【日記】人生初救急車でした

7月18日

 いつもより少し早い5時前に起床。10段階で5〜6くらいの腹痛があった。すぐ治まるだろうと高を括りながら、バナナ食ったりゴミ出ししたり身支度、トイレをしたりしていると、痛みは突然10段階の10に。脂汗を流しながら唸っていたらしく、それを聞いた妻も起きてくる。唸っていた自覚も記憶も全くない。今度は手足、舌先に痺れが出始め、体がうまく動かせない。呂律も回りづらい。いよいよ立っていられなくなる。
 寝室に戻ってベッドに倒れ込み、119番通報。配送業者が間違える自宅の所在地を的確に伝えるだけの冷静さはあったが、とにかく痛いし寒いし痺れるし。早く何とかしてくれ。
 ものの数分で救急車到着。妻に連れ添ってもらい、担架で運ばれ乗り込む。義父が自家用車で救急車を追走。
 搬送先は、1件目に断られ2件目へ。到着して徐々に痛みはひいていくのだが、全身が強張っている。

 血液検査、水分補給用の点滴、心電図。
 造影剤検査に同意し、CTスキャン、痛み止めの点滴が追加。
 しばし待ち。

 原因は「断定できない」。
 まあ、そうでしょうな。胆石発作の可能性があるということだがこれ以上は調べようがない。胆嚢・胆管あたりに小さな石“のようなもの”が見える程度なので、鎮痛剤が処方され、帰ることになった。

安心感

 救急隊が到着し自宅に入ってきてくれた時の安心感がすごかったです。「呼吸が浅いと余計痺れます、深呼吸して。」の一言でかなり冷静になれました。3名の方が何度も話しかけて確認をしてくれたことも、安心感につながったのだと思います。

救「食事は摂りましたか?」
マ「はい、バナナを1本……。」
救「そんなに痛いのに? よく食えましたね……。」

24.7.18 救急車内での会話

 意識の確認などの意味合いもあるのでしょう、流石に雑談などはしませんが、この辺の会話でかなり楽になりました。
 救急車のサイレンが頭上でずっと鳴り響いているのは、不思議な感覚でした。通り過ぎていく音ではなく、どこか遠くで聞こえる音でもなく、他ならぬ自分自身に起こった現実を、有無を言わさず突きつけてくる音。しかし、この音の庇護下にあるうちは、ひとまず命は守られるのだろうという安心感。同乗してその音を聞き続ける妻にしてみれば、気が気じゃなかったと思いますが……。

確認、確認、そして確認

 救急搬送に対応してくれた当直のお医者さんは確か2名。看護師さんは5名くらいいた記憶。さっきされた質問を他の人からまた聞かれる、ということが続きました。朝のバナナのくだりも、病院でもう一回しました。ただ、これって現場でかなり大事なことのように思います。救急隊の3名とは、目的がちょっと違う確認頻度の高さ。
 情報の齟齬、理解/解釈の齟齬。共有されたと思われていた情報が、実は自分しか持っていなかった/自分だけが知らなかった。聞いているようで聞いていなかった、聞いていないようで聞いていた。そういうことが現場ではどうしても起こってしまうのでしょう。それを防ぐためには、アナログだけど確実で、情報へのアクセス速度が圧倒的な「そこにいる人に直接聞く」なのでしょう。一次ソース(要は私)が意識はっきりでしゃべれるので、又聞きする必要もない。というか又聞きでは事故る。緊急事態のノウハウとして、「いつか使うかもしれない箱」に入れておこうと思います。

 結局この日と翌日19日は仕事を休むことになりました。「休んでしまい、職場に迷惑をかけてしまった。」と思うのはメンタル的によろしくないので、何とか切り替えていきたいところ。せめて直接的に負担をかけることになってしまった何名かの同僚には何かしら焼き菓子を……でもそれで「迷惑かけてごめんちゃい、許してね。」ってのは浅ましくないか……? と考えるのもメンタル的によろしくない。仕事で返すか。返せるのか。

7月19日

(追記:24.7.20 7:45)
 翌日は救急外来にかかる支払いを済ませに搬送先の病院へ。相変わらずこの病院はめちゃくちゃ混んでいる。消化器内科で検査をしたかったが「他院からの紹介でなければ受診できないほど混んでいるので、うちは紹介制を採っている。まずは他院の受診を。」と勧められる。
 近くの消化器内科を受診し、血液、エコー、尿検査。こちらも結局4時間ほどかかった。結果は、「胆嚢壁に4ミリ程度の石があるが、これが痛みの原因とは考えられない。木曜朝に石は出てしまったのではないか。血液、尿検査で異常はなかったので、炎症や尿管結石の可能性は低い。」とのこと。
 石との長いお付き合いの始まりなのだろうか、とちょっと暗澹たる気持ちに。でも緊急性はなさそうなのでひと心地。
 食生活見直しの機運が急浮上。そういうトピックを人生の中心近くに置く事になるとは、自分ももうアラフォーなんだねえ、という謎の感慨が生まれる。油と砂糖は控えます。