さらば掃除機 さらば家電シリーズ①
私が最初におさらばした家電製品は電気掃除機だろう。
もう20年ほども前、私は東京都文京区の古いアパートに住んでいた。
南側に護国寺から続く林があり、その木陰に入るので、夏も涼しかった。
2DKの間取りで、広さは30平米あまりだった。
たまに電気掃除機で掃除していたが、考えてみれば、この程度の広さならホウキで十分だ。
近所の荒物屋で和式のホウキを見つけ、購入した。
3000円程度だったと記憶している。
掃除機は不要になり、第三者に無償で譲渡したと記憶している。
この第三者をどうやって見つけたのか、覚えていない。
私は今はネット上でジモティーをよく利用するが、当時も同じようなサービスがあったのだろうか?
いずれにしろ、覚えていない。
以来、私はホウキを愛用している。
写真は二代目のホウキである。
東京・京橋は白木屋中村傳兵衛商店の品で、天保元年(1830年)創業の老舗である。
送料込み4914円であった。
4年ほど前に購入したので、初代のホウキは15年ほど使ったことになる。
主役は二代目に譲ったが、今なお現役で、庭ボウキとして働いてくれている。
***
エアコンにも触れておこう。
文京区のアパートは賃貸で、古いエアコンが備え付けられていた。
しかし私は昔からエアコン嫌いで、ほとんど使わなかった。
毎年夏場になると、植木屋さんが南側の林を整備する。
チェーンソーなどの機械がウンウンうなり、うるさい。
それでも私は窓を開けたままにして、エアコンを使わなかった。
私の姿勢に「心意気?」を感じたのだろうか?
植木屋さんの大将が窓越しに「一杯やってください」とビール券をくれたことがある。
アパートから引っ越した後、アパートの管理会社から電話がかかってきた。
私が普通に使っていれば、古いエアコンはもう使用不能になっていたはずで、
「エアコンがまだ動きますが??」と不思議そうに尋ねて来た。
「はい、『まったく』と言っていいほど使ってません」
「ああ、なるほど、そうですか」と納得、驚きの入り交じった返事であった。
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