初夏の京都を訪ねてー東寺と北山杉ー
先日の京都は、6/3(土)〜4(日)2日間、1泊で詰め込みすぎの旅であった。
この前日は、梅雨前線に台風2号の勢いが重なり、四国、近畿、中部、関東にまで線状降水帯が停滞し、各所で河川の氾濫による洪水や、崖崩れなどが生じ、新幹線においては6/2(金)午後から運行見合わせののち停車、運行再開は6/3(土)13時すぎとなり、その間に移動の策を失った方々は宿泊先の手配ができた場合は運良く、駅構内あるいは臨時に提供された新幹線車内泊となるなど、6/3(土)においても運行再開のチケット入手に多くの列をなす方々を見ることとなった。
今回記録的な大雨となった理由 線状降水帯が発生しやすい条件と とるべき行動とは?(日本気象協会)
我々は、名古屋から自家用車利用で、6/3(土)の朝は快晴。
予定スケジュールでは、11:30に京都駅集合であったが、早めに8時には出発。名古屋高速から伊勢湾岸道を経て、新名神高速をスムースに走り、滋賀に入ってからは名神高速を京都東ICで降りる。もう10時前には京都市内に入っているのだから、本当に何事もなくスムースに進んだ。
京都に入って間も無く、今日の段取りをいただいている方から電話が入る。
同行するメンバーには、新幹線移動の方々もあり、東寺を訪ねる時間を15時に変更するとの連絡だった。参加メンバーには、事前に『LINEオープンチャット』が開設されており、そこで状況を共有するはずが、当方は車での移動なのでチェック出来ておらず・・・
この時点で既に京都入りしており、東寺への案内看板も目にできたので、一旦は宿泊先ホテルの場所を確認し、東寺周辺の散策をしながらゆったり過ごすこととした。
東寺周辺駐車場
【東寺】駐車場料金や入り口を地図で解説。周辺の安い駐車場や予約可も!
東寺にも駐車場はあるが、2時間600円、以降1時間ごとに300円の設定となっているので、少し周辺を走って値打ちな駐車場を探す。でも皆さんよくご存知の様で、お値打ちな駐車場は多くが埋まっていて・・・うまくここを見つけたので駐車。60分200円だけれども、600円で打ち切り。お値打ちなので、ここから歩いて散策します。
ここ以外にも同様に上限打ち切りの値打ちな駐車場はある。
https://goo.gl/maps/DwZa1RM6P4RMc9mV9?coh=178572&entry=tt
何しろ、この時点で11時にもなっていないので、ゆっくりと散策を楽しむこととした。一旦は京都駅まで歩いて向かい、前述の通り「何の行列か?」と近づくと、新幹線チケットに並ぶ長い行列。それも二重に折り返しの行列があったので、豪雨の影響の一端を垣間見ることとなった。そこから今一度、当時周辺に戻りお昼のランチはここ。
京都 鴨しゃぶ&町家カフェ「空」
こちらは、お店の開店前にも立ち寄ったのだが、京都景観賞に輝く建物としか分からず、再訪。鴨肉を得意とするお店の様で、いざこちらへ入店することとした。
https://tabelog.com/imgview/original?id=r1483791866581
私は、鴨肉のカツを選択、奥様は鴨せいろそば。
鴨肉は、スーパーでも割と普通に手に入る様になったけれども、それでもまだまだ若干敷居は高いお肉だと思う。それをカツでいただくというのだから、嬉しい限り。下味のついた一口大のカツで、そのままでも美味い。手のひら大のボウルには、ご飯の上にキャベツが乗って鴨肉カツの上には白髪ネギ。鴨肉には、この白髪ネギが合う。後半は、この上からソースをかけて、ご飯と一緒にかき込む。
大変美味しゅうございました!
