずに工場の廃棄物をより高い価格を提示した方に売ったところ、意図せず縄張り荒らしを誘発してしまったという背景です。
行為だけ見れば正しく、正義感から動かれたと思いますが、世の中はもっと複雑なんですね。

音楽は生バンド
歌詞が全く分からないので間違えている可能性はありますが、結婚式だから特別な曲を演奏しているようには見えませんでした。
普通の激しめの曲で、参加者たちが無意識のうちに身体を動かしてしまうくらいのノリのいいやつです。コンサート会場かというようなバカでかいスピーカーで腹に響くくらいの低音を鳴り響かせます。

わたしが今まで参加した結婚式はもうちょっとおごそかな曲が流されていて、生演奏ではなかった記憶があります。記憶違いかもしれません。

ビジネスパーティー、特に何かの商品のお披露目のときなんかは、今回みたいなノリノリの曲を生演奏してました。

偉い人は来るのか
日本でも政治家が来て挨拶したり、有名人が来たりとかありますよね。今回はたくさん来ていたらしいのですが、わたしの知識不足でよくわかりませんでした。
唯一認識できたのがユドヨノ元大統領の息子さんでした。元大統領ご本人はいらっしゃいませんでした。息子さんはお父さん譲りの立派な体格で、ひときわ目立っていました。
うちのクラスメートたちは一緒に写真を撮ってもらっていました。何大臣かわかりませんが、次の内閣で大臣になるのは確定らしいです。

ユドヨノさんも元軍人ですからね。わたしのジャカルタ駐在時は大統領候補は元軍人だらけでした。
今のジョコ大統領は初めての非エリート、非軍人の平民出身者です。

■ 日本の結婚式はどんな感じなのと聞かれ答える

こんなにゴージャスじゃない。日本だと家族だけでやる人も多いし、パーティーをやる場合でも100人から多くても200人だ、という当たりさわりのない返答をしてしまいました。
個人的に結婚式にあまり興味がないので、残念ながら大した話をするほどの知識もありません。

そもそも日本の伝統的な結婚式って何だろう、時代劇でよく見るやつは史実に基づいているのか、いつから披露宴をやるようになったのかと気になり部屋に戻ってから調べるとおもしろかったです。

ウィキペディアをサクッと読んだだけですが、今の神前式スタイルは明治以降に定着したようですね。1900年に皇太子(のちの大正天皇)が神前式を行い、庶民の間でわたしたちもやりたいと反響を呼び、東京大神宮がそれらしいやり方を考え出したと書いてありました。
昔から日本人は変わらないですね。

そうなると、キリスト教徒でもないのに神父の前で結婚を誓うというスタイルがいつからできたのか気になるところです。
同じくウィキペディアによれば、1970年代にタレントが軽井沢でキリスト教式の結婚式をするようになって流行り出した説があるようです。なるほどですね。

わたしがインドネシアの結婚式を振り返り思ったのは、おそらくインドネシアでも、誰か商売上手な人がいろいろと考えだしているのだろうということです。
ジャワの王族のような髪型や服装をよくみかけるのも、日本人が1900年に皇族の神前式を見てあこがれたように、インドネシア人も王族の結婚式を見てあこがれているのかもしれません。

クラスメイトは新婚旅行にでかけてしまったのか、授業に出てきていません。このまま学校をやめてしまうのか、だれか事情を知らないか、ほかのクラスメイトに聞いてみよう。

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