イギリス探検記 〜激動のリーズ〜

リーズシティマーケット

ついに今日はプレミアリーグ観戦の日。俺はとてもワクワクしていた。しかし、リーズの街をもっと見たかったので、相方に少し無理言って朝早くから家を出ることにした。朝出発する前に、免税店で買った葉巻を外で吸うことにした。全然吸えなかった。太すぎるし、味も舌が変な感じになった。途中で吸い切るのを諦めて、俺たちは街の中心部に向かって歩き出した。朝のリーズ郊外を二人で歩く日本人という違和感満載のセットだが、誰もいなかったので多分大丈夫だろう。途中馬に出会った。出会ったというかたまたま飼育場みたいに所を歩いてただけなんだけれども。この馬はなんの目的で飼育されているのだろうか。俺たちも分からない。にしても人懐っこい馬で、撫でると餌を欲しそうにしていた。ちょっと戯れた後、何もないので、別れを告げのんびり歩き出した。

ウマと俺

街の中心部では土曜日に青空市場をやっているらしく、意外と有名なやつで、運よく参加?することができた。本当は聖堂みたいなやつの中に入りたかったが、入れなかったのでそこを楽しむことにした。いろいろのものが売っていた。昔のユニフォームにエリザベス女王の変なグッズ。警備員の服に軍服にたくさんの古着。妹にエリザベスグッズを買ってこいと言われて、そんなものあるわけねーだろとか思ってたけど本当にあるもんなのね。履いていた靴がいまいち合わなかったので安くパチモン靴を買おうとしたら、デブなおばさんにこれは本物だから90ポンド、日本円15000くらいと言われ、な訳あるか!と思ってすぐに買うのをやめた。古着屋の爺さんと何気ない会話をしたりとそんなこんなで相方は古いユニフォーム、俺は女王の貯金箱を買った後、腹ごしらえでマーケット内のケバブをテイクアウトして外で立ち食いした。昨日見た街の中で存在感を放っていたleeds city market で。中はいたって普通の小売店の集合体だが、どこかスコットランドの文化も感じられた。すごい海外を感じたし、エモい。その頃からチラホラリーズのマフラーを巻いている人を見かけた。今日はマッチデー。フットボールの街にいる実感がました。果物をうっているコーナーがあって、試食させてくれたおじさんの優しさと、1ポンドの安さから、全く甘くないイチゴを一袋買った。その後街を歩き回った。カルヴィンフィリップスの壁画を見たときは大興奮した。その後見た三笘男子でテンションはダダ下がりしたが。川沿いを散歩して相方が途中タバコをふかしていると、隣にいたイングランド人に話しかけられた。タバコニュニケーションは万国共通らしい。気づけばリーズの土地勘ができていた。なんとなくこっち行けばあれが見えてとかできるようになってたし。