もう十分お腹は膨れましたが、正面道路の向かい側、東寺の駐車場入り口にほど近いところに「うたうプリン」というお店が気になっていたので、食後のデザートに向かう〜
うたうぷりん
ここのプリンは、水風船の中に入っている。
こんな感じ。
常温でも日持ちがするらしく、ご購入のお客様の立ち寄りもあった。
さて、15時の待ち合わせには、まだ時間があるのだが、あと1時間ほどとなったので、少し先に東寺を散策することとした。
東寺
まずは、皆と合流する前に食堂に向かい、御朱印を頂戴する。御朱印は、手書きで9種類用意されていて、その中から2種を選択し、もう慣れたものなのか達筆と言わざる得ない筆捌きで頂戴した。後からご説明を受けたが、食堂(じきどうと読む)は文字通り食堂(しょくどう)であり修行僧がお教えを受けて勉強し、そして生活をする場であったとのこと。
当時は、御所に向かって南から北に建物が位置するそうだ。
南の正門から入り、金堂、講堂、食堂と位置されている。金堂で教えを受け、講堂で勉強し、食堂で生活をする。
我々は、拝観ルートも勉強していないので、御影堂に向かい檜皮葺(檜皮葺き)の屋根に魅了され、ご開帳のない秘仏に手を合わせて、大日堂、北門を周り食堂北の手水社あたりで腰を下ろしているところに、『LINEオープンチャット』に連絡が入る。もうみなさんお揃いの様だ。
我々も含めてお集まりいただいたのは11名。今日の幹事は京都に移住された女性。主催団体の理事は、東京から故郷の岡山に移動されていたので、雨の影響なく京都入り。奈良からは別々にお二人。兵庫からはお三方。京都在住の留学生。岐阜からお一人と我々名古屋からの2名の合計11名。
御住職から、案内を受けながらまずは五重塔を目指す。五重塔初層の特別拝観ということで、中まで入れていただく。
五重塔の中は、写真撮影ができない。
五重塔は、高さ55メートル。木造の建造物として日本一の高さを誇る国宝。創建は元慶7年(883年)。長い歴史のなかで、落雷による火災などで何度も失われ、現在の五重塔は江戸時代、徳川家光によって再建された5代目だそうです。
ご案内いただき、初層内部に足を踏み入れると、そこは極彩色に彩られた荘厳な空間。江戸時代の装飾ながら、壁や柱に残る色彩は今でも色鮮やかであり、再建された当時はよほど華やかな雰囲気であったことが想像できる。
五重塔の心柱は固定されていない。
よく聞く話ではあるが、これが初めて本物を目にする機会となった。
五重塔
WEBサイトに掲載された写真だけでも、その様子を垣間見ることができる。心柱を中心に東西南北。如来さまと脇を守る菩薩さまが、鎮座する。黄金のお体と朱の彩色はその場の高潔さを高めるものがある。
五重塔の最初の屋根の四隅には、邪鬼がそれを支える様に踏ん張っている。それぞれ四隅の邪鬼の表情は違うので、また面白い。いやぁ〜これは、NHKのもつ超々高感度カメラで撮影して映像に残しておいてもらいたいものだ。
次は金堂。こちらにも、大きな如来さまが中央に位置し、両脇に菩薩さまがならぶ。如来さまの台座を回るのは、のちに干支にも置き換えられた神々がぐるりと守っている。阿弥陀如来さまを遠く御所から覗ける様に意図された窓は何らかの設計の手違いなのか、そうはなっていないとも教えてくださった。
神々の背中には、何だか光り輝く背景がある。神々しいオーラの様にも見えるが「光背」(こうはい)と呼ぶそうな。ここにも神々が宿るのだから、こちらの阿弥陀如来さまは高位の如来さまなのでしょうか。
お次に、講堂。こちらには、全何体だったか・・・多くの神々が並ぶ。象や牛に乗られた神様。出口の方の鳥に乗られた神様を支えるのは、ガチョウだと教えていただいた。そのほかに、餓鬼を踏み躙る(あるいは、支えられているとも)神様。その足元の餓鬼の表情もイキイキと表されている。東京への展示などにも移動があるそうで、その難しさに鳥肌ものだった。
ほかにも多くをご案内いただいたのだが、とても貴重な機会となった。
15時前に集まって、16時を過ぎて1時間以上も貴重なお話を伺うことができた。本当になかなかない機会をありがたい。
この後は、河原町に移動しての懇親会。
3時間はあっという間に経過をし、その後少し歩いて6人で2次会。
ホテルに戻ったのは12時過ぎ。
深夜帯に自宅で少し散歩にも出ていたけど、この日の合計歩数は23126歩。
ちょっと疲れて、ホテルではシャワーの後、爆睡してしまった。
