インドネシアの都市部で渋滞が多い原因を分析してみた
ジャカルタ、バンドンといった都市部の渋滞はかなりひどいです。
今回は、渋滞を引き起こす原因としてインドネシアならではの理由を上げさせてもらいます。
渋滞の要因は様々ですので、全て網羅できているわけではありません。
1.違法駐車、違法停止が多すぎる
違法なのかまでは分かりませんが、細い道で車を止めてしまって後ろに長々と車列を作る車をとてもよく見ます。
一番これをやるのはアンコタの運転手たち
アンコタとは乗り合いバスのことで、客待ちのために道端に車を止めて客が乗ってくるのを待ちます。
次にやるのが乗降者のための停車
インドネシア人は少しでも歩く距離を短くしたいという怠け者の心理を持っています。一歩でも多く歩くのは損だという発想です。
停めやすいところで停めてあとは歩くという発想が薄い。なので、ここはやめようねという場所でも平気で停めてしまいます。しかも、悪いから早く行動しようという様子も見られません。
ちなみにわたしのクラスメイトは全く違います。他の車の通行の邪魔にならないところに停車し、ここから先は歩いてくれと言います。わたしはさすが天下のITBの学生だと感心しました。
2.無理な右折、Uターン
信号がないせいもあります。
あと、バンドンは道がくねくねして変な角度で交わることも原因と思います。
それでも、大通りで反対車線が3列くらいあって、のろのろとしか動かない渋滞状態にもかかわらず、その車列を通り抜けたい、あるいはUターンしたいという車がいます。
日本だと右折禁止、Uターン禁止マークがでる場所です。
ちなみにインドネシアは日本と同じ右ハンドル、左側通行なので日本の道路をイメージしてもらうと分かりやすいと思います。
時間帯によっては全然問題ないので、一律禁止にできず、かといって時間帯で管理するなんて高度なことはインドネシアではハードルが高く、難しいです。
わたしは、小銭をチップでもらいながら交通誘導している人たちの雇用を守っているのかもしれないと密かに想像しています。
3.そもそも道路にくらべ車が多い、車体がでかすぎ
ジャカルタは高架道路がたくさんできましたし、バンドンにも少しだけありますが、それでも道路の量は車の増加スピードに全く追いついていないと思います。
ジャカルタは昔に比べかなり渋滞は減ったと思います。公共交通機関もたくさんできました。
他の都市はまだまだです。
わたしは週末のバンドン、ボゴールでジャカルタから車でやってくる連中に腹を立てています。ジャカルタのひとたちすいませんね。
Bナンバーだからすぐわかるのです。ちなみにバンドンはDナンバー、ボゴールはFナンバーです。
彼らは道をよく分かっていないからのろのろ運転しがちです。ちぇっまたBナンバーかよと舌打ちをする感じです。
平日であれば朝夕の通勤時間を除けばスムーズなのに、ジャカルタからの車が大量に流入してくるせいで、週末はとんでもない渋滞になってしまうのです。
「バンドンの渋滞はジャカルタよりひどい」というジャカルタから車で遊びにきた知人に、「君たちのせいだけどね。わかってる?(笑)」と返したことがあります。
バンドンもボゴールも電車やバスで来れるんだから、車で来ずに電車やバスで来て欲しいですね。そして現地のタクシーやオジェックを使って金を落としてあげてください。
車体でかすぎ問題
インドネシアは大家族で車に乗りますので、車が大きいことが多いです。
そんな大きな車でどっちかが止まらないとすれ違えないような細道に侵入してくるのです。
寮の表通りにあたるチシトゥラマ通りなんか、まさに典型です。
わたしが以前クラスメイトにクレームを入れたところ、チシトゥラマ通りは警察がいない裏道として有名で、よく使われるんだとのことでした。
わたしからすれば知るかそんなことですよ。
お前らが警察に捕まろうと知ったことではない。住宅街の小道に入ってきて道を渋滞させるなんて、いい加減にしろよという気持ちです。
なので、わたしは道の端が荒れているときは歩かずに道路を堂々と歩きます。わたしのせいで渋滞しようが知ったことかですね。
なんでこっちが足をくじいたりこけたりするリスクを取らないといけないんだということです。
4.バイクが渋滞を悪化させる
インドネシア人というのはいつもはのんびりしていて大らかなのに、運転するときは待つのが大嫌いです。
少しでも空いたスペースがあれば突っ込んでいき、先へ先へと進みます。