絶望のelland road

そんなこんなでやりたいことは大体済ませたので、いよいよellandroadに向かうことにした。行き方はよく分からなかったが、リーズのユニフォームを着ている人が乗るバスに適当に乗ったら着いた。途中リーズのマフラーをしてるであろうお兄ちゃんと目があって、俺が自分のユニフォームのエンブレムをポンポンと叩くと、お兄ちゃんは満足げにニコッとしてくれた。フットボールのつながりである。これか。正直スタジアムと呼べるほでの規模感ではなかった。しかし、毎試合満杯近くなるのはこんくらいの感じなんだろう。ソレでも二万人毎試合集められるのも地元に根付いてる証拠だろう。クリステンセンユニをきた現地サポと相方が写真を撮っていて、すごく楽しそうだった。俺も銅像や壁に描かれた絵と写真を撮ってめちゃくちゃ楽しかった。しかし、トラブルがまた起きる。ポケットWi-Fiが使えなくなったのだ。チケットの手続きがまあ終わっていない。俺は絶望し、そのイライラを相方に少しぶつけてしまった。そんな俺に不満を示さず、駐車場の警備をしているにいちゃんにwi-fiをかしてもらっていたのだ。俺はとても嬉しかったし、ありがたかった。にいちゃんはとてもやさしかった。どこから来たの?とか少し会話した。ブライトンサポーターらしいが、なぜかリーズの近くのバイトをしていた。少し手間がかかったが、無事手続きを終えて、グータッチをして、いざellandroadへ。いく途中相方に結構な回数本当にありがとうと言われた。こっちのセリフである。こんな適当な旅についてきてくれるのは多分お前しかいない。しかし神様は気まぐれなものでまたトラブルが起きる。チケットが反応しない。え?なんでやねん❗️俺たちはスタッフにたらい回しにされ、行く先々で右に行け、と言われ続けて困惑している時に選手バスがスタジアムに到着した。三苫もチラッと見えた。マクアリスターもいた気がする。相方はロブサンチェスに興奮していた。正直意味わからなかった。ジャックハリソンやアアロンソンなども見えた。後一時間でプレミアリーグだ。そんな希望は数分後に打ち砕かれる。チケットセンターみたいなところに行った俺たちは衝撃の事実を伝えられる。チケットが偽物だったのだ。もう完売で空きもないらしい。俺は絶望した。心の底から。相方への申し訳なさ。自分のしょうもなさ。全てが嫌になった。相方はおれを必死にフォローしてくれた。その優しさが返って申し訳なかった。リーズの悪口も言いまくった。そんな相方も次第に少しだけおれにイライラしていたように思う。おれはいち早くその場から脱出したかった。まさしく虚無だった。しかし、最後に現地のチャントだけ聞いて帰ろうと、相方が提案してくれたので、marching on togetherを聞き、その後何個かリーズのファンのチャントと反応を聞いて俺たちはその場を後にした。本当に悔しかったが、今思えばあの経験だけでもとても言葉に表せるものではないと感じる。帰りのバスで、前の席の人が試合をスマホで見ていたので盗み見していた。一緒に一喜一憂して、その人がバスを降りるときにごめんよと気を使ってくれた。おれこそごめんよ。いや、見してくれてありがとう。クソ嬉しかった。そんなこんなで宿泊先に戻り、俺たちの激動の1日が終わった。

さらばリーズ、またロンドン

4日目。失意の中、俺たちはロンドンに帰る。リーズの街を少しうろちょろして、あの馬にも別れを告げ、近くのマックでアーセナルの本を読んだ。日本人二人が日本の本をリーズのマックで読むという何をしているかわからないことをして、バスの待合所でアーセナルとフラムの試合を見ていた。ウーデゴールうますぎた。昨日のショックがデカすぎたのか、いつもの口数がその日の二人にはなかった。そして高速バスに乗車。後ろの人に最初の30分ずっと椅子を蹴られたが、そいつが降りた後、海外の高速バスにも関わらず寝てしまった。何もなかったのが幸いである。乗っていたバスはノッティンガムによっていた。レスターの看板も見えた。レスターが少し好きな自分にとっては嬉しかった。思えば初日のバス停でもブライトン行きやサウサンプトン行きのバスを見たので、〜行きの地名でプレミアリーグのチームをそろそろコンプリートできそうな勢いであった。そしてノースロンドン到着。フィンチレイロードのすぐ近くだった。日本で調べたとき地下鉄がないと思っていたが、めっちゃ近くにあってとても便利だった。そこから少し歩き、なかなかエアビー先が見つからなかったのに加え、やっとのことで綺麗な部屋を見つけて寝れると思ったらいきなり電話が来て、何事かと思ったら3個ある部屋の鍵を全部取ってしまったの直せと言われてそれを戻しに行った。もう数日いるだけなのに俺のリスニングとスピーキングはだいぶ向上していた。ああ、休ませてくれ。そう思って階段に入ると、二人の美男美女がいて、その人たちが俺が迷惑をかけていた人達だった。俺は英語で謝り鍵をわたすと、いいよ気にすんなと言ってくれた。泣きそうだった。シャワーが下からしか出なかったので修行僧のようなスタイルでシャワーを浴びた。その後さっきのカップルと少し喋って俺たちの激動のリーズ旅が終わった。明日はいよいよエミレーツだが、それでさえ元気になれないほど俺たちは疲弊していた。


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