スラウェシ島の温泉をめぐる旅 1日目ゴロンタロへ
朝2:30に起きると奇妙なメッセージがライオン航空から来ていた。「1:30のフライトはキャンセルしますか?」
わたしのフライトは4:00だ。ちゃんと読まないでいた昨夜のメールを見ると、あたかも1:30発が既成事実かのような確認メールが来ている。
とても嫌な予感がしながらも、とにかく直接カウンターに行って事情を聞いてみるしかないと思い、ホテルをチェックアウトしてサービスカウンターに向かった。
そして、4:00のフライトはどうなったのか聞いてみると、「キャンセルになって1:30に出発済みだ」と平然とした顔で言うではないか。申し訳ないなんて顔をしたら文句を言われるだろうし、彼女の責任ではないから事情は察しないでもないが、こちらとしては非常に困る。そこはわかってほしい。
幸いにも8:00発のフライトの座席が空いていて、どうにか最小限のtimeロスでゴロンタロに行けることになった。
問題は、出発までの5時間をどうやって潰すかだ。店はたくさん空いてるし、ベンチもたくさんあるのでなんとかなりそうだが、ダメもとでホテルで休めないか戻ってみることにした。
すると元の部屋にそのまま入れることになった。
こういういい加減さがインドネシアの良さだ。
飛行機を勝手にキャンセルして知らんぷりなのもインドネシアだし、チェックアウトした部屋に何の手続きもなくまた入れるのもインドネシアで、こうやっていい加減な社会が全体としてうまく回るようになっている。
ジャカルタからマカッサル経由でゴロンタロに向かう
ライオンエアの飛行機はライオンエアには珍しく定刻通りに出発し、定刻通りにマカッサルのハサヌディン空港に到着した。
レバランに向けた帰省が始まったのか飛行機は満席だった。
ゴロンタロ行きの飛行機は別の機体になるため、マカッサルで一度飛行機を降りてトランジットの手続をしなければならない。マカッサルの空港は近隣のハブ空港なだけに大きな空港だが、トランジットの場所は分かりやすく、手続きもすぐに済んだ。
ところが、ゴロンタロ行きの飛行機が到着していないらしく、出発は定刻より1時間半遅れるとのこと。そうであれば、今日の断食は取りやめ、マカッサル名物のチョトマカッサルでも食べておこうと食堂に入ることにした。
空港内のレストランは高く、飲み物代金を入れて100,000ルピア(1000円)を超えてしまった。でも満足だった。
マカッサルからゴロンタロに向かう飛行機も左右3席ずつの中型機にもかかわらず満席で、わたしは3列シートの真ん中になってしまった。ほぼ寝ていたら1時間ほどで到着した。
空港から市内へ車で向かう
空港には客引きがたくさんおり、熱心に勧誘してくる。わたしはバイクのオジェック(バイクタクシーのこと)を探した。Grabアプリで探したが運転手が見つからなかったのだ。それでも相場がわかったのは幸いだった。
空港から市内は距離にして35キロほどあり、1時間近くかかるようだ。Grabで95,000ルピア(950円)と出ていて、オジェックを探そうとしたものの空港によくあるルールでバイクは入ってはいけないらしい。仕方なく空港の外に出て見つけようと思い歩き始めたところ、根負けした運転手が100,000ルピアで良いというので頼むことにした。
わたしが2晩お世話になる予定のWisma88という1泊100,000(1000円)の安宿は有名なようだ。市内で最も賑やかなエリアの一つに位置している。近くにはUNG(Universitas Negeri Gorontaroゴロンタロ州立大学)があり、そんなことからわたしがUNGに用事がある大学関係者に運転手には見えたようだった。
わたしは急にゴロンタロ州立大学に興味を持ちはじめ、宿にチェックインして荷物を置くと早速見学に出かけたのだった。 `
ゴロンタロ州立大学は創立60年で5学部25学科ある北スラウェシで中心となる大学だ。日本では愛媛大学と協定を結んでいるらしい。
大学の中に入って見学してみたら、まだ帰省せずに残っている学生が何人かいて、多くは賢そうな顔つきをしていた。女性のヒジャブ率(かぶりもの)はバンドン工科大学より高く、メガネ率は同じくらいだった。
地元の賢い子供たちがいく大学なのだろう。
そのほか興味深い話として、北マルク州でよく見たベントールという乗り物は、ゴロンタロにあるメーカーが製造しているようだ。ハルマヘラ島、モロタイ島、ティドレ島以外ではお目にかかったことはない特殊な乗り物で、ゴロンタロではたくさん走っている。
バイクに椅子をくっつけた作りで、シクロやベチャと呼ばれる自転車で座席を押す乗り物の動力をバイクに変えた乗り物だ。
わたしが「おっベントールが走っている。ハルマヘラと一緒だ」と口にしたところ運転手が教えてくれたのだ。他にもマナド、マカッサルにも送っているらしい。
わたしはどういう経緯でこの乗り物が広まったのか、なぜゴロンタロに工場があるのか知りたかったのだが、インドネシア語の能力不足で確認できず残念だった。
夕食を食べる
夕食は街並みを観察しようと、屋上で食事ができる店にした。
断食明けのイフタールを仲間と楽しむ学生たちで混み合っている。
わたしはアヤムカンポンコカコーラ(田舎地鶏のコーラ煮)、カンクン(空芯菜)炒め
、ライスを注文した。
食事を終えて帰ろうとするとオーナーから呼び止められ、少し話をした。ヌル・ホリスさん、通称オリス、ゴロンタロ人だ。お店の帽子をいただいてしまった。明日の夜もまた食べに来ることにしよう。
店名のAnjunganはどういう意味か聞いたら、“自由に景色を見られる場所”という意味だそうだ。ネットで調べたら“platform”と出てきた。
Name: Anjungan DC2 Cafe Rooftop
Address: Komplex UNG Gorontalo, Jl. Nani Wartabone Kel No.222, Limba U1, Kota Sel., Gorontalo 96135