(翌朝知らされたのだが、寝る前にカップ焼きそばを食べようとお湯を入れて放置して寝入ってしまったらしい。その後、起こされて冷めた焼きそば、伸びた焼きそばを湯切りして、食べてしまったらしい。朝、気づくとすっかり綺麗に平らげたカップが残っていたところ、そのような説明であった。)
2日目の6/4(日)も快晴。
モーニングには、ホテルから程近い3店ほど回ったがここに決定。
DEAN & DELUCA 京都
写真撮るの忘れた!こちらは、旧銀行だった趣ある建物の内装をリノベーションして利用されているみたいで、店舗内飲食スペース側に金庫だった様な様子が垣間見られます。
こちらで手土産も手に入れて、次なる目的地「北山杉」を目指す。
5月のある日、三重県の「美杉」を尋ねる機会にお世話になった中源株式会社・中田社長にご無理を言って北山杉をご案内いただきました。
北山杉、台杉については、日本人が知らないだけで、諸外国にはさまざまな形で知られており、フランス人、ドイツ人、スウェーデン人など諸国の旅行者が訪れるそうです。中には、「サンド・ポリッシュ」と呼んで、北山杉の大きな特徴である「菩提の滝」の砂を使った丸太磨きを目当てに訪れる外国人もいらっしゃるほど。
「菩提の滝」の砂について、昔ある僧侶が「菩提の滝」の砂を使って磨きなさいとの謂れで、今も続くそう。「菩提の滝」の砂は、水に濡らして手に取り杉丸太に擦り付けるとどんどん小さくなって崩れている性質がある。中学生の時に技術家庭科の演習の中で木工において、ニスを塗る下地に『砥の粉』を塗って滑らかにする過程をご教授いただいたことがある。中学の技術の先生はとても厳しい方で怒られた記憶もあるが、この砥の粉を含んで細かくなるのが「菩提の滝」の砂の特徴。
私も体験させていただいたが、手のひらの1/3ほどの量の「菩提の滝」の砂を手に取り丸太に擦り付けていく。少し体重をかけながら前後に擦り付けていくと見る間に砂が小さくなっていく。この小さく解けていく過程で、マルタの表面を綺麗に摩擦し、サンドペーパーでやるにはかなり工程が入りそうなツルツルした表面を生み出すわけだ。水で流して、マルタの表面を触ってみると、そのツルツルした状況がよく分かり、そして自身の手のひらまでツルツルとするのだから面白い。
北山杉の特徴、台杉、そしてマザーツリーの鎮座する「中川八幡宮」へ
中川八幡宮
中川八幡宮は、鎌倉時代の建立で、当時は中川八幡神宮とされた由緒ある北山の林業の氏神さまとのこと。本殿の上には大きな岩が鎮座し、御神体であるとのこと。ある時、地震か何かで、御神体の一部が落石。氏子の皆さんには危険極まりない事態となったが、西は中国地区から、東は鎌倉まで、なにかこの御神体を敬い詣る方々がいらっしゃり、落石した御神体の一部をお祭りし、お清めに訪れる方々がいらっしゃる、また由緒ある場所なのである。
マザーツリーの白杉は御神木。
こちらの御神木の高さは45mあり、国内で現存する杉としては最高であるとか。
源平の乱から京都の北限に逃れた源氏の一派が、この北山を開拓し北山杉を形作ってこられた歴史は、稲作をするにも谷間の狭い集落であり、育てた杉を運び販売することで、食を求めた悠久の歴史に驚くほかない。
当時は、杉の磨き丸太を両肩に乗せて急峻な山を上り下りし運んだと。力のない女性でも、頭の上に乗せて運んだというのだから先人のご苦労の一端を垣間見せていただいた。頭の上に乗せて運ぶのは、TVでアフリカの女性が何キロも先の水場に向かい瓶を頭に乗せて運ぶ、そんな姿だだったのでしょうか。
北山を後に、ご紹介いただいた「登喜和」(ときわ)さんへランチに
偏屈な対象が経営するお肉屋さん併設のお店へ、中源さんから10kmちょっとのところ。幸いなところ、お席も空いていたので、ランチにありつけました。
ちょっとお高かったので手が出ませんでしたが、他のお客様のテーブルを見ると「焼きしゃぶ定食」をお勧めしたいですね。また、さきに『偏屈な』と書きましたが大将が気分屋さんみたいで・・・逆に書くとお肉の素材そのものを大切にされている方なので、予約をして訪問されることをお勧めしたいですね。
その後、京都の2デイトリップの最後に、錦市場を再訪し家族へのお土産をゲットして家路に。途中、大きな渋滞もなく、大津サービスエリアでお手洗い休憩を挟んでの2時間弱の帰路。やはり、京都を楽しむには1泊では少ないかな・・・せめて2泊で、もう1日見逃したところに立ち寄って行きたかったです。
京都は近いので、また行きたいですね〜