サッカーワールドカップ予選をインドネシア人に囲まれ観戦する
11月15日はジャカルタでインドネシア対日本戦がありました。
わたしはクラスメイトの家族の経営するカフェで観戦しました。
寮の日本人2名はチケットが手に入ったみたいで、朝ジャカルタに向けて出発してました。チケットは速攻で売り切れていたのに、よく手に入れたなと思います。
サッカーはインドネシアでもっとも人気のあるスポーツです。
国内リーグは盛り上がり、スタジアムで暴れて死者が出たり、街も荒れたりするため、日本に負けた腹いせに襲われるんじゃないかと心配になりましたが大丈夫でした。
クラスメイト曰く、「誰も日本に本気で勝てると思っていないから大丈夫だ」とのこと。
カフェは激混みです。駐車場に止めきれないくらいバイクと車があふれています。
そして、インドネシアがチャンスとピンチを迎えるたびに大歓声があがります。
どちらかというと落胆の叫び声が印象に残りました。
攻撃時によく聞こえたのが「アンジン」と「アスタガ」。
失敗に終わり、なんだよクソったれとか、エーなんでそうなるんだよ、みたいな感じの声です。
攻撃されているときは「アワス、アワス、アワーーーース!アドゥー」
「あぶない、あぶないよ、あーーー」みたいな感じです。
わたしは今回インドネシアチームを応援していました。
インドネシアに住んでいるというのもあります。
それに、日本はこの試合に負けても余裕でワールドカップに行けるのに、インドネシアは2位戦線から大きく後退します。
インドネシア勝て!と思ってみていると、昔のサッカーがそんなに強くなかった頃の日本を見ているような気持ちになりました。
特にチャンスで決めきれないところがそっくりです。ゴール前で緊張してどきどきしている感じが伝わってきました。
それに引き換え日本チームは練習しているかのように軽々とプレーして、しっかりと決めてきました。
守っているインドネシアチームはなすすべなくやられていく感じです。ディフェンスも人数はそろっているのにあたふたしてしまっています。
1点目を取られた時は、ついにやられたか、でもまだ1点なら大丈夫と思って見てました。ところが、続けざまに2点目を取られたときは、実力差をまざまざと見せつけられ、心を折られたかのように感じました。
こんなシュート絶対に防げないと絶望的になるすごいシュートでした。
勝てるとは思っていなかったけど、これほど圧倒的な差があるんだなと思い知らされたのか、ため息が出て会場の雰囲気がどんより沈み込みました。
ちょっと静かになりましたからね。
でもインドネシア人は強いので、すぐに吹っ切れて楽しく応援し始めました。
日本側も慣れない気候や環境でやりにくかったのか、バックスがいつものメンバーではないためか、ミスが結構出ていて、ゴールのチャンスは何度もあったのです。
1点くらいは入るかもと思っていましたが、日本チームの集中力は最後まで切れませんでした。
日本がワールドカップに出始めの頃は、今のインドネシアチームみたいだったのに、短い期間でよくこんなに強くなったと感心しました。
メンタルが強くなったというより、大舞台に場慣れしたのと、普段の試合のレベルや強度があがり気遅れしなくなったのでしょう。
インドネシア人からしたら、サッカー代表がこんなに強いと本当にうらやましいのだと思います。日本はいいなと言ってきます。
わたしも、選手たちをテレビで見ていて本当にすごいなと感心しました。
でもインドネシアは強くなっていくと思います。
オランダで活躍しているインドネシアに縁のある選手を次々と帰化させていて、オランダ代表の3軍くらいの力は持っています。
日本、韓国、イラン、サウジ、オーストラリアにはまだ勝てなくても、その次くらいに強いチームになりつつあります。
インドネシア人はこの流れを大歓迎しています。
もともと多民族国家なので、見た目が外国人でも全く気にしません。日本とは感覚が違います。
わたしのクラスメイトは「オランダは過去インドネシアの資源を略奪していったんだから、今度は我々が彼らから略奪する番だ」とうれしそうに話していました。
次は日本のホームゲームでインドネシア対日本を楽しみたいと思います。
日本は1位突破を決めているでしょう。インドネシアはなんとか粘って2位争いに絡んでいてくれるといいですね。