しかも、自分勝手だからなのか、自分がやることの結果が見えないのか、対向車線にはみ出して進んでいくため道幅が狭くなってしまい、反対車線からくる車が通れずに止まることがあります。
稀に車でこれをやる奴がいて困ります。
5.イベントによる特殊事情
一番頻繁に見るのがデモです。
バンドンの場合、デモが行われる場所は決まっていて、グドゥン・サテという建物周辺です。中心地ですね。
デモのテーマはわたしがバンドンに滞在した1年間の経験でいえば、親パレスチナ(反イスラエル)のデモが一番多く、次が政権批判です。
デモは道をふさいで行われます。歩道があるんだから歩道を歩けよ、と思うのはわたしだけではないでしょう。
次がスポーツイベントやお祭り系です。
道路を封鎖するほどのイベントですから、そんなに発生しません。
一番インパクトが大きいのはマラソン大会です。
ポカリスエットが主催するポカリ杯は、インドネシア3大マラソンと言われていて、バンドンで大渋滞を引き起こすとして、マラソンをしない人には悪評高いイベントです。
ちなみに3大マラソンの残りの2つは、1つがジャカルタ、もう一つがバリです。
卒業式の日も大変です。
バンドン工科大学の卒業式は4月と10月に2回あります。
バンドンは学生の街と言われるくらい大学がたくさんありますので、卒業式をやるだけの大きな講堂が無い大学が、バンドン工科大学の建物を借りて卒業式を行うことも多いです。
ざっくり年に10回近く卒業式がある感じがします。
卒業式には一族郎党が参加するのがならわしです。大学進学率がそんなに高くない国ですから、一族から学士様が出たというのは誇りなんだと思います。
みんなおめかしして車でやってきますから、もう大渋滞です。駐車場がないから歩道にも車を止めていきます。
6.(今はほぼみない)事故渋滞
わたしがジャカルタ駐在をしていた20年前は、高速道路の事故渋滞はかなりの頻度で起きていました。
昔、ジャカルタから東部の工業団地を結ぶチカンペック線は、中央分離帯が幅広い緑地帯になっていて、中央部が浅いお堀のようにくぼんでいました。
この窪みに大きなトラックが横倒しになっていて、それをインドネシア人ドライバーたちが興味津々で半ば止まる寸前までスピードを緩めて観察するために起きる渋滞です。
なぜ今この手の事故が減ったのか分かりません。
今は緑地帯は無くなり、壁になっているから、事故のインパクトはより大きくなったように思います。なのに事故渋滞は激減してます。
昔はよくパンクをしていたのでバランスを崩したり、過積載でバランスが悪く、道路のデコボコの影響を受けやすかったのかもしれません。
好奇心旺盛なインドネシア人ドライバーを低速運転させる原因の一つで、黒い煙を吐きながら停車している乗用車も昔はよく見ました。
路肩に車をとめてボンネットは開けて冷やしている車ですね。
今はほぼ見なくなりました。
7.バンドンにはないがジャカルタにある
バンジール(洪水)渋滞はジャカルタならではです。
道路が冠水して通行止めになるため、数すくない通れる道に車が殺到するパターンと、冠水した道路の中でも比較的水深が低い車線に車が殺到して渋滞になるパターンがあります。
今は車高が高い車種が増えたので、洪水に比較的強くなっているかもしれません。
昔はセダンタイプが多かったので、洪水にはとても弱かったです。
わたしがジャカルタに駐在していたときの記憶では、スディルマン通りも冠水していました。冠水する場所は決まっていて、川のところ(線路が平行して走っている)と、今まだあるのか分かりませんが、りそなプルダニア銀行のビルのあたりです。
それと、空港にいく時もいつも冠水する場所があり、わたしが駐在していたときに道路を高架にする工事をして対応していました。
【対応策】2つあります
(1)車ではなくバイクで移動すること。
昔は危ないから絶対車でした。車の間をすり抜ける時にぶつかってケガをするとか、転んでケガをするリスクが高いからです。
リスクが高いのは間違いないです。わたしも旅行中に1回事故に遭いました。
それでも移動時間でいえば、渋滞時間帯は半分以下になります。しかもタクシーより安い。
(2)渋滞の時間帯、渋滞する場所には出かけない
もうわかってますからね。土日は混むとか、バンドン郊外に向かう道は一本道で逃げ場がないから大渋滞とか。
いいかげん学習したらどうだということです。
わたしは渋滞が嫌なので基本的に土日に遠出することはありません。
以上となります。